5 / 35
第0章
ジョンは大都市を知らない
しおりを挟む
森林中央都市セレス。広大な森の中で城を中心に壁を築いていたが、発展と共にその範囲はどんどん広がり、現在では他の大都市に匹敵する領地となった。
森はあまりにも険しく殆どの出入りは空路にて行う。それに伴い箒や飛行船の技術の発展が著しく、歴史に名を刻む世界的飛行レースチャンピオンを調べた所9割がセレスで箒を注文していた。とのデータもある。
「って街の公式ガイドブックに書いてる。」
「確かにこのあたりの森は猛獣や魔物がうろついているだけではなく方向感覚も狂うようにできているからな。」
「げっ、まじ?俺たちよく無事だったな。」
「我が常に魔力を放出しておったからな。人間と違って獣は物分かりが良い。上位の者には逆らわぬ。」
「へえー全然わかんなかったや。うう俺本当に魔力あるのか心配になってきた。」
ベンチに座り、賑やかなザ、中世ヨーロッパ的街並みを眺めながら名物らしい浮遊綿飴をつまむ。木の鳥籠を模した入れ物の中にカラフルな綿飴が雲のように浮かんでいる。取るたびに籠の扉を早く閉めないと中身が全部飛んでいってしまう鬼畜仕様のお菓子だ。
実家からこっそり持ってきたなけなしのお金をこんな事に使ってしまって良いのかという事についてはテオが
「我の予想が正しければ、魔力検査をすれば金の問題は全て解決するだろう。」
と言っていたので全面的に信用する事にした。決して前世ではありえない原理のお菓子やグッズに興味津々で後先考えなかったとかそういうわけではない。……ごめんめっちゃある。
「そういやテオはセレスに来たことある?」
「あの城に住む前当主は我の友人だった。もう何年も前に引退したがな。」
テオが指を、いやクリームパンのおててを指した方向には上に細長い3本の塔が特徴の城がそびえ立っていた。西洋風の城を生で見た事なんて全くない俺はただただ圧倒されていた。
「それってすごいコネじゃん。どうする?会いに行っちゃう?。」
「いやその後色々あって我は現当主にそれはそれは嫌われているのだ。ノコノコ会いに行こうものなら奴ご自慢の攻撃魔法で我らは壁のシミになる以外の選択肢は無いだろうな。」
こっわ。というか二代で何があったんだよ。色々って何だよ。
「ん、そういやテオは上位存在で人間より強いみたいな雰囲気出してなかったっけ。大都市の主ってそんなに強いのか?」
「ああ、特に今代の女城主オフェリアは可憐でふわふわした見た目と話し方に反して天才的な知力、潤沢な財力、圧倒的な武力それら全てを効率よく使うことができる正に支配者になる為に生まれた人間だ。幼子とはいえ、お前のような魔力の持ち主が適当な態度を取ればすぐに脅威とみなして排除されるかもな。」
「あ、ああああ会いに行くってのやっぱ無しでぇ。」
折角ここまでやってきて壁のシミにはなりたくないもんね。
「もしかして他の大都市の主も強かったりする?」
「そうかお前は村で過ごしていたから知らないのか。この世界において最も実力を持っているのはセレスを始めとした大都市の主だ。セレスの主は特殊な血筋故に世襲でもその地位が揺らぐことはないが、他の大都市では当主を決めるために盛大な大会を開くこともある。」
へぇ、大会かぁ、魔法とかバンバン使うのかな。スポーツの大会みたいに出店とかありそう。一度くらい機会があれば見てみたいなぁ。
「ずっとここで座るわけにも行くまい。これからどうするのだ?」
「でもまあ、ついたばっかりで疲れたし今日は宿で休んで明日教会に行こっか。」
「異論はない。」
そして俺は適当に安そうな宿を見つけて料金表を見る。
「よーーし、予定変更だ!今から教会に行ってすぐさま検査して貰うぞぉ。」
流石大都市、宿代のスケールもでかいぜ!
懐の寒さをあっためてくれている腕の中の猫は、沈黙したまま冷ややかな目を俺に向けていた。
森はあまりにも険しく殆どの出入りは空路にて行う。それに伴い箒や飛行船の技術の発展が著しく、歴史に名を刻む世界的飛行レースチャンピオンを調べた所9割がセレスで箒を注文していた。とのデータもある。
「って街の公式ガイドブックに書いてる。」
「確かにこのあたりの森は猛獣や魔物がうろついているだけではなく方向感覚も狂うようにできているからな。」
「げっ、まじ?俺たちよく無事だったな。」
「我が常に魔力を放出しておったからな。人間と違って獣は物分かりが良い。上位の者には逆らわぬ。」
「へえー全然わかんなかったや。うう俺本当に魔力あるのか心配になってきた。」
ベンチに座り、賑やかなザ、中世ヨーロッパ的街並みを眺めながら名物らしい浮遊綿飴をつまむ。木の鳥籠を模した入れ物の中にカラフルな綿飴が雲のように浮かんでいる。取るたびに籠の扉を早く閉めないと中身が全部飛んでいってしまう鬼畜仕様のお菓子だ。
実家からこっそり持ってきたなけなしのお金をこんな事に使ってしまって良いのかという事についてはテオが
「我の予想が正しければ、魔力検査をすれば金の問題は全て解決するだろう。」
と言っていたので全面的に信用する事にした。決して前世ではありえない原理のお菓子やグッズに興味津々で後先考えなかったとかそういうわけではない。……ごめんめっちゃある。
「そういやテオはセレスに来たことある?」
「あの城に住む前当主は我の友人だった。もう何年も前に引退したがな。」
テオが指を、いやクリームパンのおててを指した方向には上に細長い3本の塔が特徴の城がそびえ立っていた。西洋風の城を生で見た事なんて全くない俺はただただ圧倒されていた。
「それってすごいコネじゃん。どうする?会いに行っちゃう?。」
「いやその後色々あって我は現当主にそれはそれは嫌われているのだ。ノコノコ会いに行こうものなら奴ご自慢の攻撃魔法で我らは壁のシミになる以外の選択肢は無いだろうな。」
こっわ。というか二代で何があったんだよ。色々って何だよ。
「ん、そういやテオは上位存在で人間より強いみたいな雰囲気出してなかったっけ。大都市の主ってそんなに強いのか?」
「ああ、特に今代の女城主オフェリアは可憐でふわふわした見た目と話し方に反して天才的な知力、潤沢な財力、圧倒的な武力それら全てを効率よく使うことができる正に支配者になる為に生まれた人間だ。幼子とはいえ、お前のような魔力の持ち主が適当な態度を取ればすぐに脅威とみなして排除されるかもな。」
「あ、ああああ会いに行くってのやっぱ無しでぇ。」
折角ここまでやってきて壁のシミにはなりたくないもんね。
「もしかして他の大都市の主も強かったりする?」
「そうかお前は村で過ごしていたから知らないのか。この世界において最も実力を持っているのはセレスを始めとした大都市の主だ。セレスの主は特殊な血筋故に世襲でもその地位が揺らぐことはないが、他の大都市では当主を決めるために盛大な大会を開くこともある。」
へぇ、大会かぁ、魔法とかバンバン使うのかな。スポーツの大会みたいに出店とかありそう。一度くらい機会があれば見てみたいなぁ。
「ずっとここで座るわけにも行くまい。これからどうするのだ?」
「でもまあ、ついたばっかりで疲れたし今日は宿で休んで明日教会に行こっか。」
「異論はない。」
そして俺は適当に安そうな宿を見つけて料金表を見る。
「よーーし、予定変更だ!今から教会に行ってすぐさま検査して貰うぞぉ。」
流石大都市、宿代のスケールもでかいぜ!
懐の寒さをあっためてくれている腕の中の猫は、沈黙したまま冷ややかな目を俺に向けていた。
0
あなたにおすすめの小説
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる