異世界聖女は最強過ぎたので、魔王に求婚されました

蒼乃ロゼ

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貴方の元まで、あとどれくらい?

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「はーー……疲れた」

 ばたんっ、とベッドに倒れ込めば、布団はしわくちゃ私はもみくちゃ。それが気持ちいいという事は、これが帰宅後恒例行事になってからずっと知っている。

「何だろうなぁ」

 何かが、満たされない日々。
 現状に不満がある訳でも、何か焦がれているものがある訳でもない。
 憂う事のないはずの、そんな日常がどこか、もどかしい。

「今日は特別忙しかったからだな、うん」

 無理やり空しさに蓋をして、生きている限り続くであろう毎日を淡々と歩む。
 そんな毎日に、ちょっとしたスパイスをくれる私なりの儀式があるのだ。

「さてさて、今日のランキングはーー?」

 小説や漫画の投稿が出来るサイト。そのサイトの作品を休日で無い限りは、多く読むことは出来ない。
 だから、仕事のある日はサイト内のランキングを参考にして気になったものを少し読んで寝るのだ。
 そうすれば、明日を生きる糧となる。続きが読みたい、そんな些細な楽しみもきっと生きていく上では最高のスパイスと成り得るのだ。

「ほほう。昨日と少しだけ変動が……うん?」

 なんだこれは。

 明らかにエラーだと分かる作品が一つある。それがとあるジャンルのランキング一位に輝けない、絶対的な理由。

「文字数ゼロなんだけど」

 そもそも投稿自体出来るはずのないもの。何でこれが登録出来るのだろう。

「まぁ、何かの間違いでしょう」

 特別気にも留めず、次のページにスクロールしようとした。
 もう一度言う、スクロールしようとした。

「げ、壊れたか?」

 画面を拭いてみたり、他の所をタッチしてみたり。色々試した結果、画面が動かないのである。
 その中央には先程の作品。

「うーーーーーん」

 怪しい。

 怪奇的な話ではなく、ここでエラーが出ているから画面が固まったのではないか。

「一回ポチッてみるか」

 原因に考えなしに真っ向から向かっていくのは得策ではないのだろうけれど。
 他に方法もないし、試してみる価値はある。行動力があるのは、私の良い所だ。--多分。

「おん?」

 なにもない。
 まさしく空白である。それすらおかしい。

「あれーー……、スマホの問題かなぁ」

 この画面がもしゼロ文字でも投稿が出来たエラーであるなら、本来文章が書かれるであろう範囲を示す、枠線があるはずだ。それがない。

「まだ支払残ってたんだけどなぁ。保障期間内だっけ」

 どっこいしょとベッドを降りて、説明書を見付けに行こうとした。

「ん?」

 ーーあれ、ベッドの下って足着かなかったっけ。

「はああああああああああああああ!!??」

 床目掛けて重心を傾けた私の体は、綺麗に宙を舞っていた。



 拝啓、さっきまでの自分。

 考えなしに突っ込むのは、良くない。敬具


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