攻略wiki付悪役令嬢が頑張って栄光の一歩を踏み出すまでの軌跡

すらなりとな

文字の大きさ
36 / 45
しゅうどういん!~断罪(バッドエンド)のその後で

○12表_悪役令嬢はお祭りに繰り出した!

しおりを挟む

(探しに来た、ということは、何かあったのでしょうか?)

 老イザラとの会話を終えたイザラは、すぐに思考を回し始めた。
 イザラを追いかけてくるとなると、すぐに思いつくのはナイアだが、追手が官吏となると、その可能性は低いだろう。
 では、他に誰が?

(駄目ね、修道院からでは、情報が得られないわ。
 今までブルネットに頼っていたけど、今はもうそういうわけにもいかないし。
 それに――)

 あの「声」も、聞こえなくなった。
 修道院に入ってから、ぱったりと消えた「未来」。
 もう、悩まされることはないが、頼ることもできない。

(と、とりあえず、ラバン様に手紙を出してみよう。
 まずは情報を集めないと。
 いつか、修道院から戻ったら――)

 戻ったら、どうなるのだろう。

 あの日、鏡を割った時に見た「未来」と同じように修道院送りになったが、状況は大きく異なる。あくまで、イザラが修道院にとどまっているのは、ナイアの捜査が落ち着くまで。表向きの理由も、「流行り病の薬の普及を助けるため」となっている。
 だが、クラウスとの婚約破棄は、現実となった。

 ――お前さんが「幸せな結末」にたどり着けることを祈ってるよ。

 ふと、老イザラの言葉が思い浮かぶ。

 イザラの幸福といえば、王子の婚約者として過ごし、やがては王妃となり、この国のために生きる事だった。
 自分よりも国を優先しなければならないのは、確かに辛いかもしれないが、きっと、愛する王子を支え、同時に支えられ、次の世代を護るのは、確かな幸せもあるだろう。それが公爵家に生まれたイザラが夢見る「ことができる」幸せであり、公爵令嬢として成長するうちに受け入れた「現実的な」幸せだった。
 しかし、その幸せは、もう、あり得ない。

(私は、きっと、幸せを見失ってしまったのでしょうね)

 自室の扉を開く。
 修道院の朝は早い。
 明日も、祈りをささげて、奉仕を続けなければならない。
 それが、シスター・イザベラとなったイザラの「幸せ」なのだから。

 急に疲労を感じたイザラは、そのままベッドへ入り、目を閉じた。


 # # # #


「ねぇ、イザベラちゃん、これから、お祭り行かなぁい?」

 イザベラが、ローザからそんなふうに話しかけられたのは、それから数日後。
 夕食が終わった直後だった。

「お祭り? そんなものがあるの?」
「あれ、知らないのぉ? いつもこの時期に、お祭りがあるんだよぉ?
 何のお祭りか知らないんだけどぉ、修道院のシスターも、一緒にお祝いしてもいいお祭りなんだってぇ」

 幼い見た目に違わず、舌足らずな話し方に、いかにも期待に満ちた目で見上げてくるローザ。よほどお祭りに行きたいらしい。
 微笑ましいものを感じるイザベラ。
 が、マギアからはしっかりと注意が飛んできた。

「行くのは構いませんが、あまりハメを外さないように。
 それと、このお祭りは聖女様を祀ったものです。何度も説明したでしょう?」
「そうでしたっけぇ?
 それより、リサちゃん知りませんかぁ?
 一緒に行こうと思ったんですけどぉ、見当たらなくてぇ」
「はあ、この子は……シスター・リサなら、もうお祭りに走っていきましたよ?
『噂の屋台に突撃してきます!』と、それはもう元気なものでした」
「そっかぁ、じゃあ、私達も突撃してきまぁす」

 ローザに手を引かれ、食堂を後にする。

「ローザッ! 帰ったらお勉強ですからね!」
「はぁい! 帰ってから頑張りますぅ!」

 後ろから追いかけてくるマギアの声と、前へと引っ張るローザの声に挟まれながら、修道院の外へ。
 遠くから聞こえる喧騒のせいだろうか。
 優しい夕日に包まれた街は、スラムの埃っぽい空気をたたえながらも、どこかいつもより浮かれているような気がした。
 ローザに手を引かれるまま、小走りについていくと、そんな賑やかさが、次第に近づいて来る。

「うーん、リサちゃんは……いないなぁ。
 まいっかぁ。おじさーん、焼き鳥、三本くださぁい!」

 そして、お祭りの入り口。
 ローザから、焼き鳥を差し出された。

「え、えっと? ローザ、これは……?」
「ん~? もしかしてぇ、ご飯食べちゃったからぁ、お腹いっぱいぃ?」
「いえ、そういうわけでは……」

 口ごもったまま、じっと焼き鳥を見つめるイザベラ。
 焼き鳥を小さな口で頬張りながら、首を傾げるローザ。

「串焼きにしたお肉を外で食べるのは、ここでは普通なのですか?」
「ふぐぅ? もしかして、イザベラちゃん、焼き鳥、知らないのぉ?」

 うなずくイザベラ。
 ローザは口の中の焼き鳥を飲み込んで、更に首をかしげた。

「うーん、そういえば私も、マザーに連れてってもらったお祭りで、初めて食べたんだっけぇ? よくわかんないけどぉ、トーヨーのお料理なんだってぇ。おいしいから、食べてみればぁ?」

 言われて、恐る恐る口をつける。
 肉汁とたれの味が、口の中に広がった。

「……おいしい」
「そっかぁ、よかったぁ。
 イザベラちゃんは、お祭りとか行ったことないのぉ?」
「いえ、何度か、王都で見たことはあるわ。
 けど、こうして歩きながら食べたりとかは、初めてね」
「そういえばぁ、マザーも、歩きながら食べるのは、はしたないからやめなさいって言ってたっけぇ?
 イザベラちゃんのお家って、お薬屋さんだよね?
 貴族様が使ってるイメージがあるけどぉ、やっぱり厳しいのぉ?」
「ええ、まあ……」

 あいまいに笑ってごまかすイザベラ。
 まさか、お薬屋さんはお薬屋さんでも、薬そのものを開発する方で、お祭りは主にもてなす側でしたとは言えない。
 イザラにとって、お祭りやパーティは貴族同士のやり取りの場で、こんな風に楽しむものでは――

「う~ん、じゃあ、あっち、広場にベンチがあるから、座って食べよ!
 歩きながらじゃなくなるから、大丈夫だよぉ!」

 思い出しかけたところで、ローザに手を引かれる。
 向かった先は、広場。
 空いているベンチに、腰を下ろす。

「じゃ、ここで食べちゃおう。冷めるとおいしくなくなっちゃうしぃ。
 三本目はリサちゃんの分だったけどぉ、こっちも冷めちゃおうといけないからぁ、一緒に食べちゃおう。うん、そうしよう」
「ふーん、じゃあ、このジュースはいらないんだ」

 その途端、後ろから、頬に冷たいグラスが引っ付いた。
 おどろいて振り向くと、にやにやと笑うリサ。
 器用に三つのグラスを指でつかんで、得意げに揺らして見せる。

「もう、冗談だよぉ。広場に入ったときぃ、リサちゃんが見えたから、ちょっと呼んでみただけじゃなぁい」
「え? 私そんな呼ばれ方で来ると思われてるの!?」

 自然にグラスに手を伸ばすローザ。
 リサも自然にグラスを渡す。

「仲が、いいんですね」

 自然と、イザベラの口から、言葉がこぼれた。

「そだよぉ? リサちゃんと私、仲良しだよぉ?」
「おお、心の友よ!」

 ローザが言うと、リサがローザの頭をぐりぐりとなでる。

「でも、イザベラちゃんとリサちゃんも、私とイザベラちゃんも、私たちと同じくらい、仲いいでしょぉ?」
「そうそう、ほら、焼き鳥だけじゃ、のど渇いたでしょ?」

 そして、差し出されたグラスを、イザラも自然に受け取った。

「あ、イザベラちゃん、やっと笑った」

 気が付けば、頬が緩んでいたらしい。
 驚いて見返すと、ローザも、楽しそうに笑っていた。

「最近さぁ、イザベラちゃんって、なんか怖い顔してたからぁ、お祭りで気分転換になればいいなって。リサちゃんと一緒にぃ、いろいろ考えたんだよぉ?」
「ちょっとローザ、それ言ったら意味ないんじゃないの!?」
「どうせ後でバレるから大丈夫だよぉ?」

 どうやら、気を使わせてしまったらしい。

「ありがとう、いい気分転換になったわ。ちょっと悩み事もあったし」
「いーのいーの。それよりぃ、イザベラちゃんって、何に悩んでたのぉ」
「ちょっと、ローザ!? 折角の気分転換が台無しだよ!?」
「えー、でもぉ、悩み聞くのもシスターの仕事だって、マザーが言ってたしぃ?」

 相変わらず、子どもらしい遠慮のなさを見せるローザと、振り回されるリサ。
 イザベラはもう見慣れてしまった光景に、もう少しだけ頬を緩め、

「じゃあ、二人とも、将来は何になりたいとか、どうしたいとか、何か考えていることはある?」

 自然と、そう問いかけていた。

「う~ん、考えたことなかったなぁ。
 ずっと修道院にいるんじゃないのぉ? 今でも十分楽しいし」
「私もそうかな?
 ほら、マザーも、幸せなあなたたちを見るのが、私の幸せですって言ってたし」

 焼き鳥をほおばりながら、当たり前の小さな幸せに浸る二人。
 きっとローザとリサは、修道院に入ることで、老イザラが言うような「幸せ」を掴んだのだろう。でも、それは、婚約破棄がなかった時のイザラのように、シスターである二人の「現実的な」幸せで――

(いえ、そういえば、近くのお店のお手伝いもしている、といっていたかしら?)

 少し前、ローザとリサが初めてイザラの部屋に尋ねてきた時、確か、ローザが「リサちゃんも実家……じゃないけど、近くのお店のお手伝いとかしてる」と言っていた気がする。あるいは、二人にも別の「幸せ」があったのかもしれない。
 気になったイザラ、遠慮がちに問いかけた。

「じゃあ……二人はどうして修道院に入ったの?」
「う~ん、少し前までぇ、このあたりってスラムだったのぉ、知ってるぅ?」
「あ、今もスラムだけど、前はもっと危ないトコだったの!
 こんな大きな広場もなくて、怖い人がいっぱいいるトコで!」

 答えるローザを、リサが補いながら話しはじめる。

「私はお父さんもお母さんもいないからぁ、初めから修道院の子だったけどぉ、リサちゃんは怖い人の子だったからぁ、スラムの怖いお店とか、スリの手伝いとか、いろいろやっててぇ」
「あ、今、手伝ってるのは普通のお店だからね! マザーにも相談して、大丈夫って言われてるし!」
「う~ん、でもぉ、その時はリサちゃんも何回も捕まりそうになってぇ、私も一緒に捕まってぇ、修道院の子っていうより、スラムの子って感じだったかなぁ?」

 しかし、それは思いもよらない傷で。

「でもでもぉ、ここの領主様がスラムを綺麗にするってなってぇ、お役人の人が修道院に来てぇ、リサちゃんの家のお店についていくか、修道院に入るか、どっちがいいかって聞かれてぇ」
「修道院に入りますって答えたんだよね!」

 イザラは、後悔とともに謝った。

「そ、そう、ごめんなさいね。辛いことを思い出させて」
「えぇ? 別に辛くはないよぉ?」
「うーん、そうだね、あの時はあの時で楽しかったし!」

 だが、ローザとリサから返ってきたのは、思いがけない答えで。

「あの時の私たちにとってはぁ、スラムの修道院もぉ、スラムの怖いお店もぉ、あんまり変わらなかったんだよねぇ」
「そうそう! でも! その前に、道に迷ったお兄さんがいてね!」
「怖い人がいるところに間違って入っていきそうだったから、スラムの外までを案内してあげたのぉ。そしたらぁ、私たちに、『このまま逃げればいいだろ?』って聞いてきたんだよねぇ」
「で、ローザが、『逃げるってぇ、ドコへ?』って聞いたら!」
「『ないなら、作るんだよ』だってぇ」
「それで! せっかくだし、新しい居場所、作っちゃおうかって、ローザと決めて!
 修道院に入ることに決めたんだよね!」

(私も――未来を護るばかりで、作ろうとしていなかったのかもしれませんね)

 そう思った途端、

「あ、イザベラちゃんがぁ、また難しい顔してるぅ!」
「はい、お祭りで考え事禁止!」

 二人に腕を掴まれた。
 いつの間にか、焼き鳥は食べ終えたらしい。

「じゃ、向こうに噂の屋台があるから、そっち行こうか!」
「うん、行こう。そろそろマザーに怒られそうな時間だけどぉ。
 リサちゃんとイザベラちゃんのためだしぃ、行っちゃおう。うん、そうしよう」
「ちょっと、ローザ! 人のせいにするのはどうかと思うよ!?」

 イザラは引っ張る二人に応えるように立ち上がると、

「大丈夫よ? いざとなったら、私も一緒に怒られるから」

 夕暮れのお祭りへと歩き始めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!

158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・ 2話完結を目指してます!

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

処理中です...