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レイルside
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汚い部屋で、唯一少しだけ足の踏み場のある、ベッド周り。その少しの楽園は、小さな備え付けの椅子を置くことすら叶わなくて、結局二人ともベッドの上に座って話すことになった。
「で?ノアがどうしたんだ?」
「はぁー。」
ノアが心配で、思わずため息が出る。
「ノアね、昨日の夕方お昼寝してたじゃない?その時、寝言で、ルイス。って呼んでたのよ。多分ノア自身は気づいてないと思うわ。
でも………ノアのことを考えると、ルイスの所に無理矢理にでも連れて行った方が良いのか、それともルイスからこのまま完全に隠して、ルイスにノアのことを忘れさせてしまう方が良いのか、わからなくなってきたの。
今までは、必死にノアのことを隠さなきゃって思って、それだけだったけど……私達の選択が、ノアと、ノアとルイスの子供の運命を決めるのよ。
そう思ったら、怖くなったの。
ノアの前ではなるべく明るく振る舞おうとしても、ずっとこの恐怖を隠しながら接していけるわけじゃない。
そのことにやっと気づいたのよ。」
どうしよう…レイル。私怖いわ。
普段明るいリルが、珍しく落ち込んでる。いや、怖がってる。
自分の選択が間違っていたら、人の人生をかえてしまう。
リルはもともとすごく弱い。優しくて、だから他の人の前では元気で明るい自分を装おうとする。
体だってそんなに強くないくせに、人の苦しみまで背負おうとするから……。
普段リルは、滅多に弱音を吐かない。自分が弱音を吐いたら、周りの人が崩れてしまうと恐れているから。
だから、自分が崩れる寸前まで、なんとしてでもそれを隠し通す。
でも、本当に辛くなった時は、こうして俺の所へ来てくれる。
本当の姉弟だけど、本当の運命の番。
それが俺たちで、それは俺たちしかない。
本当は崩れる寸前になる前に来て欲しいけど、俺はリルがしたいことをすれば良いと思うし、言いたくないなら言わなくても良いと思っている。
そんな俺だから、リルは心を許せるんだと思う。
だから俺は、リルのためにも、このまま変わらずにリルの最後の砦になっていてあげなくちゃいけないんだ。
それが俺の役目だから。
結局リルは、少しの間だけ俺の胸で泣いてから、薬を持って、笑顔でノアの所へ向かった。
俺にはその様子が、悲しくて、いたたましくて、ただ辛かった。
「で?ノアがどうしたんだ?」
「はぁー。」
ノアが心配で、思わずため息が出る。
「ノアね、昨日の夕方お昼寝してたじゃない?その時、寝言で、ルイス。って呼んでたのよ。多分ノア自身は気づいてないと思うわ。
でも………ノアのことを考えると、ルイスの所に無理矢理にでも連れて行った方が良いのか、それともルイスからこのまま完全に隠して、ルイスにノアのことを忘れさせてしまう方が良いのか、わからなくなってきたの。
今までは、必死にノアのことを隠さなきゃって思って、それだけだったけど……私達の選択が、ノアと、ノアとルイスの子供の運命を決めるのよ。
そう思ったら、怖くなったの。
ノアの前ではなるべく明るく振る舞おうとしても、ずっとこの恐怖を隠しながら接していけるわけじゃない。
そのことにやっと気づいたのよ。」
どうしよう…レイル。私怖いわ。
普段明るいリルが、珍しく落ち込んでる。いや、怖がってる。
自分の選択が間違っていたら、人の人生をかえてしまう。
リルはもともとすごく弱い。優しくて、だから他の人の前では元気で明るい自分を装おうとする。
体だってそんなに強くないくせに、人の苦しみまで背負おうとするから……。
普段リルは、滅多に弱音を吐かない。自分が弱音を吐いたら、周りの人が崩れてしまうと恐れているから。
だから、自分が崩れる寸前まで、なんとしてでもそれを隠し通す。
でも、本当に辛くなった時は、こうして俺の所へ来てくれる。
本当の姉弟だけど、本当の運命の番。
それが俺たちで、それは俺たちしかない。
本当は崩れる寸前になる前に来て欲しいけど、俺はリルがしたいことをすれば良いと思うし、言いたくないなら言わなくても良いと思っている。
そんな俺だから、リルは心を許せるんだと思う。
だから俺は、リルのためにも、このまま変わらずにリルの最後の砦になっていてあげなくちゃいけないんだ。
それが俺の役目だから。
結局リルは、少しの間だけ俺の胸で泣いてから、薬を持って、笑顔でノアの所へ向かった。
俺にはその様子が、悲しくて、いたたましくて、ただ辛かった。
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