46 / 92
46
しおりを挟む
**レイラ
フードを深く被って町の中を歩くのは、以前捕まった時の事を思い出させた。祭りの賑やかな声がより一層、あの眠らない町を彷彿とさせる。
「レイラ、、レイラ、、 どうした?」
陛下に覗き込まれていてはっとした。握った手を ぎゅっ、とすると確かな感触があって、ほっとした。陛下がいるから大丈夫。
「何でもありません。ただ少しだけ圧倒されてしまって。」
「そうか。 、、恐いなら帰るか?」
「とんでもないですっ。せっかく来たのだから楽しみたいです。」
楽しみたいのは本心で、私はわくわくしている。ただ、ほんの少し思い出して足がすくんでしまっただけなのだ。
「向こうの広場で染め物の展示をしているらしい。行ってみるか?」
「はいっ。」
建ち並ぶ建物の壁の、所々に貼られた展示場の案内を見ながら陛下が聞いてきた。私は即答した。
広場は様々な色や模様で埋め尽くされていた。
ずいぶん高い位置まで展示されているから、違う世界に迷いこんだかの様で、気分がとても高揚した。
「すごいっ、すごく綺麗です! わぁ、見てくださいっ、あれなんか、本当に空みたいですね。」
上の方に空色の染め物が風にはためいていて、空に溶けていきそうな色をしている。
はしゃぎながら陛下を覗き見ると、陛下は染め物ではなく、私を見ていた。
「いい笑顔だ。来て良かった。」
「あ、え、ええと、、ありがとうございます。」
何だか恥ずかしくなって、慌ててフードを引っ張った。
町並みを歩く時、さっきよりも少し目線をあげてみると町中も色とりどりの旗がたくさん吊り下げてあって、とても鮮やかだった。
ふと、染めた布を虹の様に並べたお店が目に止まった。
「わぁ、、綺麗」
お店に近づいてみると、
「いらっしゃい。どうぞ手にとって見て下さい。」
と、店員の男の人が話しかけてきた。
「え、ええと、見るだけでもいいですか?」
私は買い物なんてしたことがなくて、どうしていいのか分からない。商品に触れてしまったら買わないといけなくなるのではと警戒した。
「見るだけでもいいですよ。でもうちの染め物は生地にこだわっているので、是非触り心地も確かめて下さいね。」
「ありがとうございます。」
警戒しなくても良さそうで、安心したら頬が緩んだ。
「わあ、お姉さんはとても綺麗な人ですね。どこから来たのですか? あ、これなんか似合いそうだ。触ってみて。」
顔をあげた時に目が合って、薄薔薇色に染まった布を一つ選んで差し出してきた。つい嬉しくなって手を出そうとすると繋いだ方の手がぐいっと引っ張られた。
「わ、わ、、」
バランスが崩れそうになると陛下が腰を抱き止めた。小さいのにしっかりと固定された。
「僕、いたずらしたら駄目だよ、お姉さんが困っているよ。」
「ふん」
「さぁ、どうぞ。」
もう一度差し出されたけれど、陛下は抱いた腰をぐいっと方向転換させた。
「きゃ、」
「結構だ。」
そのまま引っ張るように歩かせられて店は遠のいていく。
「いちいち愛想笑いしなくていい。奴らは商売人だから口が上手いだけだ。気に入ったのがあれば後で屋敷に呼べばいい。」
「え、、あ、、、すみません。分からなくて。」
陛下がぴたりと立ち止まった。
「分からなくても綺麗だと言われただけで、嬉しそうな顔をするのか。」
「いえ、そういうつもりは、、、」
「ふん、帰るぞ」
「、、、はい。」
「不満か?」
「いいえ。」
本当はせっかく陛下と来たのだから、もう少し楽しみたかった。けれど、陛下は機嫌を悪くした様だった。
その時、突然フードが後ろから引っ張られた。
「ひゃっ」
顔が露になって、慌てて下をむいた。
「お姉さん、すごく綺麗だね。隠すなんてもったいない。もっと見せてよ。」
「おい、何だ。」
目の前に回り込んで来て、馴れ馴れしく話し掛けて来たのを、陛下が間に割って入って立ちはだかった。
私はどうしていいか分からず動けなくなってしまった。
「おや、弟君かな? ごめんね、お姉さんに話があるんだ。 お姉さん、今からあっちにある店で、魔力合わせをするんだけど参加してみない? あ、魔力がなくても大丈夫だよ。」
「おい、勝手に話掛けるな。」
「はは、弟君は恐いな。お姉さん、弟君も連れて来ていいからさ。あ、もしかしてもう相手がいるのかな? でもその人が本当にう、、うぐっ、ぐ、ぐ、、」
「え、、?」
男の人が胸を押さえながらその場に崩れていく。
「う、ぐ、、、何を、、ぐ、、」
何が起こっているのか分からなくて恐い。陛下の手を引っ張ろうとして、とても冷たくなっている事に気づいた。
「ウィレム陛下? ウィレム陛下?」
陛下は立ったまま動かないし、男の人は地面で苦しんでいるし、何だかとても恐い。
陛下の顔を見ると目の色が濃く、黒っぽくなっていた。
「ウィレム陛下? やだ、しっかりしてくださいっ、陛下っっ」
声は全然届かないし、押しても引いてもびくともしない。口の端だけが不気味に上がっていた。
「陛下っ、陛下っ!」
陛下が遠くに行ってしまいそうで、何度も名前を呼んだ。気付かせようと一心不乱に唇を押し付けた。
次の瞬間 はっ、と息を飲む音がして陛下の目の色がもとに戻った。
「あ、、あ、、ウィレム陛下、、」
ほっとして涙がぼろぼろ落ちた。
「レイラ、、。」
「うぅ、、うっ、、恐かったです、、」
男の人は地面でうつ伏せに倒れたまま動かなくなっていた。ほっとした拍子に私の魔法は解けていて、いつもの陛下になっていた。周りがざわめいて人だかりが出来初めている。
陛下が大きな声を出した。
「騒がせた、済まない。この者は、罪を犯した。役人はいないか?」
「え、、? ウィレム陛下? どういう、、」
「はい! ここにおります!」
ひょろりとした若い男が手を上げた。
「名前は?」
「ローガンと申します!」
「ふむ、ローガン、後は任せる。」
「かしこまりました、国王陛下!」
深く頭を下げて、倒れた男の人に近寄り身体をひっくり返そうとした。
「レイラ、帰るぞ。」
視界を遮られ、肩を抱かれた。
「え、え?、、あの人は、、?」
「言っただろう、罪を犯した。」
ぐいぐいと引っ張られるようにその場から離れた。私の知らない陛下だと思った。
フードを深く被って町の中を歩くのは、以前捕まった時の事を思い出させた。祭りの賑やかな声がより一層、あの眠らない町を彷彿とさせる。
「レイラ、、レイラ、、 どうした?」
陛下に覗き込まれていてはっとした。握った手を ぎゅっ、とすると確かな感触があって、ほっとした。陛下がいるから大丈夫。
「何でもありません。ただ少しだけ圧倒されてしまって。」
「そうか。 、、恐いなら帰るか?」
「とんでもないですっ。せっかく来たのだから楽しみたいです。」
楽しみたいのは本心で、私はわくわくしている。ただ、ほんの少し思い出して足がすくんでしまっただけなのだ。
「向こうの広場で染め物の展示をしているらしい。行ってみるか?」
「はいっ。」
建ち並ぶ建物の壁の、所々に貼られた展示場の案内を見ながら陛下が聞いてきた。私は即答した。
広場は様々な色や模様で埋め尽くされていた。
ずいぶん高い位置まで展示されているから、違う世界に迷いこんだかの様で、気分がとても高揚した。
「すごいっ、すごく綺麗です! わぁ、見てくださいっ、あれなんか、本当に空みたいですね。」
上の方に空色の染め物が風にはためいていて、空に溶けていきそうな色をしている。
はしゃぎながら陛下を覗き見ると、陛下は染め物ではなく、私を見ていた。
「いい笑顔だ。来て良かった。」
「あ、え、ええと、、ありがとうございます。」
何だか恥ずかしくなって、慌ててフードを引っ張った。
町並みを歩く時、さっきよりも少し目線をあげてみると町中も色とりどりの旗がたくさん吊り下げてあって、とても鮮やかだった。
ふと、染めた布を虹の様に並べたお店が目に止まった。
「わぁ、、綺麗」
お店に近づいてみると、
「いらっしゃい。どうぞ手にとって見て下さい。」
と、店員の男の人が話しかけてきた。
「え、ええと、見るだけでもいいですか?」
私は買い物なんてしたことがなくて、どうしていいのか分からない。商品に触れてしまったら買わないといけなくなるのではと警戒した。
「見るだけでもいいですよ。でもうちの染め物は生地にこだわっているので、是非触り心地も確かめて下さいね。」
「ありがとうございます。」
警戒しなくても良さそうで、安心したら頬が緩んだ。
「わあ、お姉さんはとても綺麗な人ですね。どこから来たのですか? あ、これなんか似合いそうだ。触ってみて。」
顔をあげた時に目が合って、薄薔薇色に染まった布を一つ選んで差し出してきた。つい嬉しくなって手を出そうとすると繋いだ方の手がぐいっと引っ張られた。
「わ、わ、、」
バランスが崩れそうになると陛下が腰を抱き止めた。小さいのにしっかりと固定された。
「僕、いたずらしたら駄目だよ、お姉さんが困っているよ。」
「ふん」
「さぁ、どうぞ。」
もう一度差し出されたけれど、陛下は抱いた腰をぐいっと方向転換させた。
「きゃ、」
「結構だ。」
そのまま引っ張るように歩かせられて店は遠のいていく。
「いちいち愛想笑いしなくていい。奴らは商売人だから口が上手いだけだ。気に入ったのがあれば後で屋敷に呼べばいい。」
「え、、あ、、、すみません。分からなくて。」
陛下がぴたりと立ち止まった。
「分からなくても綺麗だと言われただけで、嬉しそうな顔をするのか。」
「いえ、そういうつもりは、、、」
「ふん、帰るぞ」
「、、、はい。」
「不満か?」
「いいえ。」
本当はせっかく陛下と来たのだから、もう少し楽しみたかった。けれど、陛下は機嫌を悪くした様だった。
その時、突然フードが後ろから引っ張られた。
「ひゃっ」
顔が露になって、慌てて下をむいた。
「お姉さん、すごく綺麗だね。隠すなんてもったいない。もっと見せてよ。」
「おい、何だ。」
目の前に回り込んで来て、馴れ馴れしく話し掛けて来たのを、陛下が間に割って入って立ちはだかった。
私はどうしていいか分からず動けなくなってしまった。
「おや、弟君かな? ごめんね、お姉さんに話があるんだ。 お姉さん、今からあっちにある店で、魔力合わせをするんだけど参加してみない? あ、魔力がなくても大丈夫だよ。」
「おい、勝手に話掛けるな。」
「はは、弟君は恐いな。お姉さん、弟君も連れて来ていいからさ。あ、もしかしてもう相手がいるのかな? でもその人が本当にう、、うぐっ、ぐ、ぐ、、」
「え、、?」
男の人が胸を押さえながらその場に崩れていく。
「う、ぐ、、、何を、、ぐ、、」
何が起こっているのか分からなくて恐い。陛下の手を引っ張ろうとして、とても冷たくなっている事に気づいた。
「ウィレム陛下? ウィレム陛下?」
陛下は立ったまま動かないし、男の人は地面で苦しんでいるし、何だかとても恐い。
陛下の顔を見ると目の色が濃く、黒っぽくなっていた。
「ウィレム陛下? やだ、しっかりしてくださいっ、陛下っっ」
声は全然届かないし、押しても引いてもびくともしない。口の端だけが不気味に上がっていた。
「陛下っ、陛下っ!」
陛下が遠くに行ってしまいそうで、何度も名前を呼んだ。気付かせようと一心不乱に唇を押し付けた。
次の瞬間 はっ、と息を飲む音がして陛下の目の色がもとに戻った。
「あ、、あ、、ウィレム陛下、、」
ほっとして涙がぼろぼろ落ちた。
「レイラ、、。」
「うぅ、、うっ、、恐かったです、、」
男の人は地面でうつ伏せに倒れたまま動かなくなっていた。ほっとした拍子に私の魔法は解けていて、いつもの陛下になっていた。周りがざわめいて人だかりが出来初めている。
陛下が大きな声を出した。
「騒がせた、済まない。この者は、罪を犯した。役人はいないか?」
「え、、? ウィレム陛下? どういう、、」
「はい! ここにおります!」
ひょろりとした若い男が手を上げた。
「名前は?」
「ローガンと申します!」
「ふむ、ローガン、後は任せる。」
「かしこまりました、国王陛下!」
深く頭を下げて、倒れた男の人に近寄り身体をひっくり返そうとした。
「レイラ、帰るぞ。」
視界を遮られ、肩を抱かれた。
「え、え?、、あの人は、、?」
「言っただろう、罪を犯した。」
ぐいぐいと引っ張られるようにその場から離れた。私の知らない陛下だと思った。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる