上 下
1 / 9
プロローグ

プロローグ

しおりを挟む
暗い洞窟の中
一人の少年は見たこともない生物から逃げていた

「ハァッ!ハァッ!くそっ!どうなってんだよ!」

そんな愚痴を吐きながらただひたすら走る
赤黒のジャージを着た黒髪の少年黒崎 正義くろさき せいぎは突如起きたこの状況を理解できずに混乱していた
気がついたら暗い洞窟にいてその場にいた生物に追いかけられる謎の展開
その生物はゲームでしか見たことのない生物だ

「さっきまで家でゲームしてたはずなのに!どうなったんだー!」


ーーーーーーーーーーーーーーー

一時間前

「っし!やっとエンシェントドラゴンを倒した!
これで限定の装備をゲットできるぜ!」

画面の前でひたすらゲームをしている少年黒崎 正義
今は高校生なのだが、勉強が嫌になり学校に行かず家に引きこもってゲーム漬けの毎日を送っていた
親は呆れて放置状態
黒崎 正義はニート生活を始めてからひたすらゲームをし続けていた

「しかし一日中ゲームしてたら流石に目が疲れるな」

ほぼ一日睡眠をとらずにゲームをするという不健康な生活
トイレ以外は部屋を出ない

一度仮眠を取ろうとベットの上に寝転び
目を瞑る、意識が完全消失するまでの時間は早かった




大体何時間くらい眠っただろう
ゆっくりと重い瞼を開ける
しかしそこで見えたのは部屋の天井ではなく
ところどころ光っている石が見えた
何が起きたのかわからず瞬時に体を起こす
寝ぼけていたせいかこの状況を理解するにはかなりの時間がかかった

「どこだ?ここ?なんか洞窟っぽいけど」

周りを見渡すと広々とした洞窟でひたすら道が続いていた
人影はなく明かりも光っている石が頼りだ

(確か俺は寝ていたはずなんだが………どうなってんだ?)

「もしかして異世界召喚か!?こんな洞窟ゲームの世界でしか見ないしな!もしそうだとすると最高だな!」

そんな呑気なことを言っていると
すると奥の方から唸り声のようなものが聞こえた
いや唸り声だった
洞窟の奥から出てきたのは人型のかなりでかい謎の生物だ

「マジかよ…ゲームでしか見たことなかったけど間近で見たらキモッ!やっぱり異世界召喚か!」

この言葉が聞こえたのか
謎の生物は黒崎 正義に向かってかなりのスピードで向かってきた

そして今に至る


ーーーーーーーーーーーーーーー


中学でラグビーをしていたおかげで体力には自信があった
しかし、このスピードで走り続けることは不可能だ
いつかはスタミナ切れで追いつかれてしまう
黒崎 正義は考える

(どうすればいいんだよ!それよりここどこだよ!あの生き物ゴブリンみたいだな!気持ち悪ッ!)

そんなことを考えているうちに
スタミナの方はすでに限界のようだ
段々とスピードが落ちていく
謎の生物との距離も縮まっていく
覚悟を決め謎の生物に向かってタックルをした

「オラァッ!こちとら引きこもってたけど毎日筋トレはしてたんだよ!」


タックルされた謎の生物は
大きな叫び声をあげ吹っ飛んでいった

「案外いけるんじゃね?」

黒崎 正義はそんなことを口にする
しかしその考えは甘かった
飛ばされた謎の生物はまた立ち上がり向かってくる


(このままタックルし続けても俺の方が早く力尽きそうだ……)

謎の生物は腰にぶら下げていた短刀を出した

「そんな武器持ってたの!?俺持ってないんだけど!?」

黒崎 正義はこれはさすがにヤバイと思い
また走り出す
しかし近くの石につまづきこけてしまった

「うおっ!痛っ!くそヤバイ!」

こけた黒崎 正義に向かって謎の生物は走ることを辞めず短刀を突き出して向かってくる
もう目の前まで来ていた

(ヤバイっ!)

黒崎 正義は目を瞑った
ザシュッという切る音がが聞こえたが
自分は痛くないことに気づき目を開ける
するとそこには真っ二つに切られた謎の生物がいた
その前には今までに見たことのない美女がそこにいた
金髪ロングのにいかにも戦士という装備をまとった美女だ

「君大丈夫?」

美女にそんな言葉を掛けられるが
黒崎 正義の意識は限界で

「異世界さい……こ…う」ドサッ

黒崎 正義の意識はそこで途絶えた


これは黒崎 正義が繰り広げる異世界ファンタジーで始める冒険者アドベンチャー物語ストーリーである

しおりを挟む

処理中です...