スライムは仲間を呼んだ!~デバフで支援してたのに追放された俺はスライム狩りでレベル爆増!魔王を倒したら惚れられ、気付けばハーレム状態に!

藤村

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第一章 魔王 サタナ・エイリーン編

第2話 追放

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「? 何がおかしい?」
「いえ、すみません。ですが、それじゃあダメなんですよ」

 ああ、それじゃあダメだな、とグランまで。

「それじゃあダメ? どういうことだ?」
「くっ、くく、クククク、クハハハハハハッ!!! まーぁだ気付かねえのかよ、この能無しが!!」

 ヴェンによる唐突な暴言に俺の思考が固まった。

「……は?」
「ああ、なんという哀れな。まさかご自分の役目にすら気付けぬとは」
「レベルの低さと知能指数の低さは比例するんじゃねえのか? つまりはそういうこったよ」

 ソラとグランが肩を揺らしながら笑った。
 俺は、まるで状況が呑み込めずにいた。

「ははっ、なにが起きてんのか理解できてねーみたいだな。仕方がない。Aランクパーティの……いや、次期Sランクパーティのリーダーであるこの俺様、ヴェン・ルーゼン様が直々に説明してやるよ」

 そして、ヴェンは言った。
 お前はもうお役御免なのだと。

「お前みたいな低レベルの雑魚を俺たちがスカウトするわけねェだろーが、このボケがッ!!」
「そ、そんな……。で、でも実際は……仲間に入れてくれたじゃないか!」
「ああそうだ、そうだとも! だが、それも全てはこの瞬間の為だったんだよ!! お前のスキルを聞いた時、天才たるこの俺、ヴェン様は即座に今回の計画を思い付いた。つまりは、カラドボルグをお手軽に入手する作戦をな」

 ヴェンはニタリと笑い言葉を続ける。

「だが、お前のスキル、その効力の強さが分からなかった。だから!!! 俺たちはお前をパーティに加入させ、最初は低難度のダンジョンから攻略していった。そして少しずつダンジョンのレベルを上げていく内に気付いた。お前自身はゴミカスだが、そのスキルだけは一級品なのだとな!!」

 ヴェンが語る間。
 その後方ではソラとグランまでもが歪な笑みを浮かべていた。
 
 対照的に絶望の表情を浮かべる俺。
 そんな俺の姿が楽しくて仕方がないのだろうか?

「お前みたいな低レベルをパーティに入れてると他の奴らからナメられるんだよ。事実、バカにされたことだって一度や二度じゃない。その度に貴様を殺してやろうと思った。俺だけじゃねえぜ? ソラやグランだって、エリートな経歴に傷がついたんだ」

 だがしかし!!
 と、ヴェンはさらに饒舌になった。

「それでもなお、俺は! 俺たちだけは!! お前に利用価値があることを見抜いていた。審美眼って奴だな。他の有象無象どもと俺たちとでは、そもそも存在しているレベルが違うってことだ。……まあいい。なにはともあれ、だ。これにて作戦は終了。カラドボルグを手に入れた以上、路傍の石以下の貴様に存在価値など皆無!!」

 ヴェンはカラドボルグを手に、ゆっくりと俺に近づいてくる。
 その瞳には確固たる殺意が宿っていた。

「追放してやるよ。【神の後光ライトリングス】から。――いや、この世界からッ!!」

 飛び掛かって来るヴェン。
 レベルの差を考えれば俺は瞬殺。

 脳内で、
 ヴェンにスカウトされてからの二年が、
 スロー再生される。

(ああ、これが走馬燈か)

 覚悟を決め、目を閉じる。
 その瞬間、ヴェンを制止する声がフロア一帯に響き渡った。

「お待ちください、ヴェン様!!」

 声の主はソラだった。

「ヴェン様の手で彼を殺してしまうのは極めて危険です。もしも冒険者ギルドに所属する人間にバレてしまった場合、大規模な裁判が開かれますわ」
「……だが、この邪魔者はここで処分しておきたい」

 その言葉を受け、グランは「だと思ったぜ」と笑う。
 そして、ソラに目配せする。

「ヴェン様、このアイテムを彼に」
「これは?」
「それはスキルを無効化する効果を凝縮したアイテムです。アンチスキル剤とでも呼びましょうか。皮肉なことですが、彼のお陰で入手したアイテムを私が調合したのです」
「なぁ~るほど。これでこいつのスキルを封じれば、こいつはSSSランクのモンスターに襲われたということにできるわけか。SSSランクのモンスター相手とあらば、逃げるのが精一杯だったという俺たちの言い分も通りやすくなる」
「そういうことだ。さすがはヴェン、理解が早いぜ」
「ええ。それに、帰りはこの脱出石がありますから」

 俺と目を合わせた後。
 ソラは、歪に微笑んだ。

「まあ、これも彼のお陰で手に入ったアイテムなんですけどね」
「くく、くっくくく、はーっはっはっはっはっは!! こいつぁ最高だぜ! 傑作! 滑稽!! 無様だなぁ、レイン・ロッドォ!! お前はこの二年間、ずーーーっと自らの首を絞め続けていたというわけだ!!」
「……早くやれよ。もう俺は仲間じゃないんだろう?」
「フン、潔い奴だな。まあいい」

 俺はアンチスキル剤を無理やりに飲まされた。
 口一杯に苦みが広がり最悪の気分だ。

「よし、あとは脱出石でダンジョンを抜ければ全部解決だな! ……あばよ、レイン・ロッド。自分は所詮エリートにとっての道具でしかなかったのだと、それを自覚しながら死んでいくといいさ」

 ヴェン、ソラ、グラン。
 満足げな表情で消える彼らを見届けた後、俺は「ふう」と溜息を吐いた。

「はー、アイツらが馬鹿で助かったー」

 ここはダンジョンの最深部。
 つまり、スキルを使うまでもなくモンスターは出現しない。

 ならば俺がやるべきことは一つだけ。
 アンチスキル剤の効力が切れるまでじっとしていること。
 ただそれだけだ。
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