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しおりを挟む翌日、病み上がりのハルと同じく、俺も学校を休んだ。
まず、ハルの部屋から必要なものを俺の部屋に運んだ。
ハルはせっせとトートバッグに本棚から犬や猫の写真集やエッセイ、レシピ本や小説などを入れていた。
ハルの為に、ハルの部屋にあったオーブンも自室に運んだ。
ある程度の作業が済み、ひと休憩を入れ、これからが本番だ。
ハルに連絡先がわかる相手を教えてもらい、全員に一斉送信でメールした。
『お前らがハルにやってるのは犯罪と一緒だ。相手が男だろうが強制性交だ。ハルの部屋に四六時中、押しかけるなどは迷惑行為条令、ストーカー法にも値する。
俺の親は警察で兄は弁護士だ。嘘だと思うなら、調べてみろ。高校生だから、て余裕こくなよ?内申書に響くだろうよ。』
名前、クラスも添えた。
部屋着のハルが俺の手元のスマホを覗き込む。
「....弁護士....警察....」
「ああ。事実だよ」
「だから、先輩、柔道部なんですか?将来は警察官とか?」
「いや、柔道は父の勧めというか。父がやってたし、それでなんとなく。黒帯、取りてーって、始めた。どちらかといえば、兄貴と同じ道が理想かな」
「....てことは弁護士ですよね。凄いな....僕、まだこれって目標、なんにもないし。なんだか恥ずかしい....」
俺の手元を見たままのハルを見つめた。
「犬や猫が好きなんだろ?トリマーとかどうだ?料理やお菓子作りも好きみたいだし、そっち方面もいいだろうし。小説が好きなら、書いてみてもいいだろうし」
俺の言葉に驚いた様子で顔を上げた。
「ぼ、僕の本棚、見たんですか....?」
「ああ、看病中、ハルが眠っている間、暇だったから....勝手にごめん」
「い、いえ。びっくりしただけだから...そっか、そういう道もありますよね....」
ハルに届く手紙は俺に見せるよう言い、クラスに出向き、メールと同じことを言い聞かせた。
大抵は俺のタッパを見上げてビビる、めめっちい奴ばかりだった。
日にちはかかったが、ハルに平穏な日々が訪れ始めた。
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