【完結】幼馴染から離れたい。

June

文字の大きさ
3 / 8

3

しおりを挟む
起きた時。優希は病院におり、腕に点滴を打っていた。

ベットの側には親がいて、深刻そうな顔をしてこちらを見つめている。

今にも泣きそうにみえる。

そんな両親にことの経緯を教えられた。

仕事から共に帰宅した親が、しばらくしても部屋から出て来ない優希を不審に思い、部屋に入れば、ベットで苦しそうに寝ていたようだ。

病院に連れて行き、直ぐ検査をしたようだが、それは熱でも風邪でもなかった。


そのあと来た医師に、信じられない事を伝えられることとなった。










**********










病院から帰った後、部屋にこもった。

判明した事実が信じられなくて。頭の整理が追いつかない。


『息子さんのバース性に変化が見られました。』


後天性Ω

俺はΩになったと、そう医師は言った。

意味がわからないだろう。

明らかにβの俺が、Ωなんて、周りにどう思われるか。

後天性Ω、と言う事実が今と将来の足枷となる。


こんなこと誰にも言えない。


朔になんか知られたら、幼馴染として側にはいられない。

こんな俺が求めたくない。求めてはいけない。

『運命』じゃないとだめだ。

俺は朔の側に居られない。










**********










優希は学校を今日から1週間ほど休むことにした。

まだ調子が良くないのと、朔と会うのが気まずいのもある。

3日前のあの日からメッセージも、『用事があるから忙しい。家には来るな』とだけ送り、それから既読も、返信もしてない。


両親はといえば、優希を心配して渋々だったが仕事に行っている。

忙しいのに病院まで付き添ってもらったし。

後天性Ωの症状も薬を飲めば大した事ないし、家にいるだけだから、付き添いもいらない。


スマホのバイブがする。多分朔だ。内容は見ない。

何も考えたくないし、答えたくない。


こんなはずじゃなかったのに。


あれからずっとそう思ってしまう。

俺はβのままで、幼馴染でありたかった。

それ以上の関係も求めるつもりもなく、朔への感情にも気づかないでいたかった。

朔はどうなのだろう。βからΩになっても、ただの幼馴染としての俺を、求めるのだろうか。

でもそれじゃ、俺は幼馴染としていられる気がしない。

もう、バース性も、この感情も何もかも捨て去りたい。


あいつから、簡単に離れることができたらいいのに。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

やっぱり、すき。

朏猫(ミカヅキネコ)
BL
ぼくとゆうちゃんは幼馴染みで、小さいときから両思いだった。そんなゆうちゃんは、やっぱりαだった。βのぼくがそばいいていい相手じゃない。だからぼくは逃げることにしたんだ――ゆうちゃんの未来のために、これ以上ぼく自身が傷つかないために。

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

オメガはオメガらしく生きろなんて耐えられない

子犬一 はぁて
BL
「オメガはオメガらしく生きろ」 家を追われオメガ寮で育ったΩは、見合いの席で名家の年上αに身請けされる。 無骨だが優しく、Ωとしてではなく一人の人間として扱ってくれる彼に初めて恋をした。 しかし幸せな日々は突然終わり、二人は別れることになる。 5年後、雪の夜。彼と再会する。 「もう離さない」 再び抱きしめられたら、僕はもうこの人の傍にいることが自分の幸せなんだと気づいた。 彼は温かい手のひらを持つ人だった。 身分差×年上アルファ×溺愛再会BL短編。

恋愛対象

すずかけあおい
BL
俺は周助が好き。でも周助が好きなのは俺じゃない。 攻めに片想いする受けの話です。ハッピーエンドです。 〔攻め〕周助(しゅうすけ) 〔受け〕理津(りつ)

幼馴染みの二人

朏猫(ミカヅキネコ)
BL
三人兄弟の末っ子・三春は、小さい頃から幼馴染みでもある二番目の兄の親友に恋をしていた。ある日、片思いのその人が美容師として地元に戻って来たと兄から聞かされた三春。しかもその人に髪を切ってもらうことになって……。幼馴染みたちの日常と恋の物語。※他サイトにも掲載 [兄の親友×末っ子 / BL]

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。

ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。 その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。 胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。 それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。 運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。

昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する

子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき 「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。 そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。 背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。 結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。 「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」 誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。 叶わない恋だってわかってる。 それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。 君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。

処理中です...