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第一章
第36話 【王女・4】
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数日後、俺はアリシアさん達と買いに行った服に着替えて馬車に乗って王城へと向かっている。
王女様とは初めて会う為、どんなプレゼントを用意すれば悩みに悩んだ。
その結果、俺は王女様専用のせっけんを特別に作る事にした。
プレゼントの為、素材費完全に利益度外視が出来るので最高の品を目指し、何とか完成させる事が出来た。
「クリス君のあのプレゼント。王女様は勿論喜ぶだろうけど、それ以上に王妃様が羨ましいと思うでしょうね」
「その時は王族限定品として、新たな商品として登録して対応します。王族なので、多少高くても買ってくれそうですし」
「そうね。正直、私達も自分達のお金に余裕があるならプレゼント用のせっけんに変えたいけど、流石にあれを日常的に使うのは私達でも難しいわね」
もし売るとしたら、一本で平民の一ヵ月の生活費位は掛かるだろう。
それだけ、かなり良い素材を使って作り出した。
勿論、何処かから漏れたりしたら大変なので、念の為に登録は既にしている。
勿論、評価は〝金〟で前回の時よりも眩しくて、その光に数分は目がおかしくなった程だ。
「ほ、本当に俺がここに居ても良いんですかね……」
「大丈夫よ。ちゃんと入口で招待状見せて入って来てるんだから、それに身分で言うならクリス君の他にも平民の方はこの場にも居るわよ」
ノアさんはそう言って、少し先で喋っている人が俺と同じく商人でこの場に呼ばれてる人だと教えてくれた。
その後、俺は知ってる人であるラントリス家の近くへと行き、そこで主役が来るまで待つ事にした。
そうして暫く経つと、パーティーの主役である第一王女のセレスティア・フォン・ヴェニウス様が会場へと王家と共に現れた。
この国の王家は三人の子供が居て、王子様が二人と王女様が一人。
貴族は側室を持つ事も可能なのだが、王様は王妃様だけを愛してる為、側室を持たない事にしたらしい。
「セレスティア様、誕生日おめでとうございます」
プレゼントを渡す列に並んでいた俺は、ラントリス家の後に続いて王女様にプレゼントを渡した。
変な物が入ってないか、その場で確認される為、王女様はプレゼントの中身を見て少し驚いた表情をした。
「もしかして、これは新しいせっけんですか?」
「はい。セレスティア様の誕生日を記念して、特別に作りました。効果は市販の物よりも良いので、気に入って頂けると思います」
その言葉に王女様、そして王女様の近くにいた王妃様は〝特別に作った〟と聞いて目が釘付けとなっていた。
しかし、流石は王族なだけあって直ぐに表情を戻し、俺は何もなくプレゼントを渡す事が出来た。
「クリス君、王女様凄く喜んでいたわね」
「はい。後は、実際に使ってみて感想とか聞きたいですけど、流石にプレゼントの感想は聞けないですもんね」
使ってみた感想は聞いてみたいが、流石にプレゼントの物だから感想は聞けないだろう。
そう考えながら、俺は残りのパーティーを楽しむ事にした。
しかし、流石に10歳の身体でパーティーに長く滞在すると疲れも出てきてしまうので、バルコニーに避難して夜景を眺めていた。
そんな俺の元に、人が近づいてきてるなと感じて顔を向けた。
「クリス様、先程は素晴らしいプレゼントを下さりありがとうございます」
「お、王女様!?」
近づいて来たのは、本日の主役の王女様だった。
「ふふっ、そんなに驚くなんてあんなに素晴らしいせっけんを作ったのに子供らしい所もあるんですね」
「ま、まだ10歳ですから子供ではありますので……」
「えっ、そうなんですか? てっきり、あんな素晴らしい物を作った方なのでもっと年上かと思ってましたが、私と同い年なんですか?」
王女様は俺の年齢が自分と一緒だと知ると、驚いた顔をしながらそう聞いて来た。
「はい。身体が大きいので10歳だと思わない人も多いですね」
「すみません。私も見た目で判断してしまいました」
その後、話題はせっけんの事になり、どうして俺がせっけんを作り出したのか聞かれた。
「最初は自分の為に作ろうとしたんです。元々あったせっけんを使おうにも、値段が高くて手が出せずだったら自分で用意しようかなと」
「そうなんですね。それが今では、国中で人気の品になるなんて凄いですね」
「正直、運が良かったんです。知り合った方が偶々、貴族の伝手がある人で商業ギルドでも人を紹介して貰えて、本当に周りに恵まれました」
「それはクリス様の人柄だと思いますよ。こうして少し話しただけですが、クリス様は周りに人を集める人だなと少し感じましたから」
そんな風に言われ、俺はそんなオーラが出てるのかな? と首を傾げた。
それから少しだけ王女様と喋り、特別なせっけんを使用した後に感想を聞かせて貰える事になった。
その後、パーティーがお開きとなるまで楽しんだ俺は、流石に夜遅くまで居たので帰宅して寝る準備をしたら直ぐに眠りについた。
王女様とは初めて会う為、どんなプレゼントを用意すれば悩みに悩んだ。
その結果、俺は王女様専用のせっけんを特別に作る事にした。
プレゼントの為、素材費完全に利益度外視が出来るので最高の品を目指し、何とか完成させる事が出来た。
「クリス君のあのプレゼント。王女様は勿論喜ぶだろうけど、それ以上に王妃様が羨ましいと思うでしょうね」
「その時は王族限定品として、新たな商品として登録して対応します。王族なので、多少高くても買ってくれそうですし」
「そうね。正直、私達も自分達のお金に余裕があるならプレゼント用のせっけんに変えたいけど、流石にあれを日常的に使うのは私達でも難しいわね」
もし売るとしたら、一本で平民の一ヵ月の生活費位は掛かるだろう。
それだけ、かなり良い素材を使って作り出した。
勿論、何処かから漏れたりしたら大変なので、念の為に登録は既にしている。
勿論、評価は〝金〟で前回の時よりも眩しくて、その光に数分は目がおかしくなった程だ。
「ほ、本当に俺がここに居ても良いんですかね……」
「大丈夫よ。ちゃんと入口で招待状見せて入って来てるんだから、それに身分で言うならクリス君の他にも平民の方はこの場にも居るわよ」
ノアさんはそう言って、少し先で喋っている人が俺と同じく商人でこの場に呼ばれてる人だと教えてくれた。
その後、俺は知ってる人であるラントリス家の近くへと行き、そこで主役が来るまで待つ事にした。
そうして暫く経つと、パーティーの主役である第一王女のセレスティア・フォン・ヴェニウス様が会場へと王家と共に現れた。
この国の王家は三人の子供が居て、王子様が二人と王女様が一人。
貴族は側室を持つ事も可能なのだが、王様は王妃様だけを愛してる為、側室を持たない事にしたらしい。
「セレスティア様、誕生日おめでとうございます」
プレゼントを渡す列に並んでいた俺は、ラントリス家の後に続いて王女様にプレゼントを渡した。
変な物が入ってないか、その場で確認される為、王女様はプレゼントの中身を見て少し驚いた表情をした。
「もしかして、これは新しいせっけんですか?」
「はい。セレスティア様の誕生日を記念して、特別に作りました。効果は市販の物よりも良いので、気に入って頂けると思います」
その言葉に王女様、そして王女様の近くにいた王妃様は〝特別に作った〟と聞いて目が釘付けとなっていた。
しかし、流石は王族なだけあって直ぐに表情を戻し、俺は何もなくプレゼントを渡す事が出来た。
「クリス君、王女様凄く喜んでいたわね」
「はい。後は、実際に使ってみて感想とか聞きたいですけど、流石にプレゼントの感想は聞けないですもんね」
使ってみた感想は聞いてみたいが、流石にプレゼントの物だから感想は聞けないだろう。
そう考えながら、俺は残りのパーティーを楽しむ事にした。
しかし、流石に10歳の身体でパーティーに長く滞在すると疲れも出てきてしまうので、バルコニーに避難して夜景を眺めていた。
そんな俺の元に、人が近づいてきてるなと感じて顔を向けた。
「クリス様、先程は素晴らしいプレゼントを下さりありがとうございます」
「お、王女様!?」
近づいて来たのは、本日の主役の王女様だった。
「ふふっ、そんなに驚くなんてあんなに素晴らしいせっけんを作ったのに子供らしい所もあるんですね」
「ま、まだ10歳ですから子供ではありますので……」
「えっ、そうなんですか? てっきり、あんな素晴らしい物を作った方なのでもっと年上かと思ってましたが、私と同い年なんですか?」
王女様は俺の年齢が自分と一緒だと知ると、驚いた顔をしながらそう聞いて来た。
「はい。身体が大きいので10歳だと思わない人も多いですね」
「すみません。私も見た目で判断してしまいました」
その後、話題はせっけんの事になり、どうして俺がせっけんを作り出したのか聞かれた。
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「そうなんですね。それが今では、国中で人気の品になるなんて凄いですね」
「正直、運が良かったんです。知り合った方が偶々、貴族の伝手がある人で商業ギルドでも人を紹介して貰えて、本当に周りに恵まれました」
「それはクリス様の人柄だと思いますよ。こうして少し話しただけですが、クリス様は周りに人を集める人だなと少し感じましたから」
そんな風に言われ、俺はそんなオーラが出てるのかな? と首を傾げた。
それから少しだけ王女様と喋り、特別なせっけんを使用した後に感想を聞かせて貰える事になった。
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