外れスキルと馬鹿にされた【経験値固定】は実はチートスキルだった件

霜月雹花

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第二章

第97話 【勉強合宿・3】

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「はぁ~、やっぱり運動の後の風呂が一番気持ちいね……」

「商会の風呂がこんなに広いなんて、本当にルクリア商会は何処も凄いな……」

 午後の訓練を終えた後、夕食の前に俺達は風呂に入る事にした。
 この時間帯はまだ人も少なく、皆で一緒に入る事にした。

「レイン。意外と筋肉付いてるんだね。その筋肉があれば国の兵士になっても活躍出来そうだよ」

「ほ、本当? デイル君にそこまで言われるなんて、なんだか嬉しいよ。でも、やっぱり服の上から分かってたけどデイル君も凄い筋肉だね」

 剣士組であるデイルとレインは、訓練を経て緊張が解けて仲良く話をしている。
 流石にレオルドに対してはまだ距離感はあるが、合宿期間に仲良くなれそうではある。

「それにしてもアルフの剣術だけど、本当にルクリア商会に来てから習い始めたの? 何年も前から習っていたって、言われた方が信じられるんだけど……」

「俺の家が純粋な魔法使い貴族なのは、デイルも知ってるでしょ?」

「それはそうだけど、レインもアルフの剣術は凄いと思うでしょ?」

「うん。これが才能の差なんだなって感じるよ」

 デイルとレインがそう言うと、レオルドもウンウンと頷いていた。

「剣と魔法両方レベルが高くて、アルフは凄いよね」

「両方使えるって話なら、レオルドだって魔法と剣が使えるんだから一緒でしょ?」

 レオルドも俺と同じように、剣と魔法の二つの才能がある。
 そんなレオルドに両方使えて凄いと言われた俺は、そんな風に聞き返した。

「僕の場合は剣は使える程度だからね。訓練して使えるようになっておきたいけど、どうしても魔法の方がまだ得意だからそっちに行っちゃう。アルフはどうやって、剣と魔法の二つを訓練してるの?」

「俺の場合は午前中は、剣の訓練をして午後から魔法の訓練って分けてるかな? 学園に行く前にずっとしていたんだ。今は学園があるから剣術の訓練する時間は減ってるけど、休みの日に同じような感じで訓練をしてるよ」

「やっぱり時間が大事だよね。今は少し時間があるから、こうして合宿に来てるけど普段は色々と習い事があるから大変なんだよね……」

 王子様であるレオルドは、王族として身につける事が多く幼少期から様々な事を習わされてる。
 その習い事に対して、俺やデイルはよく愚痴を聞いていた。

「そう言えば、アルフって昔からレオルド王子達と面識があるんならさ、他の学園に通ってる貴族の人達とも面識があるの?」

「まあ、ある人も居るけど基本的に向こうは覚えてないと思うな」

「アルフの家は基本的にパーティーにもほぼ出席してなくて、外の貴族との交流がほぼ無かったからね。大人の人達は知ってるだろうけど、同年代でアルフやクラリスの事を知ってる人はほぼ居ないと僕も思うよ」

「王子様がそう言うって事は、余程アルフ君の家ってパーティーに参加してなかったんだ……」

 レオルドの言葉を聞いたレインは、そう納得した様子でそう言った。

「まあ、身内だけで集まる人達だったからな……今思えばあまり外と交流をしたら、悪事がバレるから積極的に行って無かったんだろうな」

「確かにその可能性はあっただろうね。逆に限られた者達とだけしか交流をしてなかったせいで、ノルゼニア家の悪事はアルフの問題が起きるまで見破る事は出来なかったからね」

 国で汚い事をしてる者達をあぶり出せたという意味では、謹慎生活をして良かったと少しは思える。
 その後、風呂から上がった俺達は食堂へと行き、少し遅れて食堂に来たアリス達と一緒に夕食を食べた。

「それじゃ、また明日。おやすみ」

 そうして俺達は別れてそれぞれの部屋に入りに行くが、クラリスは今日も俺の部屋に来て勉強をするみたいだ。

「朝、あんなに勉強してたのに夜もするのか?」

「うん。なんだかもう習慣付いてて、今更止められないんだよね。だから今日もお願いできる?」

「俺は別に構わないよ。でも明日も早いから、少し早めに終わらそうか」

 その後、クラリスと30分程受付の勉強に付き合い、クラリスを部屋の外に見送った俺は寝室へと移動してベッドに横になり、眠りに付いた。
 翌日、昨日同様に勉強室で皆を待っていると、今日は一番最初にアリスが部屋にやって来た。

「おはよう。アリス、よく眠れた?」

「おはよう。アルフ君……うん。眠れたよ~」

「なんだかまだ眠たそうだね。もしかして、寝るのが遅かった?」

「そんな事は無いんだけど……やっぱり、勉強して訓練してるから疲れが取れきれなかったのかも……」

 まあ、学園とは違いアリスは勉強中もリサと喋ったりしていたから、そういう所で学園よりも疲労が溜まっていたのかも知れないな。

「無理はしなくていいからね? きつかったら、直ぐに休んでいいから」

「うん。心配してくれて、ありがとう」

 アリスはそう言うと、他の面々も集まって来たので勉強会を始めた。
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