特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第67話 【従魔・3】

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 翌日、今日は冒険者活動と店の活動は休みにして、前々からしようと思っていた家の改築を行う事にした。
 ハクが家にやってきて数日が経ち、アリシアさん達もハクの事を気に入ってくれている。
 その為、俺はハクがもう少し暮らしやすいように扉の行き来をしやすくしたりと改築をしたいとアリシアさんに伝えた。
 すると、アリシアさんはハクのためならいいと言ってくれて、今日で全部の作業を終わらそうと思って他の事は休む事にした。

「まずは外の犬小屋からだな、仮で作った割には頑丈だけど雨が降ったら中に水が入ったりして、底が腐る可能性もあるし、それにトイレの場所もちゃんと作ってやった方がハクのためにもなるだろう」

 いつかは出て行く可能性が高い為、大規模な改築は出来ないので床は重りで固定する事にした。
 次にトイレだが、今は野ざらしな状態となっている。
 柵があって、見えにくいようにはなっているがそれでもみようと思ったら見れてしまう。

「ハク。トイレだけど、このままだと他の人に迷惑になるし、天井と壁を作るけど大丈夫か?」

「きゃう!」

 ハクに確認を取り、トイレは簡単に板で囲んでハク専用のトイレ場所が完成した。
 それから、俺は勝手口の寸法を測って新たにハクが外と中を出入りできる場所を作った扉を作った。
 出て行く時、元に戻せるように最初にあったのは俺の【異空間ボックス】に大事に保管しておく。

「後は、俺の部屋にも扉は付けておいた方がいいか? 玄関に関しては、ハクは一人で外に出ないしつけなくても大丈夫かな」

 そうして俺は自室の扉も、勝手口同様に最初にあったのは【異空間ボックス】に入れて新しく出入り口を付けた扉を新しく作った。

「後は細々としたものだな、ベッドに一緒に寝てるけどそろそろ一人で寝れるようにハク専用のベッドも作っておくか」

「きゃうきゃう!」

「何、いらないって? それは駄目だ。ハクは今は子供だから良いけど、ウルフの成長速度は早いみたいだから今のうちに一人で寝れるようになっておくんだ」

「きゅ~ん……」

 一人で寝るのは嫌だと言いたそうなハクに対し、俺はそう厳しく言うとハクはシュンッと尻尾を下げて悲し気に泣いた。
 そんなハクを無視して、新しくハク専用のベッドを作り俺のベッドからある方とは別の角に設置した。

「きゃうきゃう!」

「最初はもっと近くが良いって? ……ったく、仕方ないな。だけど、直ぐに離すからな?」

「きゃう~ん!」

 別々のベッドに寝る事はもういいみたいで、ハクはベッドを近づけるように要求して来た。
 俺はその要求も拒否しようと思ったが、少しだけ可哀想だなと感じて最初はベッドを隣同士で置く事にした。

「これじゃ、ただベッドを分けただけだな……」

「きゃう!」

「……まあ、いいか。今後少しずつ離れさせて、慣れさせていくか」

 そうして一通りの改築を終えた俺は、まだ時間があるのでハク専用の風呂桶も新しく作る事にした。
 ここまでの改築よりも簡単で直ぐに出来て、ハクに新しい風呂桶が完成した見せると桶の周りも何周も回って喜んでいた。

「そこまで喜ぶって、ハクは本当に風呂が好きだな。まあ、自分で身体を洗わず俺に洗わせてるから入ってるだけで身体が綺麗になるもんな」

「きゃう~ん!」

 その後、全てのやりたい事を終えた俺は、まだ時間的にお昼が少し過ぎた頃だったので久しぶりに王都の街中を探索する事にした。

「あれ、オーナー? 今日はお休みなんじゃ」

「予定していた事は早くに終わったので、街を散歩しているんです。お店の方は、大分落ち着いた感じですね」

「そうですね。朝はまだ人が多いですけど、お昼過ぎはお客さんの波を緩くなってますね。所で、その連れてるウルフの子供はオーナーの従魔の子ですか?」

「そうですよ。名前はハクと言います。もしよかったら、撫でてみますか?」

 様子見がてら店に行くと、店頭で品出しをしていたリオルドさんはハクを見てソワソワしていた。
 なので俺がそう聞くと、リオルドさんは目を輝かせて「是非、お願いします!」と言ってハクの事を満足するまで撫でていた。
 それから他の従業員も奥からやってきて、ハクの事を撫でたりおやつ用に常備してるのを与えたりして楽しんでいた。

「ハク。今日は私達が帰ってくる前にお風呂とご飯をすませて寝ちゃってるけど、何かあったの?」

「暇な時間があり、店の方に一緒に顔を出しに行ったんです。そこで店のメンバー達と遊んだりして疲れたのか、家に帰って来てから既にうとうとしていて、アリシアさん達は待てないだろうと思って先に済ませて部屋で寝させたんです」

 夕食の席で、いつもは一緒に帰りを待ってるハクが居ない事にアリシアさん達に聞かれた俺は今日の事を伝えた。
 それを聞いたアリシアさんとノアさんは笑い、ハクが起きない様に今日は静かに夕食を食べ、早めに就寝する事になった。
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