特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第45話 【支援活動・1】

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 正式に依頼として、請け負った翌日。
 俺はと言うと、昨日と同じように朝早くから作業に取り掛かっていた。

「クリス君、昨日よりも作業の速度が上がってない?」

「スキルレベルが上がったおかげで、効率が上がったんです。ケインさん、資材置き場が足りなくなる前に用意してもらう事って頼めますか?」

「了解。直ぐに用意するよ」

 昨日からずっと【念動力】を使い続けている俺は、既にスキルレベルが5に上がっている。
 集中的に使っていると言うのもあるが、【念動力】はかなり使い勝手がよく手に馴染む感じがする。

「あれだな、ゲームしてるみたいな感覚なんだろうな」

 一人称で物を掴んで移動させるという動作が、ゲームの様に感じてるからそれで上手く扱えているんだと俺は感じた。
 そのおかげで【算術】を習得した時みたいに、他のスキルとは違ってスキルレベルが上がるのがかなり早い。
 多分、このままいけば明日にはスキルレベルが最大になってるかも知れない。

「これ二つ同時に魔法って使えないかな? 例えば、物を動かしつつ地面を整地出来れば更に効率が上がるんだけど……」

 そんな事を考え、試そうとして見た。
 次の瞬間、俺の魔力が一気に無くなる感じがし、持っていた物が散らばり地面も少し抉れた状態となった。

「これは、この場では試せないな……また王都に戻ってから、少しずつ試してみよう」

 その後、俺は一先ず地面は後に回して片付けを優先して作業を進めた。
 ちなみに食事に関して、俺は初日からずっと炊き出しを作って街の人達に料理を振舞ってる。
 その際、料理好きの兵士さん達が手伝ってくれて街の人達は暖かいご飯が食べられて幸せそうな顔をしていた。

「ケインさん達も料理の腕が上がりましたね。近くで見ててそう感じましたよ」

 その日の夕方、炊き出しを終えて片付けをしていた俺はそう料理好きの兵士さん達にそう言った。

「そ、そうか? まあ、でもクリス君の料理に比べたらまだまだだけどね。味付けも真似てるけど、やっぱりスキルレベルの差もあって美味しさが違うな」

「そこはまあ、スキルのレベル上げを頑張るしかないですね。でも、既に街で屋台を開いたら十分売れるレベルだとは思いますよ?」

 最初の頃も既に料理の知識があったケインさん達は、俺の近くで技を見て覚えて料理の腕がレベルアップしている。
 そして今日の味付けも確認してみたが、かなり美味しい作りをしていて屋台で出せば売れるレベルだと感じた。

「クリス君にそこまで言って貰えて嬉しいけど、俺達はまだこれでは納得出来ないんだよな……クリス君を超えたいなんて夢のまた夢だけど、少しでも近づきたいからね」

「十分だと思いますけど、そこまで熱心でしたら俺がここにいる間はもう少し教えますね」

「本当に!? それは嬉しいな!」

 ケインさんがそう言うと、他の料理好きの兵士さん達も嬉しいそうに反応した。
 それから俺は寝泊りしている領主の館へと戻って来て、汗と汚れを流してベッドに横になって眠りについた。
 それから二日間、被害のあった地区の片付けを行い何とか綺麗に片付ける事が出来た。

「ここからは整備して、建物をたてたりするんですよね?」

「そうなるな、整備は片付けをしながら少しずつしていたから住む場所まずは用意して、少しでも街の人達の暮らしをよくしてやろうと考えてる」

「それはいいですね。でしたら、王都の様にシャワー室も用意出来ますか? 俺の【異空間ボックス】に余ったせっけんが残ってるので、それを使えるようにしてあげたいんですよね。本当は今でも渡せますけど、シャワーを真面に使える所が少なくて渡すのをやめてたんですよね」

「それは街の人も嬉しいと思うだろうな、ただシャワーとなるとかなり大掛かりになるな……」

 アイザックさんは少し悩んだ様子で暫く考え込むと、取り合えず住居をたてて考えようという事になった。
 それから大工さん達とアイザックさんの話し合いが始まったので、俺はその場を離れて整備してる人達に加わり作業を手伝う事にした。
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