転生でゆるく生活したい

ぱゆり

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襲撃は突然に

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平民の朝はバラバラだ。揃ってたらそれはそれで怖いけど。
しかし,みんな大抵早起きだ。
そこから働きづめって訳でもないが色々しなくちゃいけない。
子供たちは親を手伝ってたりまだ寝てたりと色々だ。
そんな感じ朝は少しバタバタすることもあるがみんな基本のんびりだ。

まだ明るくない真っ暗の中起きてしまい妙に眠気もなかったので誰も見てないのを確認して瞑想して精神統一した。
そんなことをしてたら足音が聞こえてきたので誰かがこの家にまっすぐ向かって来ているみたいだ。
癖的に兄さんに近いが微妙にずれていて自信がないが兄さんが早朝に帰って来たかな?
いやっどちらからと言えば今は夜中の3時くらいかな?
まあ、これだけならまだいい。暗いからテーブルに置いてあるロウソクに火をつけて出迎えるだけ。
だが、帰ってきた兄さんはそこら中怪我だらけの血まみれ状態で背中に何か背負っていた。
「ちょっ!?兄さん!?どうしたのその怪我!!?ってか何背負って、え?」
いきなり血だらけの人間が帰って来ると思わず覚悟もしてなかったので若干血の気が引いた。
それに、よく見ると背負ってるのは人じゃないか?それも女性では?
兄さんが、あの、ソル兄さんが?
「そんな、まさかソル兄さんが、女の子を持って帰ってくるとは思わなんだ。」
驚愕であった。
あの兄が見知らぬ女の人を持って帰ってくる。
それもぱっと見同い年ぐらいの大きさじゃないか?

戦いの常識はたしかに突破されてはいましたが、まさか一般常識まで?
「ちょっ違っ!違うよ!ジーク、まずは話を聞いてくれ!!」
兄さんが焦ったように言ってくる。
どうやら聞こえていたらしい。
「まあ、・・・聞くだけ聞いてみようかな。」
昔、話を全く聞いてくれない人がいて話を聞いてもらえない悲しさやらは重々理解してるつもりだ。
だから聞く。相手に話してくれる意思があるのなら、聞けるだけ聞くつもりだ。その上で答えを出そう。
相談できるって本当に楽だから。
「ああ。ありがとう、助かるよ。」
ソル兄さんはそう言って部屋の奥にあるソファーの上に女の子を寝かせた。
見た限り、寝ているだけで健康状態は問題なさそうだよな?
さっきまで兄さんが自分の外套で包んでいたので分からなかったがよく見てみると綺麗な人だった。
「あのさ兄さん、その人どこから連れてきたの?」
旅人ではないのは確かだが何故外套で包む必要が?
「・・ん?あ、ああ。森の奥で倒れていたんだよ。ほら、あそこはグリフォンとウルフの縄張りだから、危ないだろ?だから連れてきたんだ。」
「え?そうなの?」
初耳なんだけどそんな話。
森の奥とかはいかないよう色々な大人に言われてはいたが、そんな恐ろしげな奴らがいたとは知らんかった。
スライムなら友達にいるけども。
「その様子だと本当に知らないのか。てっきり、大先生や師匠が教えてると思ってたんだけど。」
聞いてない、聞いてないよ。そんな話。
「そんなことより訓練だった、とか?」
予想を口にしながら村長を想像して、大抵のことを大雑把に決めている姿が思い浮かぶ。うん、ありそう。
「それは・・・ありえそうだね。」
自分から言っておいてなんだけど兄さんが同意してくれるとは。日頃何やったんだ?あの人。
まあ、途中から兄さんの修行を奥さんに移してほかの子の訓練の時間にしてたからなー。
「そういやー、そん時ぐらいからだっけ。村長の訓練が少し厳しくなったのは。」
厳しくなったと言ってもみんなでやる訓練に少し実践に役立つ訓練が一つ追加されただけだが。
「なるほど、そうだったのか。俺はてっきり村長がもう俺とは戦いたくなくて避けてると思ってたが。」
ん?どういうこと?
「あれ?兄さんって村長とは何回も戦ってるよね?」
「まあね、ただ一回も勝てたことがないから何度も挑戦してるだけだよ。負けず嫌いだから。」
それ自分が対象だったら逃げてそうだなぁ僕。
「それは、しょっちゅうやってる訳じゃ無いよね?」
不安になったので一応聞こう。
「それはそうだろう。ちゃんと戦ってくれるかどうか聞いてからだよ。」
週5回のペースで挑んでるとかじゃなくてよかった。
「そっかー。なら大丈夫かな?」
「ただ、全く受けてもらえないんだよ。うやむやにされる事がほとんどでね。」

・・・兄さんの言葉を聞いて思ったこと。
面倒くさくて逃げたな村長!
しかし、兄さんは文句を言っているのに笑顔のままだ。血だらけだけど。
「あっそうだ。兄さん、体洗ってきたら?」
「?・・ああそっか、こんな傷、山じゃしょっちゅうしてたから気にしてなかったな。じゃあ川に行って来るよ。」
そう言って家から出て行った。・・・元気だなぁ。
「いってらっしゃ~い。」
ぼく手を振りながらそう言った。そんな怪我がしょっちゅうってどんな恐ろしい山だよ。
いやね、僕の行った揺りかご山も魔物がいっぱいいたんだよ?
ただ、狩りではほとんど一撃必殺で暗殺して倒してたんだよね。
気付かれたと思った時は悪寒を感じたから逃げてたし、視線を感じるってあんな感じなのかな?

さて、兄さんが持って帰ってきてしまった女の子の方を見るとまだ寝ているままだった。
やりたい事はないし、しなきゃいけない事もないので何しようか。
・・・・・・・・・・・・・・・まあ、瞑想でもするか。いつもとは違う感じで。
座禅をくんで床にすわり、目を閉じて一旦纏っていた魔力を解いてゆっくり深呼吸して周りに合わせていく。
周りを漂う魔力を感じる。
体調が変化するように、少し変わることはあるが周りの環境が激変しない限り、空気中にある魔力の属性や性質は変わることはなくほぼ一定だ。
一年ぐらい前だったか、試しに僕が周りの魔力を限界まで取り込んで自分の魔力にして周りの魔力を減らして見たが、少し薄まったぐらいでそれも一日二日で元の量に戻っていた。
世界からすれば僕の取り込める量なんて微々たる物なんだなぁと思った。
今やればレンもいるしそこそこいけるのでは?
協力してくれればの話だが。チラッ(嫌です。)・・・ですよねー。
あと、レンは基本不干渉と言うか、こっちから話題を振らない限り喋らないんだよね。
僕の独り言も聞き流してくれているので助かっている。
なのに力を貸して欲しい時は当たり前のように協力してくれる為、今の魔力関連の目標は僕自身の魔力の増強とレンの魔力を少しでもレンのサポート無しで制御することだ。
ただ、まだレンが一秒間に生み出している魔力の半分も制御出来てないわけだが。
取り込んだ魔力は自分の魔力総量の増加に役立たせてもらっている。
ルスにはやるなと言われたやり方だが普通の方法だけだと限界を感じてきた為だ。
伸びてるよ?少しずつでも伸びてるんですよ。たまに止まるけど。
ただ最初やった時よりもやり方改良してたら出来んじゃね?って思っただけです。
さあ、さっさとやるか!こういうのは勢いが大事だ。
丸い球体の器を想像して、その器の中にある魔力で、器自体を内側から全体を均一に少しずつ押し広げるイメージで魔力を動かす。
器に圧がかかり始めると、体全体に痛みが走り始めた。
まだ、最初は魔力による圧を弱くするように調整したので、全身に軽い内出血をした時のようなまだ子供でも我慢が効く程度の痛みが襲って来た。
そしてそこから広げる前に空間魔法で音遮断と体をある程度固定する。
そして、回復魔法を発動前の状態で器を薄く包むように展開する。
徐々に押し広げる力を強めると器にひびが入り、それに続くように体に激痛と傷が出来て血が流れ出て来る。
そこから回復魔法を発動させて治療しながら続けていく。
ここからは精神力の勝負、痛みで気が散ってしまえば全て解除、とはいかず。
そこまで来たらひび割れた器が壊れてしまうか、ひび割れたまま魔法を使うのに痛みが伴うようになると思われる。
だから誰かの監修の元、やるのがベスト。幸いにも、僕はレンに見てもらっている。
実はこれが初めての試みだけど、集中を切らさないように意識する。
昔やった時は運が良かったんだと思う。
今まで痛みなしで問題なく魔法は使えていたしな。
意味があるか?効果が出るかは分からない。
それから、何分か過ぎたので中断する。
ある程度順番に解除してから一旦落ち着く。
身体に残る少しの痛みを確かめて、終わってみると変なことしてるなと一人で言った。

「しっかし、兄さん遅いな。」
小川は多少離れているがそれでも精々五分ものんびり歩けばつくはずなので帰ってきてもおかしくないのだが、周囲に兄の気配は感じられない。
何でかな?と思いつつ、女の子はまだ起きてないのか確認する。
しかしまだ眠りっぱなしでつまんないなぁと思っていたら扉が開いて兄さんが帰って来た。
普通に油断していたのでビクッとしてしまった。扉開くまで分からんかった。
「ただいまー、ってどうした?」
「いやっ!?何でもないよ。ただちょっと気が抜けてただけだから。」
少し顔が引きつっている気がして、やましいこと何もしてないけど怪しまれそうだと考えて終わった。
「うう、うぅぅん。」
あっ、起きたかな? 
「目が覚めたかい?俺のこと分かるか?」
兄さんが女の子に話しかけた。
女の子は身体を起こして、周囲を見回した。
そして兄さんをスルー、はせずに「おはよう」と言った。
「兄さん、ずいぶんとのんびりした人だね?」
危機感が全くないように感じられて、大丈夫かと思ってしまう。
「・・・そうだな。」
「全く、少し騒がしいから来てみれば、帰ったのかソル。」
突然声がしたと思ったら父さんを起こしてしまったようだ。
「うん、ただいま父さん。」
「ああ、お帰り。」
そしてその会話が終わると父さんは、女の子の方に顔を向けてこう言った。
「この子の家は分かるか?」
すると兄さんはすぐに
「分からない。」
と答えた。うん、僕も知らないな。
「はぁ、家族会議だな。仕事の後に。」
父さんがそう言った後、夜は明けて行った。
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