特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第6話 【固有能力の力・2】✤

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「【プレイヤー】の能力もそうだけど、【天賦の才】の能力が強すぎるな……」


名 前:クリス
年 齢:10
性 別:男
特 性:プレイヤー

レベル:1
筋 力:100
体 力:100
魔 力:100
敏 捷:100
・固有能力
【天賦の才】
・スキル
【剣術:2】【調理:1】
・加護
豊穣神の加護


 一日に二つ、それも一つに関してはスキルレベルも上がる程に成長速度が早い。
 普通の人であれば、スキルの習得には時間が掛かる。
 それなのに俺は、一日で二つのスキルを習得するなんて……。

「これは、明日からの訓練も楽しめそうだな」

 そうして俺は眠りにつき、次の日も朝早くに起きて冒険者ギルドへとやって来た。
 午前中は訓練場で訓練をしようと思っていたが、鑑定品が多く来ているらしく鑑定の仕事を頼まれた。

「いや~、助かったよ。クリス君、急に冒険者が沢山鑑定品を持ってきて一日が潰れるなって不安になってた所に現れて、本当に救世主のようだったよ」

「丁度いいタイミングで来れたみたいで良かったです」

 仕事が終わり、昼食を食堂でロンさんと食べていると、見知った顔ぶれが冒険者ギルドにやって来た。
 その集団は、俺と同じ孤児院出身の奴等だったが、俺よりも約一年前に儀式を受けた奴等。
 年上と言う事もあり、孤児院では威張って生活をしていて、当然の様に下の子達を虐めていた奴もその中には居る。

「うわ~、いやな奴等が来たな……」

「そっか、クリス君は孤児院出身だったね。絡まれる前に違う所に行く?」

「そうですね。絶対に面倒な事になるので」

 俺が転生した日、栄養失調やら怪我を負っていたのはこいつらのせい。
 なので俺だと見つかると、絶対に面倒事になるだろう。
 そう予測した俺は、まだ食べてる途中だったが別室に移動した。

「ロンさん、すみません。俺の事情に付き合って貰って……」

「大丈夫だよ。同僚であり、後輩の頼みだからね。それにクリス君の事は、妹からも助けるように頼まれてたから」

「妹さんですか? えっと、俺ってその人と面識ありますか?」

「あれ? 伝えて無かったかな、受付をしてるリンは僕の妹だよ」

 ロンさんの言葉に、俺は脳内でリンさんの容姿とロンさんを比較した。
 すると、確かに似てる部分はあって言われて俺は気が付いた。

「そうだったんですね。言われてみれば、確かに少し似てますね」

「結構、初見でも気付かれる位には似てるからね。一度、マスターを驚かそうと思って僕が女装した事があるんだけど、かなりそっくりで驚いてたんだよ」

「多分、それは俺も気付かないかも知れませんね」

 その後、訓練場に行けばあいつらと会うかも知れないと思って、今日はギルドの本を借りて勉強をする事にした。
 そして陽が沈む前に、街の外に出て薬草採取をしてお金に変え、商業区で必要な物を購入して帰宅した。

「さてと、明日にはアリシアさんも帰ってくるから、まずは残ってる部屋の掃除からだな」

 普段使ってるスペース以外の所も掃除をして、普段使ってる部屋やリビングも念入りに掃除をした。
 またここは元々は別の人が建てた家で、アリシアさんはそこを購入して暮らしていた。
 なのでよく見てみると、所々傷があったりしたので素人ながら修繕してみようと、買って来た材料で工夫しながら作業を続けた。
 その結果、良い感じに仕上がりアリシアさんを気持ちよく出迎える準備が出来た。

「後は、料理だな。今日は、ギルドで料理についても勉強出来たからやってみるか」

 ギルドにある本は沢山の種類があり、その中には今回家の修繕に役立った大工の本もあった。
 そして今の俺にとって、一番の教材である料理についても書かれてる本があり、俺はその本を読みこんで来た。
 そのおかげか知識もついた事で、普段よりも更に美味しく料理の味が整っていた。
 これだったらアリシアさんにも出せるレベルだなと確信した俺は、その日は色々と作業をして疲れが溜まっていたのだ。
 シャワーを浴び、自室で横になると直ぐに眠りについた。

「わ~、凄く綺麗になってる」

「使わせてもらってる分、気合入れて掃除しておきました!」

 翌日、普段だったら冒険者ギルドに向かってる時間帯まで家にいた俺は、帰宅したアリシアさんを出迎えた。
 様変わりした家の中を見て、アリシアさん驚いた表情をした後、凄く嬉しそうに家の中を見て回った。

「一応、女性の部屋と言う事でアリシアさんの私室だけは入らない様にしていたのでそのままになってます。もし、あれでしたら暇な日に一緒に掃除でもしませんか?」

「そうね。ここまで家の中が綺麗だと、自分の部屋だけ汚いのもちょっと嫌だからその時は手伝って欲しいわ」

「勿論です!」

 そうして掃除のおかげで綺麗になった家の案内を終えた俺は、早速アリシアさんに料理を振舞う為、台所へと行き調理を始めた。
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