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第5話 戦闘の後で
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抱き合ったまま、ひとしきり泣いた後、俺達はロイス達に見られている事を思い出し、どちらともなく体を離す。
離れる時エリザが泣き顔では無く笑顔を浮かべていたので、俺も笑顔で答えておく。
どうして、キスしたの……? と聞きたかったがさすがにできない。聞いてはいけない気がしたからだ。
ロイスが咳払いをしてから俺の方を向いて言う。
「それにしても、今のは大袈裟すぎやしないか? カイト以外誰もダメージを受けていない。カイトも全然平気そうだったし。正直、楽勝だったじゃないか? まあ、最後エリザが狙われた時だけはちょっとヒヤッとしたけどな」
大袈裟というのは俺がエリザを抱きしめたり、泣いたり、キスしたり…といった事だろう。
まあキスはエリザからけどな……。
しかしこの物言いには俺もさすがにカチンと来る。
自然とロイスを睨みつけてしまう。
俺はロイスと違って死にかけたんだ!! と何度も叫ぼうと思ったが、理性で踏みとどまる。
俺の激情が予想外だったのか、ロイスが焦る。
「いや、そんなつもりじゃないんだ。なんていうか、その……スマン」
俺の怒っているポイントがどこだかわからないロイスはとりあえず謝ってきた。
一応謝罪を受けたことで俺の溜飲は多少下がったが、その時、珍しくライカが口を開く。
「今のはロイス、お前が完全に悪い。仲間のピンチが助かって泣くのがそんなに悪い事か? 私はむしろカイト殿の態度は好ましいとさえ感じた。善意で手伝ってくれたカイト殿に対して最初に言う言葉が労いや、感謝の言葉では無く、その言葉なのか? それに……お前の発言はエリザを軽視しているようにも取れる」
レベリングがそもそもの目的で、最後は自分が生きてた事が嬉しくて泣いていた俺は、あまりの過大評価にやや面食らいながらもライカが、ロイスを口撃する様子を見て気分がスッキリした。
だが今の事が原因で今度はライカの信用も得てしまったらしい。
誤解なんだがな……。
「い、いや俺はそんなつもりじゃ」
ロイスは完全に青くなっている。
ライカの言い分におっさんも全面的に同意して頷く。
「スマン」
集中砲火を浴びたロイスはしゅんとしてしまう。
さすがに少し可哀そうに思った俺はロイスに助け舟を出す事にする。
まあ雰囲気が暗くなるのも嫌だしな。
ロイスは先程の戦闘を褒めてやったらすぐに、機嫌を直した……。
立ち直り早すぎだろ! と思ったがまあ元気づける事が目的だったのでよしとする。
俺とロイスがボス戦について話していると、ライカ、おっさん、そしてエリザも加わって、そこからボス戦談議に花が咲く。
あーでもない、こーでもない。やれあそこがかっこよかった。あそこは危なかった等、話は尽きない。
俺はとても楽しかった。
初めて組んだパーティーだったが、やはり1人の時とは違い仲間を頼れる安心感、会話の楽しさ、ボス討伐の達成感を共有する事は、物言わぬ棺桶と旅するより、よほど充実しているだろう。
俺は少しこの異世界を好きになり始めていた。
ソロで籠るのも悪くないが、またパーティーを組むのもいいかもしれないな……。
俺はこれからの事に思いを馳せた。
ボス部屋でボス討伐の余韻に浸っていた俺たちだが、いつまでもそうしているわけにはいかない。
俺たちは入り口に戻る事にする。
エリザはもう5人を転移するほどの魔力は残って無いらしい。
彼女はすまなそうに頭を下げるが、全員気にしていないようだ。
まあ魔法陣で入り口までは帰れるからな……。
それにしても先程からエリザの視線を感じるな。
俺はどういう態度を取ればいいんだろうか……。
答えの出ぬままダンジョンの入り口に帰ってくると、入る時に見張りをしていた兵士が変わっていた。交代制なのだろうか?
俺がどうでもいいことを考えていると。
「閣下、よくぞご無事で!」
兵士がしゃべりながら近付いてくる。どうやら国の重鎮がこのダンジョンに入っていたのはもう周知の事実になっていたらしい。
ロイスが軽く手を振り、当然だろ?と言った表情をする。
かなり調子が戻ってきてるようだな。
もう少しほっといてもよかったか……。
兵士がロイスに興味深々と言った感じで話しかけてくる。
「閣下達は、今日は何階層まで行かれたのです?」
ロイスはその質問待ってました!という表情をする。
そして言い放つ。
「もちろんクリアしたさ! なあ皆?」
思いっきりドヤ顔をしながら俺達に同意を求めてくる。
それにライカやおっさんが頷いて答える。
兵士の反応は劇的だ。
「ほ……ほんとでありますか? ミルダンジョンはもう5年は攻略されていない中級ダンジョンなんですが…… 私が配属になってからなんて、まだ一人も攻略したパーティーもいなくて……」
兵士が興奮気味にまくしたててくる。
ロイスが間違いなく攻略したと告げると、兵士がさらにこう続けた。
「これは一大事だ、とりあえず早急にギルドに連絡しないと。それと帝都の方にも急いで伝えなければ!」
ロイスはそれに、ああ頼むぞ! と答える。
俺は今のやりとりが少し気になっていた。
帝都に急いで伝える? 中級ダンジョン攻略の事をか? それも何か変だな……。
しかし、このダンジョン攻略の人選も国が後ろにいると考えれば妙にしっくり来る。
色々考えていると、エリザが後ろの方で大声を上げる。
「あ! 来てますよ! 称号!」
自分のステータスカードをチェックしていたらしい。少し興奮気味だ。
どうやら無事称号をもらえたらしい。
その後、なんとなくその場で全員がステータスカードのチェックを始めた。
俺も、中級ダンジョン攻略者の称号をもらえているはずだ。
ステータスカードを取り出し称号の欄を確認する。
「これは……なんだ?」
そこには異様な光景があった――
離れる時エリザが泣き顔では無く笑顔を浮かべていたので、俺も笑顔で答えておく。
どうして、キスしたの……? と聞きたかったがさすがにできない。聞いてはいけない気がしたからだ。
ロイスが咳払いをしてから俺の方を向いて言う。
「それにしても、今のは大袈裟すぎやしないか? カイト以外誰もダメージを受けていない。カイトも全然平気そうだったし。正直、楽勝だったじゃないか? まあ、最後エリザが狙われた時だけはちょっとヒヤッとしたけどな」
大袈裟というのは俺がエリザを抱きしめたり、泣いたり、キスしたり…といった事だろう。
まあキスはエリザからけどな……。
しかしこの物言いには俺もさすがにカチンと来る。
自然とロイスを睨みつけてしまう。
俺はロイスと違って死にかけたんだ!! と何度も叫ぼうと思ったが、理性で踏みとどまる。
俺の激情が予想外だったのか、ロイスが焦る。
「いや、そんなつもりじゃないんだ。なんていうか、その……スマン」
俺の怒っているポイントがどこだかわからないロイスはとりあえず謝ってきた。
一応謝罪を受けたことで俺の溜飲は多少下がったが、その時、珍しくライカが口を開く。
「今のはロイス、お前が完全に悪い。仲間のピンチが助かって泣くのがそんなに悪い事か? 私はむしろカイト殿の態度は好ましいとさえ感じた。善意で手伝ってくれたカイト殿に対して最初に言う言葉が労いや、感謝の言葉では無く、その言葉なのか? それに……お前の発言はエリザを軽視しているようにも取れる」
レベリングがそもそもの目的で、最後は自分が生きてた事が嬉しくて泣いていた俺は、あまりの過大評価にやや面食らいながらもライカが、ロイスを口撃する様子を見て気分がスッキリした。
だが今の事が原因で今度はライカの信用も得てしまったらしい。
誤解なんだがな……。
「い、いや俺はそんなつもりじゃ」
ロイスは完全に青くなっている。
ライカの言い分におっさんも全面的に同意して頷く。
「スマン」
集中砲火を浴びたロイスはしゅんとしてしまう。
さすがに少し可哀そうに思った俺はロイスに助け舟を出す事にする。
まあ雰囲気が暗くなるのも嫌だしな。
ロイスは先程の戦闘を褒めてやったらすぐに、機嫌を直した……。
立ち直り早すぎだろ! と思ったがまあ元気づける事が目的だったのでよしとする。
俺とロイスがボス戦について話していると、ライカ、おっさん、そしてエリザも加わって、そこからボス戦談議に花が咲く。
あーでもない、こーでもない。やれあそこがかっこよかった。あそこは危なかった等、話は尽きない。
俺はとても楽しかった。
初めて組んだパーティーだったが、やはり1人の時とは違い仲間を頼れる安心感、会話の楽しさ、ボス討伐の達成感を共有する事は、物言わぬ棺桶と旅するより、よほど充実しているだろう。
俺は少しこの異世界を好きになり始めていた。
ソロで籠るのも悪くないが、またパーティーを組むのもいいかもしれないな……。
俺はこれからの事に思いを馳せた。
ボス部屋でボス討伐の余韻に浸っていた俺たちだが、いつまでもそうしているわけにはいかない。
俺たちは入り口に戻る事にする。
エリザはもう5人を転移するほどの魔力は残って無いらしい。
彼女はすまなそうに頭を下げるが、全員気にしていないようだ。
まあ魔法陣で入り口までは帰れるからな……。
それにしても先程からエリザの視線を感じるな。
俺はどういう態度を取ればいいんだろうか……。
答えの出ぬままダンジョンの入り口に帰ってくると、入る時に見張りをしていた兵士が変わっていた。交代制なのだろうか?
俺がどうでもいいことを考えていると。
「閣下、よくぞご無事で!」
兵士がしゃべりながら近付いてくる。どうやら国の重鎮がこのダンジョンに入っていたのはもう周知の事実になっていたらしい。
ロイスが軽く手を振り、当然だろ?と言った表情をする。
かなり調子が戻ってきてるようだな。
もう少しほっといてもよかったか……。
兵士がロイスに興味深々と言った感じで話しかけてくる。
「閣下達は、今日は何階層まで行かれたのです?」
ロイスはその質問待ってました!という表情をする。
そして言い放つ。
「もちろんクリアしたさ! なあ皆?」
思いっきりドヤ顔をしながら俺達に同意を求めてくる。
それにライカやおっさんが頷いて答える。
兵士の反応は劇的だ。
「ほ……ほんとでありますか? ミルダンジョンはもう5年は攻略されていない中級ダンジョンなんですが…… 私が配属になってからなんて、まだ一人も攻略したパーティーもいなくて……」
兵士が興奮気味にまくしたててくる。
ロイスが間違いなく攻略したと告げると、兵士がさらにこう続けた。
「これは一大事だ、とりあえず早急にギルドに連絡しないと。それと帝都の方にも急いで伝えなければ!」
ロイスはそれに、ああ頼むぞ! と答える。
俺は今のやりとりが少し気になっていた。
帝都に急いで伝える? 中級ダンジョン攻略の事をか? それも何か変だな……。
しかし、このダンジョン攻略の人選も国が後ろにいると考えれば妙にしっくり来る。
色々考えていると、エリザが後ろの方で大声を上げる。
「あ! 来てますよ! 称号!」
自分のステータスカードをチェックしていたらしい。少し興奮気味だ。
どうやら無事称号をもらえたらしい。
その後、なんとなくその場で全員がステータスカードのチェックを始めた。
俺も、中級ダンジョン攻略者の称号をもらえているはずだ。
ステータスカードを取り出し称号の欄を確認する。
「これは……なんだ?」
そこには異様な光景があった――
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