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しおりを挟む行為が終わったもののベッドから動けそうもなかった。
タチの時とはまた違う疲労感。
ケツの辺りが特にしんどい...。
「大丈夫?優輝さん。ちょっと待ってて、なにか飲む?」
慶太くんが脱ぎ散らかしたままだったバスローブを羽織りベッドを降りると備え付けの自販機に向かう。
「コーラー、ビールー、アイスコーヒーに、烏龍茶、あとミネラルウォーターにー」
「...ビールで」
声、掠れちゃってる。
どんな声出してたんだ、俺。
恥ずかしい...。
「はい、ビール。あ、ゆっくりね、体キツいでしょ」
起き上がろうとする俺にそう声を掛け、ビールを渡された。
「ありがとう。...見た目によらず男前だね、慶太くん」
隣に戻り、烏龍茶のキャップを開けながら慶太くんは笑った。
相変わらず可愛らしい笑顔。
「そっかな、普通だよ」
「モテるでしょ?」
「んー?」
ペットボトルを傾け、ぐびぐびしばらく烏龍茶を飲むと、
「どうかな、普通。でも、そんなモテないよ。ほら、僕、見た目がこれだし」
「これ、て?」
「ウケに間違われるからねー。だから、いつもタチばかりなの、相手。根負け、て変だけど、大半はヤラせてくれるけど...」
一瞬、ギョッとした。
「タチをウケにしてるんだ」
俺みたく!?
「僕みたいなタチに抱かれたいウケ、なかなかいないもん」
「...そっか。それはそれで大変だね」
「んー...。男らしく生まれたかったー。でも優輝さんみたいなイケメン好物ー、僕」
「好物、て」
思わず笑った。
慶太くんもてへ、と可愛らしく笑って、なんだかほのぼの。
「優輝さん、明日、仕事でしょ?時間、大丈夫?」
「んー、ねえ。初めてのウケで体がちょっと、うん」
「ごめんね?」
本当に申し訳なさそうな切ない表情で隣の俺に慶太くんは謝った。
「いや、謝らないでよ。とりあえず俺、営業だしね、腰擦りながら、てキッついな、て。何とか明日は休むか、て。社会人としてダメダメだけど」
「体が資本だしね、いいんじゃないかな?無理して仕事にならずにミスしてもだし」
そう言うと慶太くんはぐい、と烏龍茶を飲んだ。
「だったら僕も休んじゃおっかなあ」
「慶太くんも?なんで」
「えっ、だって元はと言えば僕のせいでもあるし...体を動かすのしんどいでしょ?優輝さん。看病したいから」
「や、いいよ、そんな、悪いし」
「いいってー。僕ももう少し優輝さんといたいし」
にこ、と邪気のない笑顔が抜群に可愛かった。
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