異世界最強禁術魔法使いはチート能力で世界各地で大暴れして自分だけの闇の組織を作っていく〜

海坂キイカ

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ブルーパレス・犯罪組織編

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 男は20歳はたちにいくかいかないか頃の青年。
青い髪で黄色い瞳をしている。

完全な部外者だ。

暗殺者たちは一瞬ギョッとして、リエルから離れる。

「あれれ…?
お取込み中でしたか?すみませんね」

現場を見た男はそのまま後ろを歩きをして、距離を取ろうとする。

しかしそれを許す暗殺者はいない。
誰であろうと目撃者は殺さなくてはならないのだ。

「殺せ」

ナイフを持った男が即座に命令する。
すると杖を持った者が風魔法を作り出し、そして発射した。

高速の風の球は青年を襲っていく。
風属性魔法は防御しにくい、魔法でなんらかの手段を用いなければ防ぐことも難しいだろう。


……しかし。


青年はそれを握りつぶした。


……!?

「ど、どういう事なんだ…?」

リエルは思わず瞠目する。

あんな事はありえない。
風魔法は実体がない魔法。
それを握りつぶすなど聞いたことも無いし、見たこともない。

横を見ると男たちも動揺しているのか動きが固まった。そんな中で青年だけは唯一余裕そうに佇んでいる。

「…いきなり怖いな~。
俺は大人しく引き返そうとしたんだから、許してよ」

青年は不気味に微笑むと話を続けた。

「そんなの見た事がないって顔をしてるね。
教えてあげよう。俺が掴めると思ったのは掴めるし、俺が気に入らないって思った魔法は無かったことにできるんだよ?」

「…な、なんだと…?」

「ふふっ、もちろん嘘だけど。
あんたらが何をやってても気にしないけど、ちょうどいい宣伝の機会だ。相手にしてあげる」

青年はかかって来いというように手招きをする。

「こ、殺せ!」

デタラメを言われて激昂したのか、男は命令を出した。その命令で即座に2人は動き出す。

命令した男は注意深く趨勢すうせいを見守る。
先程はどうやって防がれたのか分からないが、こちらは歴戦の暗殺者。あんな偶然はもう2度と起こらない。

そんな中、杖を持った者が風魔法を詠唱した。
発動するのは先程の魔法。
しかし今度は1つだけでは無かった。
男は10個もの風の球を作り出したのだ。

そして青年に向かっていく。

もう1人の暗殺者も動き出していた。
先程投げていた小剣を手に持って青年に襲いかかる。

先に青年の元に届いたのは風魔法。
一つ当たれば全身骨折するほどの威力。

それほどの威力の球が10個。

もはや青年は助からない。
そう全員が思った。


……しかし。


青年は風の球を片手だけで全て掴んだ。
そしてニヤリと笑みを浮かべ、それら全てを握り潰す。

「ど、どういうことだ!!??」

暗殺者が声を荒げて叫ぶ。

あり得ない。
なぜ風魔法を握りつぶせるのか。
どういうトリックがあって青年には効かないのか。

小剣を持った暗殺者が青年に迫る。
迅速な動きで瞬く間にナイフを突き立てた。



……しかし。



暗殺者の持っていた小剣が止まった。

「なっ!?」

それを止めたのはやはり青年。
しかしあり得ない方法で小剣を止めていた。

青年は小指で小剣を止めていたのだ。
当然小剣にはリエルの時同様に毒が塗り込まれていて切られた者に即効性の毒が襲いかかる。
しかし青年はそれすら動じていなかった。

「どっ…どういうことだ!?」

「あんまり遅すぎて眠たくなったわ」

青年はそのまま男を前蹴りした。
するとあり得ない速度で吹っ飛んでいき、そのまま後ろの店のガラスを突き破ってダイナミック入店していった。

「な、何をした!?」

もはや命令などどうでもいい。
どうやって小剣を止めたのか男を吹っ飛ばしたのか男は血眼になって青年に問い詰める。

「何をしたって…吹っ飛ばしただけだけど。
そんなに気になるんだったら、あんたにもっと良いもの見せてあげるよ」

杖を持った男を見る。

「ほらおいで…?」

青年が手招きをした。
すると引力が発生したかのように、男は青年の方に引き付けられる。

「や、やめてくれ!!」

男は必死に逃れようとするが、万力とも思わせるような力によってどんどんと青年の下に近づいていく。そして男は捕まった。
そのまま首を片手で絞められながら身体が持ち上がっていく。

「な、な…何が起こっているんだ!!」

あ、焦るな!!
れ、冷静になれ!!

今までに自分達が逃した獲物などいない。
自分達の連携を崩した者はいない。
どこかに必ず弱点かトリックがあるはずだ!

しかしそれが何かは分からない。
それどころか目の前の相手に弱点など無さそうに見えた。

こ、こんな事はあり得ない!

「ゃ、ゃ…"やめでぐれ"…!
だ、だずげて!!」

男は必死に悲鳴とも絶叫とも聞こえる声で叫ぶ。だがこんなものを見せられて助けにいける者など誰一人いない。

そして青年は男を放り投げる。
幸いまだ息がある男は必死に空気を吸おうともがき苦しんでいた。

「魔法を見せてあげるよ」

青年は気持ち悪い微笑みを見せた。
それはどこまでも気持ち悪く、悪寒を感じるような不気味さを誇っている。

そして青年は男に指を向けた。

「"い、ぃいやぁああ!!"」

突如闇の炎が男を包んだ。
しかしその後だった。もっとあり得ない事が起こったのは。

男の姿がゾンビに変わっていた。

「な…なんなんだそれは!?」

「かわいそうに…ゾンビになっちゃったね」

青年はゾンビを蹴り飛ばす。
すると先ほどの男同様、ゾンビも後ろの店へダイナミック入店していった。

残った暗殺者はただ一人。

これはまずい。
自分の本能が警告している。

この男には絶対勝てないと。

どうすればいいんだ?
ここで俺が助かる方法は…?

暗殺者は脳みそをフル回転させて考える。
するととある一つのアイデアが浮かんできた。
生き残るにはこれしかないと思った暗殺者はすぐさまそれを実行する。

「なぁ…許してくれないか…?
お願いだ、すまなかった!!
俺がこの女を狙わなきゃよかった!」

暗殺者は綺麗に土下座したのだ。

「…どうしよっかな~?」

「だ、だのむ!!」

もはやはんべそをかいていた。
何がなんでも目標を始末する冷酷な暗殺者の姿はもはやどこにも無い。

「よし…わかった!俺も鬼じゃ無い。
お前のことは許してあげるよ」

「そ、そうか!?」

「ただしこれを伝えてくれない?
蒼翠のフェンリルがお前らを食い殺す。
お前らには悪いけど、俺の事を有名にするための踏み台になってもらう。…てね」

「わ、わかった!!」

「じゃあさっさと逃げな。
殺されないうちに」

男は恐ろしいほどの速さで逃げていった。

生命の危機を感じると人間はここまで速くなれるのかと、ジークは感動した。
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