婚約者の教育に完全失敗しました。計画を変更して悪役令嬢を完遂します!

琴浦まひる

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聖女様は転生者?

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最初の1週間は生徒会のガードが最も硬く、流石に接触は困難だろうと考えていた私はあまりにも呆気なく聖女と会話する機会を手に入れた。


女子トイレで。


お手洗い、それは学生女子の二つ目の社交場と言っても過言ではない。ここでは男子にできない話や女子同士が待ち時間に会話を弾ませる秘密の場所である。


「ご機嫌よう、デイジーさん。」

「げ、悪役令嬢……。」

この薄ピンクのふわふわしたミディアムヘアにチェリーピンク色のタレ目の超絶美少女は間違いなくこの作品のヒロイン、デイジーさんだ。

「悪役令嬢?」

このワードがわかるということは彼女は転生者なのね。なら話は早いかも。

「ふふふ、今はわからないでしょうね。でもいつかその言葉を理解する日が……」

「えっと、」

「こうして見ると本当に気が強そうで腹立つ顔してるわね。ぜんっぜんルイス様に吊り合ってないわぁ。私って同担拒否なのよ、こんなのが1秒でもあの人の隣にいると思うとイライラするわ」

この感じ、きっと彼女はルイス推しね。それにしても本人を前にしてここまで言うかしら。
でも困ったわ。ゲームのルイスとの解釈違いで違うルートに行かれては困るし……
もし他ルートに行くつもりならルイスの方をおすすめするつもりだったのだけれど、同担拒否の人に彼についての話をするのは得策ではないわ。
彼女に協力者になって欲しかったのだけどどうしましょう。

「じゃあね、悪役令嬢。ここは私の為の世界だもの。これから起こることはどう抗っても無駄なんだからせいぜい今から実家への言い訳を考えておくのね。」

「あっ、ちょっと待」

あの子さっきから1人でぺらぺら喋って満足しているわ。
勢いが激しすぎて私ほとんど声出せなかったもの。



それからというものの、生徒会のみんなはデイジーさんにつきっきり。
私はそれを遠くから見るだけだった。

ルイスとデイジーさんは割と順調に仲を深めているらしく、中庭で談笑しているところを見かけた令嬢からの告げ口が後を立たない。
ちなみにその告げ口は善意ではなく、お前より聖女様の方がルイス様に相応しいわね?という圧なので、その度に私はにっこり笑って、

「問題ありませんわ。」

と適当に答えている。下手に絡むとめんどくさいのが目に見えているのよね。

さて、このまま嫌がらせをでっち上げられることもなくこのまま2人が結ばれれば無事ハッピーエンドよ。
万事順調のはずなのになんだか胸がモヤモヤしてしまう……なんてことは全くない。

あとは、ルイスがうちの部屋に来たらさりげなくデイジーの話に持っていってルイスが常にデイジーのことを考えるようになれば完璧ね。
教室の隅でくふふふと笑いながらノートに向き合う私をみんなが不審な目で見ている。

「ルイス様に相手されなさすぎて狂ってしまったのかしら。」

「ここまでくると少し不憫ね。」

ものすごい勘違いをされていますわ……









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