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神さま再び
しおりを挟む少し眩しさを感じて目を開くと、ルイスがいた。
あれ?ルイス?やっと会えた…。
ぼーっとしながら手を伸ばすと俺の手はルイスの手をするっと突き抜けた。
え?
「やぁやぁこんにちは!慧くんひさしぶりだねぇ!僕だよ僕!神さまだよ!実は僕霊体だから人間には触れないんだよねぇ、まぁ今は君も霊体だから本当は触れるんだけど、なんとなく再現してみちゃった!あはは~」
一気に相手のハイテンションと、ルイスの見たこともないハイテンションさに驚いたのと付いていけなくて頭が混乱する。
え?え?、かみさま?俺戻れたの?
え、正直戻れると思ってなかったし。
え?なんでルイス?
「え?なんで、綾じゃないの?」
「あ!そうですよねぇ!驚きですよねぇ!実は前は言ってなかったんですけど、僕の姿ってあなた方が1番強く思っている人の姿になるんですよ!まぁ今のあなたが1番想っているのはルイスくんなんでしょうね、そういうことです」
急にかしこまったように真面目な顔で言うから、今俺の心の中にいるのはルイスなんだ…って、思ってしまった。
俺の心にいるのが綾じゃないことに罪悪感さえも感じなかった。
その時点で俺は多分綾のとなりにいる資格はなかった。とか言って言い訳してるし。
ばかだなぁ、俺も
「で、俺はルイスんとこ戻れるの…か?」
「もちろんですよぉ!!!今回の戻っちゃった騒ぎは本当にすみませんね…僕の詰めが甘かったみたいであなたを生かしたままこっちの世界に連れてきてしまって…。本来なら意識だけこっちの世界に連れてくることは無理なんですけどねぇ、まぁアクシデントの連続でして…。僕も絶対大丈夫だろうってあなたの世界の様子も見ないでいましたから…。」
「あ、そういえばアクシデントって結局なんなんだ?前に来た時も言ってたけど。」
「う~~ん、これ企業秘密なんで言っていいのやら悪いのやらなんですけど、まぁ今回慧くんには散々な思いをさせてしまった上に自殺までさせてしまったので、内緒ですよ?」
「教えてくれんの?まじか。」
「えっとですねぇ、遡ること慧くんが呼び出された直前なんですけどね」
「あるところにひとりの慧くんくらいの若者がいました!そして僕はその若者が自殺したとともに浮ついて今にも消えそうなその若者の魂をこの世界に送り込もうとしたんです!
ですが、この世界とは違う世界の神さまがその子に惚れちゃいましてね、そんでその若者も一目惚れしちゃいましてね、神さまが「こいつは俺の運命の番だ!」って言って連れてっちゃったんですよ。だから魂の枠がひと枠空いちゃいまして、そこにちょーーーどよく消えそうに浮いていた魂が君だった。というわけです。まぁよく考えればあれは消えそうだったんじゃなくて自分の体に戻ろうとしていたんですよね…僕としたことが不覚でした…。そして予定してなかった君が死んでしまうことになってしまった…本当に申し訳ないです…」
神さま?はさめざめと涙を流しながら俺に謝った。
まぁ結果良ければ全てよしだし、1番悪いのはそのほかの世界の神さまだしさ、ね、泣くなよ。
取り敢えず俺はルイスのところに戻れるみたいでよかった。
「そういえば、俺何日か綾んとこにいたけど、ルイスんとこは何日くらい経ってんの?」
「ん~、そうですねぇ、この調子だと多分2週間ってとこでしょうか。世界を渡るにもかなり時間がかかりまして、その上年差ってもんがあるんで、今回はかなり最短で行きましたけど、いや、でも僕が往復で連れてきたから1ヶ月かな、そのくらいです!ほら、綾くんのとこに戻った時もかなり時間が経っていたでしょう?まぁそういうことです。
君の場合、何度も世界を横断してますから、かなり魂が傷ついていて…もうちょっとここで療養してもらいますけど、だから帰るのはもう少し後です。君の魂には眠ってもらって今眠らせますので、次起きた時にはルイスくんに会えますよ。きっと。」
「ありがと、神さま。」
「いえいえ、本来お礼を言わなくてはいけないのはこちらですから。」
こうして俺は無事にルイスの元へ帰れるらしかった。
早くルイスに会いたいなぁ、
ルイス、俺のこと待っててくれるかな…喧嘩したけど、やっぱ俺からごめんって言おう…
いろいろ考えてたけど、
も、無理…かも…
もう……ね…む………
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