3つ子が恋したら。

ミヒロ

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「今までのお前なら好きな人がいる、て聞いたら燃えて、奪っては飽きてお前から別れてたのにな」

リクがカイの柔らかい髪を掬いながら優しく言葉を掛けます。

「...もういいんだ。ほんと、海であったなんてこたない、1コマに過ぎない」

「本当にそれでいいのか?」

「...どういう事」

リクはベッドに投げ出されていた、カイのスマホを手に取るとカイに差し出しました。

「モヤモヤしたまんまで終わらせないでさ、はっきり終わらせたら?失恋、てカイは経験ないだろうから受け止めきれないんだろうけど」

カイに差し出された自分のスマホを目にしたままです。

その時でした。

カイのスマホがけたたましく鳴り始めます。

リクはLINEではない、電話の相手を見るなり、カイに代わり、電話に出ました。

なにやら話し始めたリク。

「わかった。うん、後で」

カイはやり取りをぼんやり眺めていましたが、

「カイ、恭一さんのバイトするコンビニ行ってきて」

「なんで」

「コーラ飲みたい。買ってきて。お前の分も買ってきていいから」

リクは2人ぶんの代金をカイに手渡しました。

「...なんだよ。パシリかよ」

カイは仕方なく、でも自身もコーラが飲みたいのは確かだったので、部屋を出るとコンビニに向かいました。

夜風が気持ちいい、夏の夜でした。
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