特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第73話 【家・1】

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 アリシアさん達との話し合いから数日後、俺は家を買った。
 というのも、以前から俺に家を買わせようとしていたエドガーさんからいい場所を確保していた。
 実際に見に行ってみると、アリシアさんの家からも近くそれでいて店や元ノアさんの作業場も徒歩数分の距離間にある。
 元というのは、今回の物件購入にするにあたって正式にノアさんから作業場と隣の元食堂を売ってもらった。

「まあ、元食堂に関してはまだノータッチだけどな。食堂を再開して俺が忙しくなって動けなくなる未来が見えて来るし」

 金に余裕がありすぎての衝動買い。
 ちなみに衝動買いとして、更に店と隣接してる土地も近々売られる事になるらしく、丁度良いから購入して店を拡張する事にした。

「デイルさん、それに皆さんも長旅お疲れ様です」

「気にするな。クリスからの頼みだからな、それに向こうの工事も終わって暇してたし、丁度良かった」

 購入した物件は、中古物件にしては綺麗な方だったがどうせなら金を使おうと考えて建て直す事にした。
 その際、工事は自分でするか誰かに頼もうか悩み、ここは以前お世話になったデイルさん達に頼もうと連絡をした。

「それにしても、王都のこんな良い場所にこれだけ広い土地……クリス君はかなり儲けているみたいね」

「まあ、王家御用達の店ですし、他国でもかなり人気ですからね。頑張って類似品を作ろうにも、未だ俺以外にスライム液をせっけんにする方法は出来てないみたいですからね」

 せっけんを売り出して数ヵ月、何としてでも自分達でも作ろうと商人たちがせっけんを購入して分析をしようと頑張っていた。
 俺は別に素材も隠す事無く、商業ギルドで購入しているので素材が何かまで知られているが、調合自体が難しい。
 その為、多くの調合を得意とする者が来たが、今は弟子エマ育成で忙しいからという理由で断った。

「ちなみにですけど、日程的にどうですか?」

「そうだな、既に解体は終わってるから早ければ普通の家なら二日もあれば終わるだろうが、クリスの描いた設計図の家を建てようと思うなら一週間は考えた方が良いな」

「すみません。折角、家を建てるなら色々と詰め込みたくて、材料に関しては最高品質で構いませんよ。お金には余裕があるので」

 何度も言ってるが本当に金に余裕がありすぎる。
 なんだかんだ宿ではなく、アリシアさんの家で過ごしているおかげで必要経費が少なく冒険者としても活動してるので金は溜まる。
 せっけん、そして入浴剤の売上も好調な為、ここいらで使っていないと逆に使い道が無くなってしまう。

「それにしても部屋数も多いし、これだと貴族の家とほぼ変わらないわね」

「土地自体広いですからね。商業ギルドにはこの土地を確保してもらったお礼をしないといけません」

 キリさんとそんな会話をした後、俺は親方から俺が描いた設計図の細かい所等を聞かれて設計図をより完成系に近づけていった。
 その日は作業自体は無く、作業をする日程を決めて近くの家に挨拶周りをした。
 作業で煩くなるから事前に言わないと、後々面倒になるらしいからこういうことは必要らしい。

「と言う訳で、もう少ししたら俺は家を出る事になりそうです」

「まさか家を購入したと思ったら、直ぐに解体して建て直すとは思わなかったわ」

「折角住むならいい場所に住みたいので、完成したら一番最初にアリシアさん達を招待しますよ」

「それは楽しみね。クリス君が何日も考えて設計図を描いてたみたいだし、どんな家が完成するのか楽しみだわ」

 俺が設計図を描いていたのはアリシアさん達は知っている。
 どんなのか見せようとしたが、完成するまで楽しみにしてると言ってみないでいた。

「ちなみに設計図を親方に見せましたけど、新しい事に挑戦が出来ると喜んでましたね」

「クリス君が呼んだ大工だけど、お父様も信頼してる大工なのよ。そんな方が新しい事に挑戦って、本当に何を作ろうとしてるのか楽しみだわ」

「ふふっ、多分ですけどアリシアさん達が毎日来たいと思う程の物を作ってるので、楽しみに待っていてくださいね」

 俺はそう笑みを浮かべながら言い、俺は心の中で早く家が完成して驚く二人の顔を見たいなと考えていた。
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