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34.キャンプ飯といえば
しおりを挟むカレーだよねー。
今回の遠征初日に作ったら大大大好評で。
いまや討伐隊の超人気メニューになっております。
3日に1回くらいのペースで作ってるかも。
たぶんこの世界で初登場だったんじゃないかなー。
ルエンカ料理店のメニューにもなかったし市民市場でも貴族エリアの商店街でも見かけなかったし。
華々しいデビュー!
みんな一口食べたとたんカレー様の虜。
カレールーなんて便利な物はないので自己流でスパイス調合したなんちゃってカレーなんだけど。
これが我ながらなかなかいい出来で。
インドカレーじゃなくてちゃんと日本のカレーに仕上げました。
うちの看板商品です。うふ。
スパイス類を見つけられたのが大きかったなぁ。
貴族エリアのスパイス屋さんめっちゃ品揃え良くて狂喜乱舞したわよ。
大人買いしたスパイスもまさかのカレー祭りで残り少ないから次に寄る街か村で買い足しとかないと。
今夜も何回目かのカレーだったんだけどみんなよく食べたもんな~。
大鍋にたっぷり作ったのにキレイさっぱり。
一晩寝かしたカレーも食べたいのにここではムリな話です。
もうカレー無いって言ってるのにおかわりコールがやまないんだよ?
急遽、追加でカレーチャーハン作りましたよ。
カレーのルーは完売したけどご飯はけっこう残ってたのでカレー用に調合したスパイスでなんとか。
明日の移動中の携帯食用におにぎり作ろうと思って余分に炊いたのになぁ。
明日の朝またたくさん炊かないとだわ。
「みんなお疲れさま。明日の朝の仕込みが終わった人からシャワーを浴びて休んでね。」
「「「了解でーす!」」」
衛生班のリーダーの女性が簡易キッチンにいるメンバーへ声がけして医療用天幕のほうへ歩いていく。
夜の見回りを兼ねたいつものルーティン。
今日の当番の仕事も明日の朝の仕込みもOK!
そろそろシャワー浴びて寝ようかな。
騎士さんたちは夕食前にすませているので、この時間はいつも衛生班の女性たちの貸切タイムなのだ。
今日も平和な1日だったなー。
いつもは目的地に行くまでに危険生物と遭遇して討伐する場面が何度もあるらしいのよね。
まだ1回もないなんて奇跡だわ!ってターニャさんが喜んでた。
衛生班の人たちは防護バリアの中にいるから安全なんだけど見てるだけでも怖いんだって。
大暴れする5メートル超えの猛獣。うん。めっちゃ怖いよね。
ナリスさんは「これじゃただの遠足かキャンプだね。」って苦笑してたけど。
そんなわけでデレクさんとナリスさんの前では『キャンプ飯』はNGワード。
遠征飯って言ってます。
討伐遠征は騎士さんの実戦訓練も兼ねてるから、団長や副団長の立場からすると平和すぎるのも考えものらしいよ。
立場の違いで悲喜こもごもだね~。
いよいよ明日は目的地。
危険生物が生息するエリアに入るから気を引き締めねば。
綺麗な星空を見上げながら簡易キッチンを出て少し歩いたときだった。
「キャーーー!!!」
夜の静けさに包まれ始めた野営地に鋭い悲鳴が響き渡った。
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