君のために俺は剣を振る

ケイト

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1話

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チリリリリー!!!!!
うるさい、後もう少し寝かせて欲しい。
何度も目を覚まさせるようなでかい音が俺の脳を覚醒させようと鳴らしている。
それもそうだ、目覚まし時計の音なのだから。だけどせめて後10分は寝かせて欲しい。だが目覚まし時計は俺の願望を拒むように音を鳴らし続ける。
それから10分めざましとの壮絶な格闘戦を繰り広げた後、俺はとうとう観念して暖かい布団から起き上がることにした。
そもそも俺は朝が苦手なんだよ、なのに目覚まし時計は俺のささやかな願いを聞き入れてくれない。この時間になるよう設定したの俺だけどさ。
取り敢えず朝飯にするか。
俺は布団から出るとリビングに行き、朝飯の支度と嫌な学校への登校準備をする事にする。
リビングはテレビと四人テーブル、そして奥にはキッチンがある。
一般家庭ではリビングは父親は新聞紙を読みながらコーヒーを飲んでいたり、母親は台所で朝飯を作りながら息子に「宗平、ご飯にするから顔を洗ってらっしゃい」と明るい声で言うだろう。
だがうちは違う。俺の家庭はそもそも親や兄弟がいないのだから一般家庭の朝を迎えることは二度とないだろう。
俺はリビングにある台所に行き、朝飯の支度をする。
キッチンはそこそこ広く、こまめに手入れをしているおかげかそんなに汚くはない。
俺はまず食パンをトースターにセットして食パンが焼き終わるまでに目玉焼きを作る。
朝飯の支度が終わると出来た食パンにバターを塗って目玉焼きとパンをリビングにある四人テーブルに持っていき、自分の席の上に置く。
俺は席に着くと手元にあるテレコンの電源ボタンを押す。
テレビはお天気ニュースが映った。お天気キャスターはとても可愛い顔をした美人お姉さんだった。
これは目覚めがいい、目覚まし時計もたまにはいい仕事をしたな。
俺は今日の天気を確認しながら食事をする。
今日の天気は晴れらしい。だが俺の心の中は雨なのだ。それは学生にとっては一番嫌な中間テストというものがある。
この世にテストなんてものがなければいいのに。
食パンを口にしながらテレビを見ていると天気ニュースは終わり、最後に星座占いのコーナーが映る。
どうやら俺の今日の運勢は最悪らしい。
だが俺は占いというものを信じてはいない、どうせテレビ局の誰かが適当に決めたのだろう。
だがある意味今日は運が悪いのだろう、
中間テストがあるのだから。
俺はさっさと残りの食パンと目玉焼きを食べ終え、学校に行く準備をする。
鞄の中は昨日のうちに必要な物を入れておいた。あとは制服に着替えて鞄と靴を装備して外へゴーするだけだ。
俺は自分の部屋に行きクローゼットの中から制服とズボンを取り出して着替える。
制服を着るたびに憂鬱な時間がこの先にあると実感する。
制服に着替えたあと玄関に移動して革靴を履いて外に出る。
少しきついな。
革靴も少しキツくなってきたからそろそろ買い換えないといけない。
革靴って安いやつでも三千円もするんだよなぁ。
俺は靴をいつ買い換えるか悩みながら学校へ歩き出した。学校まではそんなに遠くないのだが、今日は少しやばいかもしれない。
徒歩5分で着く駅から30分電車が来るのを待ってから20分間電車に揺られ、徒歩10分で学校に着く予定なのだが、現在の時刻が午前7時35分。学校の始業時刻は8時15分だとするとかなりまずい。
1分や2分ならギリセーフなのだが、学校に着くと8時30分。これは流石にまずい、どうにかしなければ!
俺は学校への早く着くために全力で走った。間に合わないと分かっていながら。



そして今俺はどうにか校門に着いた。
着いたのだが・・・・・
「間に合わなかった、だと。」
門はすでに閉まっており、昇降口にはガタイのいい体育教師が遅刻をしてきた人間をとっ捕まえて殺してしまいそうな目をして待ち構えていた。
どうする、これだとどう考えても生きては校舎の中には入れない。
今は丁度ホームルームも終わり休み時間のはずだ、とっとと行かなければテストが始まってしまう。
とにかくあの教師が仕方ないと言って許してくれるような理由を考えなければ。
どんな理由をつけようか、例えば・・・
「おい。」
校門を通り過ぎて昇降口付近まで歩いて来ると体育教師が俺を呼び止める。
「何でしょうか」
「貴様、何をしている。」
「俺はただ教室に向かおうとしているだけですが。」
「そうか、ではもう一つ。」
「何か言い残すことはあるか?」
その言葉を聞いた後、俺は他人には見せられないようなひどい身体になってから教室に向かうのであった。
                 完
じゃなあぁぁぁぁぁい!!
違うだろ!それだと確実に殺される!
嫌だ!まだ死にたくない!
どうにかしてこの状況を打破しなければ俺の命が無くなってしまう。
頭の中は「死にたくない」の一言でいっぱいになり、正常な判断が出来なくなってしまった。そのせいか俺はシンプルな答えを導き出した。
そうだ、素直に謝れば良いんじゃないか?そうすればあの教師だってきっと許してくれるさ。
よし、そうと決まったら早速昇降口へ向かおう!
俺はスッキリしたかのような気分で体育教師のもとへ向かい、素直に謝りに行った。俺は何とか許され、無事に教室についたのだった。
というのは残念ながら叶わず、生きてはいるものの意識ははっきりしないまま教室へ向かうのが真実だった。


何とかたどり着いたな。
俺は妙な達成感を抱きながら教室のドアを開ける。
「随分と派手なメイクしたな。」
ドアを開けると知り合いがばかにしたような
「うるせえよ。」
俺は不機嫌な感じで声の主に返事をした。
「で、今日の被害者さんは何発やられたの。」
俺が席に座るなり奴は興味津々な顔で思い出したくもない事を聞きやがる。
「蹴り5発、拳3発その後は羽交い締めにされた挙句にプロレス技もどきを喰らわされたな。」
「うひょー、そりゃ酷え。教師が生徒にそんなことして大丈夫なんかねー。」
「人の心配をするより先に自分の心配をしたほうがいいんじゃないのかね山郷君。」
「へ?」
俺は山郷裕(やまさと ゆう)に自身の心配をさせようと言葉を放ったがそれも虚しく。
「裕くん、どうして昨日電話くれなかったの?」
裕の後ろから女子の声がする。
そう、山郷の彼女だ。
「げ!千夏!?何故ここにいる!」
「そりゃ寂しがりやの彼氏に会いにきたに決まってるでしょ?」
隣のクラスの女子、守山千夏(もりやま ちなつ)は凄く優しく微笑みながら言うが内心はきっと凄く怒っているのだろう。
(おい裕、お前千夏の機嫌損ねることしたの?昨日の電話がどうとか言ってるけど。)
(実は昨日、お前と別れた後千夏とドーナッツ食べに行ったんだけど、あいつが嫌いな激辛ドーナッツを食べさせちゃってさ。)
それはお前が悪い。
俺らは千夏に聞こえないように言葉を交わしているけど千夏は返答を待っているようだ。この世のものとは思えない顔で。
(で、その後あいつ怒って帰っちまってよ、夜になったら電話して謝ろうと思って本人にも伝えといたんだよ。)
なんかオチが読めたんですけど。
取り敢えず後ろのヤバい顔の人どうにかしろよ。こっちにまで火が飛んできそうだわ。
(それで夜になったは良いけど、俺は飯食った後に寝ちまってよ。朝起きたら着信が40件以上来てたわけ。)
(全部お前のせいじゃんが!頼むからこっちにまで影響が来ないようにしてくれよ、彼女すぐに周りにも当たるからさ。)
(だったら頼むよ!お願いだから助けてくれ宗平!)
こいつ、さっきまで俺がえらい目にあったってのにお構いなしだな。
ようは怪我人がさらに怪我を追いに行くようなものだろうが。
だが俺が助ける隙なんてないな。だって、「裕く~~んどうしてか聞いてるんだけど?」
あ、こいつ死んだな。
千夏は裕の首を片手で絞めた後ポケットからボールペンを取り出す。
「や、止めろ千夏!悪かったって!悪かったから頼むからそれは止めてくれ!」
千夏はボールペンを裕の片目に近づける。
このままだと本当にやばいのでそろそろ止めに入るか。
「千夏、裕を許してあげてくれないか?」
千夏は俺の言葉を聞いたが止める気はなく。
「え、だって倉坂くん。裕くんがいけないんだもん。私はずっと電話が来るのを待ってたのに。」
「裕にだって疲れてる時はあるんだよ。きっと千夏がどうしたら元気になるか考えてたら眠たくなったんだよ。」
「そうなの?」
千夏は少し力を緩めて裕に問い正す。
裕は全力で自分の首を上下に振った。
千夏は裕の反応を見ると少し手の力を弱める。裕はどうにか千夏の手を引き剥がした後、次の言葉でちなつを無力化した。
「ごめんな、千夏が機嫌直すようにいろいろ考えたんだけど、あまり良いアイデアが思いつかなくてつい、今度からはちゃんとするから。」
こいつ、白々しすぎないか?
だが千夏はその言葉が嬉しかったのか
「良いんだよ~。裕くんが私のことを考えてくれただけでもそれだけで充分だよ。」
「千夏・・・。」
「裕くん・・・。」
二人のムードは激変し、凄くぶち壊したい気分だった。
だが同時に思うところもあった。
チョロいな。チョロすぎるぞ千夏。このままだと裕の思う壺だぞ
俺は千夏のチョロさに心で笑っていると・・・。
「おおい、全員席につけ。テストを始めるぞ。」
教室へ入ってきた教師の掛け声によりクラスの奴らは仕方がなく席に着いた。
幸いこの学校は中間や期末テストの期間は4時間ほどしか授業が無い。
さて、これから地獄の4時間だ。気合いを入れて寝ないよう頑張ろう。
そしてテストという名の地獄が始まった。


「やっと終わったな。」
裕が疲れたような声で話しかける。
よほど疲れたのだろう、凄く眠たそうにしている。
テストが終わり飯も食い終わってあとは帰り支度をするだけとなった。
正直俺も凄く疲れた。
疲れたというのはテストがというよりはテストの時間に襲いかかる睡魔との戦いの事だ。
どうにか耐え抜いたのだが、帰りの電車の中で居眠りしたらいけない気がするのでどうにか耐えようとする。
「そういや宗平、今日暇?」
「どうして。」
「そりゃたまには男と男の付き合いに乗れというお誘いなのだが。」
「微妙に気色悪いこと言うなよ。お前せっかく早く帰れるんだから千夏と一緒にどっか行ったら良いじゃん。」
「千夏は今日はこれから夕飯の買い出しだってよ、親から頼まれてんだとさ。」
なる程、なら仕方がない。だが生憎今日は予定が埋まっているのだ。
「残念だけど今日はパス、夕飯の買い出しと靴がきつくなってきたから変えようと思って。」
俺は申し訳なさそうに謝った。
まあ靴の方はそんなに慌ててないんだけどね。別に週末の休みの日でも良かったし。ただ今日は眠てえから早く帰りたいだけなんだよ。
「じゃあ仕方ないか。いいよ、俺は家でゲームでもしてるから。」
裕はさっさと家に帰る準備をする。
まあ一緒に帰るくらいならいっか。
俺は裕と一緒に教室から出た。
「そう言えば、この前うちの学校に転校生が来たよな。」
「あぁ、そういやそうだったな。」
そうなのだ。先週この学校に転校生が来たのだ。しかも女子!男子にとっては嬉しいニュースだったのだ。
名前はたしか橋間優里(はしま ゆり)
黒髪のロングヘアーで凛とした表情。
いつも1人でいたいみたいな顔しているのだが、男子皆が一目惚れするくらいの美少女だ。実は俺も少し気にしている。
「で、その噂の転校生がどうしたの?」
「いや、俺この前学校の帰り道でさ、転校生が人気のない路地裏に入っていくのを見てさ。」
何じゃそりゃ。女の子が人気のない路地裏に行くなんておかしくないか?
まあでも、今どきの女の子なんて何考えてるかわかんないし、人には言えないことでもしているのだろう。
「まあ、人には言えないことでもしてんじゃないの?」
「ほほう、例えば?」
「そりゃあ、あれだよ。家族にも言えないことだろう?」
「へえ、宗平くんは美少女を見るとそんなふうに妄想するんだぁ。」
は?何でそうなるんだよ!お、お俺はそんなのいちどもおもったことねえよ!
いや、確かに思ったかもしれないけど。
だからってさすがにそこまでは妄想してねえ!
「あれぇ?顔が赤くなってるよぉ?図星だったのかな?」
「は!?んなわけねえだろ!おれはそんなこと想像すらしてねえよ!」
そう、俺は想像してない。きっとしてない。そう信じていたい。
裕が急に足を止めた。
「あ、もう駅に着いちゃった。」
裕と会話をしているうちにいつの間にか駅に着いていたらしい。
「じゃあここでお別れだな。」
「そうだな。じゃあな、変態妄想男。」
裕が冗談ぽく言うとそそくさと改札の方へ走っていった。
「あいつ、別れの一言も言わせずに行きやがった。」
時計を見ると裕が乗らなくては行けない電車がもうすぐつく時間だった。
俺はもうちょっと後でもいいか。
俺は駅の近くにある靴屋を覗いたあと、家に帰るための電車に乗った。

あと少しだ、あとすこしで家に着く。
俺は右手に今日の晩御飯の材料。左手には駅前の靴屋で買った革靴が入ったビニール袋をぶら下げながら住宅街を歩いていた。
はあ、明日もこの苦痛が続くのか。嫌だなあ。
「ねえ。」
突然後ろから声をかけられた。しかも美少女の声!どんな顔してんだ・・・
俺は声がした方に振り向くとそこには。
「転校生?」
なんでここにいるんだよ。
今まで帰り道でこいつにあったこと無かったのに。
「そろそろ名前で呼んで欲しいんだけど。」
「いや、お前とは顔見知りくらいの中だろうが。なんでここにいる?」
「別にいいじゃない、同じ帰り道だっただけでしょ。」
嫌そうなんだけどね、俺としてはなんで俺に話しかけてるのかが気になってるだけなんですけど?お前いつも学校で独りじゃん、1人にしろオーラがすごい出てるんだよ?
「別に、単にあなたを尾行してるだけなんだけど。」
・・・ん?俺の聞き間違いかな?確か俺を尾行してるとか言ってた気がしたけど。
「ごめん、もう一度言ってくれない?俺耳が遠くなったみたいでさ。」
「だから、あなたを尾行してるっていったじゃない。」
橋間優里は無表情のまま俺に向かっていった。
どうやら俺の聞き間違いではなかったらしい。
え、何この子やだ!そんな涼しい顔で俺を尾行してるなんて言っちゃってるよ!?俺この後なにかされるの?少し期待しちゃうかも!?
だがそんな思いとは裏腹に優里はよくわからんことを言ってきた。
「早くここから離れて、すぐに戦場になるわよ。」
へ?またまたこの子は何を言ってるのでしょう。あ、もしかしてあれか?ゲームのやり過ぎかな?だったらちゃんと言ってあげよう。「ここは現実だよ、ゲームの中じゃないんだよ。」って、そうすれば現実を認識してくれるはずだ。
「言っておくけど嘘じゃないわ、その事を言うためにわざわざあなたを附けたんだから。」
それを言うと優里は来た道を引き返していく。
おいなんだよ今の言葉、訳分からん。
とりあえずなんの事か説明してもらわんと話にならん。
俺は優里が言った道を走って追いかけた。
「おい!なんのことが説明しろよ!」
俺は優里の近くまで行くと引き留めようと必死で言葉を発した。
「ちょ!?早く逃げなさい!そうしないと死ぬわよ!」
「そんなこと言われたってわかんねえよ!ちゃんと説明しろ!」
俺は優里に説明をさせようとするが、優里は凄く焦っていて俺を早くこの場から離したいらしい。
だが、そんな優里の必死な願いは届かず、最悪な事態が発生し始めた。
「何だよ、これ。」
突然視界がゆがみ始めた。俺たちの周りがだんだん変わり始めたのだ。
「遅かったか。とりあえず逃げるわよ!」
優里はこの事態を予想していたのか、俺を連れてこの場から離れようとした。
「おい!何がどうなってんだ!?何がどうなってんだ!」
俺たちの周囲は綺麗な住宅街から家には所々穴が空いていて地面はヒビが入っていた。空は赤黒い色をしていて、あるはずの太陽の代わりに赤い月が街を照らしていた。
「取り敢えずあなたは逃げるの!できるだけあいつには会わないように!」
優里は俺とは逆の道を走っていく。
「は!?あいつって誰だよ!」
「いいから逃げて!」
俺は優里が今までには出さなかったような大声で言うので言われた通り逃げてしまった。
「何だよあいつ!突然逃げろとか、つかここどこなんだよ!」
俺は廃墟と化した住宅街をひたすら走り続けた。
すると次第に俺が走っていく方向からでかい足音が遠くの方で響いてきた。
それは今まで聞いたことの無い音。まるで巨大生物が街を徘徊しているような音だった。
「何だこの音?」
だがその正体は直ぐにわかった。
足音が左角から曲がってきたのを確認するとそこには、
「グオオオオオオオオォ!!」
ひとつの家一個分の大きさはあるであろう二本足で巨大な狼みたいな顔をした怪物がこちらを睨んでいる。
「ひ!?なんだよこいつ!?」
俺はあまりの大きさの怪物を見て、思わず足が崩れ落ちてしまった。
やばい、このままじゃ殺される!優里が言ってた『あいつ』とはこの事だったのだろう。確かに逃げないとやばい。だけど、体が震えて言うことを聞かない!?
早く逃げないと、奴がそこまで来てるのに!
俺は必死で体を動かそうとしたが全く動かなかった。怪物は直ぐそばまで来て左腕を上げていた。
「う、うわあぁぁぁぁぁぁ!!」
俺はやっとの事で身体が動き、必死で怪物の反対側に身体を向かせ走った。
だが俺の行動は一歩遅く、怪物の腕が俺の背中に直撃した。
「ごふ!?」
怪物の爪が俺の背中を掠めてしまい、俺の身体は怯んでしまった。
その直後に怪物は右腕を下から振り上げてきた。
「がふ!」
俺はそれも回避できずにそのまま突き上げられ、数十メートル先まで勢いよく飛ばされた。
「がは!?」
背中が熱い、熱すぎて溶けそうだ。
それに痛い、痛い、痛い。だめだ、このままじゃ死ぬ。
だが俺の身体には二本の深い傷が背中にでき、とても立ち上がれる状況ではなかった。
う。は、早く立ち上がらないと・・・・くそ。
「う、は・・はやく・・しないと。」
俺は無我夢中で逃げようと地面を這いずり回った。
だが気づいたら怪物はまた俺の近くまで来ていた。
今度こそ殺される!
俺はもうダメだと目を瞑って訪れる死を待った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
あれ?死んでない。どういうことだ?
俺はそっと目を開けるとそこには。
「やっと間に合った。」
そこには振り下ろそうとした腕を剣で止められている怪物と、怪物を剣で止めている優里が俺の目の前に立っていた。
「ゆ・・・り・・?」
「待ってて、すぐに終わらせるから。」
そう言うと優里は止めていた怪物の腕を剣で弾いて、怪物を飛び蹴りで2メートルぐらい先まで突き飛ばした。
なんだありゃ。どういうことだ?優里はあんなにバカ強い力を持ってたか?
あんな人間離れした力、有り得ねえ。
優里は怪物の方へ走って向かった。
怪物はすぐに起き上がり、右腕を横からフルスイングで優里を襲うが、ゆりはそれをいとも簡単に剣で対抗する。
普通は怪物が勝つが、実際には優里の剣が一歩上を行き、怪物の手首を切り落とした。怪物は怯むが、優里はその隙にもう片方の手首を切り落とした。
「これで手は使えないよ。」
優里は怪物の肩を蹴って隣の家の屋根に飛び移った。
優里は屋根を蹴って怪物の首へ向かう。
「これで、終わりだあぁぁぁ!!」
優里は剣を思いっきり振り、下から怪物の首を跳ねる。
首は綺麗に真上へ飛び、やがて地面に落ちた。
優里は宙返りをした後地面に着地した。
「お・・・まえは・・いったい。」
俺はどうにか言葉を発するが最後まで言いきれずに意識が遠のいていった。


続く
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