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第一章
第四話
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それは尋問部屋と同じ建物内の、二階部分のようだった。しかし室内の窓は全て暗幕に覆われており外の様子は全く見る事が出来ない。
中央に巨大な長机が置かれ、それを囲むように十六脚の椅子が置かれている。その一つにロードリックさんが座り、私は机を挟んで彼の反対側の位置に座らされていた。
それはまるで大会社の会議のような部屋だったが、残りの椅子に座る人々を他人が見れば首を傾げたに違いない。それほどに違和感のある面々が揃っていた。
赤毛の少年、たおやかな女性、今にも寿命がきそうな老人。勿論厳めしい男性も。それらが外見の差異なく一様に難しい顔をして座っていた。
「これは深刻な問題ですね。一体どれ程の確率で彼女のような人間がいるのでしょうか? 百万人に一人? 万人に一人? いずれにしても、それで我らの活動に支障が出るのが一番まずい」
今の発言をしたのは赤毛の少年である。年齢には不相応な思慮深い顔をして、他の人物の反応を伺った。それを受けて老人が口を開く。
「しかし、人と暮らしてもう四百年ほどになるが、このような事態は一回も聞いたことがない。かなり稀である事は確かだ」
たおやかな女性が小首を傾げて発言した。
「判別がついても、黙っていただけでは?『光って』見えるのでしょう? 普通の人間ならば言っても信じませんから」
商人の恰好をした男性がロードリックさんに視線を送って尋ねた。
「このまま、諜報の支援をしていてもいいのでしょうか? 彼女のような人物がもし敵性国家に存在すれば、我々に出来る事は極めて限られるようになるでしょう」
意見を求められたロードリックさんは皆の視線を受けながら口を開く。
「特に体制を変えるつもりはありません。大多数の人間から判別がつかない事は確かなのです。この国との協力関係を考えれば、下手に活動を縮小すれば不信を招きます。ただし、このような事例があった事は周知してください。もし遭遇したら、確証が取れた時点で即時撤退も構いません」
一族の首長だと言っていたが、確かに全員ロードリックさんの発言を重視しているようだった。反論は全くなく、それでこの話については終わったらしい。
そしていよいよ彼らの視線が、私の方へと向けられる。急に注目され、一人舞台の真ん中に放り出されたような不安な気持ちになった。
「それで……彼女の扱いはどのようにしますか?」
たおやかな女性が口を開き、皆の意見を求める。顔に傷のある軍人が静かに言った。
「我々の施設内で働く形をとって監視をすればよいのでは? 人間と我々が混じって働く場所はあります」
「足りぬ。彼女はそのまま我らの致命的な弱点となりうる。誰にもこの事実を漏洩してはならない。人間の誰であっても、だ。些細な言動から、勘の鋭い者ならば気づくかもしれん」
老人の言葉に、不穏な沈黙が流れる。私は話の流れがとても良くない方向へ向かっているのを分かりながら、口を挟むことが出来なかった。
そしてとうとう、赤毛の少年が皆の思いを代表して言った。
「ならば、そうするしかないのでは?」
私の前だからか若干ぼかした言い方をしたが、その意味など明らかである。
殺されるのだ。
込み上げてくる恐怖を抑える事が出来ず、小刻みに震えながら縮こまる。
居並ぶ人数の多さが、逃走も反抗も許さない。私は今、踏み潰されようとしている蟻でしかなかった。
「長、いかがいたしましょうか」
少年の目が再びロードリックさんへと向く。それは殆ど、承認を得る為のもののように聞こえた。
けれど机の上に手を組み意見に耳を傾けていた彼は、誰しもが全く想像もしていなかった言葉を発した。
「いいえ。私の妻にします」
「……へ?」
私は、思わず間抜けな声を出していた。
緊張のあまり、錯乱して妙な幻覚でも見ているのだろうか?
しかしどうやら私の耳だけに届いた声という訳ではないらしく、議論していた者達も立ち上がったり、目を大きく開いたりと酷く動揺している。
「長、一体何をおっしゃっているのですか!?」
少年がロードリックさんに大声を上げて問う。それを皮切りに、他の者達も次々と口を開いた。
「危険です! 排除が一番手っ取り早い!」
「こんな不明な事だらけの人物を、長のお傍に置くわけにはいきません!」
「どうかお考え直しを!」
「そうです。何も長の妻にしなくとも……」
騒々しい彼らの声を何処か遠くに感じる。自分の事でありながら、今の状況が全く理解できない。
妻。結婚。
その内誰かと恋愛をするか、いい年になれば親が見繕ってくるだろうとぼんやりと考えていたその話題が、降ってわいたように出されるとは思わなかった。
その言葉を発した人物に、意識が向けられる。ロードリックさんは興奮する一族の言葉を聞きながら、顔色一つ変える事はない。その泰然とした態度に長としての威厳を感じずにはいられない。
言われるまでもなく見ていれば分かる。彼は、上に立つ側の存在だ。ごく限られた一部の特権階級。私が普段、別世界だと見上げていた場所にいる人。そんな人と私が、結婚?
じわじわと事の重大さを理解する。彼が言ってくれた出来る限り努力すると言う言葉に、嘘は全く存在しなかった。
確かに彼の妻になれば、家の中に囲って外に出なくても不思議ではない。けれどどう考えても、ロードリックさんの負担が大きすぎる。
興奮する人々に向かって、極めて冷静にロードリックさんは返答する。
「私の傍が一番不都合なく隠せるでしょう。一族の最も中心にいるのですから」
「何もそこまでしなくとも……」
考えが理解できないように言った商人の男性に、ロードリックさんの様子が変わる。
「それで……分からないから、目障りだから、殺すのですか? それを『我々』が?」
彼は少し怒っているようだった。私にはその言葉の本当の意味が分からなかったが、聞いた彼らの空気が明らかに変わった。
皆、ばつの悪いような顔をして大人しく口を閉ざしている。静まり返った会議室の中で、ロードリックさんの声だけが響いた。
「反論はありませんね?」
同意の意味の沈黙が流れた。部外者のように黙ったままだった私に、ロードリックさんの視線が注がれる。
「クラリスさん」
それにつられて、会議室中の視線も私に集中した。
「結婚しましょう」
その一言を、どれだけの女性が憧れているだろう。まして目の前でその言葉を発したのは軍人将校、眉目秀麗、性格良好と目を疑うような好条件の男性である。
しかし場所は険しい顔をした人々が並ぶ会議室であり、その男性以外は敵意や疑心を抱いた視線を私に降り注いでいる。
私は体を縮こませ、まな板の上の鯉のようにその言葉を聞いた。彼だけは私に同情的な表情をしつつ言葉を続ける。
「さもなくば、命の保証は出来ません」
他の道などなく、小さく頷いて同意した。
「……分かり、ました。お受けいたします」
こうして私の運命は、背筋も凍るような冷たい空気の中で決められたのだった。
ロードリックさんは会議で決めるべきことが全て終わったのを皆の反応を見て確認すると、一人椅子から立ち上がる。
そして難しい顔をした面々の脇を通り抜け、反対側に座っていた私の前まで移動すると声をかけてくれた。
「行きましょう」
唯一の庇護者である彼が、此処から連れ出してくれる事にほっとする。
「……はい」
そして私は、漸くこの重苦しい会議室から抜け出せたのだった。
◆
廊下を先に歩くロードリックさんの背中に声をかける。
「あの……」
彼は歩みを止めることなく、視線だけを私に寄こした。
「はい。何でしょうか」
「ありがとうございました。その……色々と」
正直、生きる事を許されたのが不思議なぐらいの物騒な会議だった。ロードリックさんの発言が無ければ間違いなく実行されていただろう。
「判別がつくと困るのは此方の都合です。貴女に罪はありません。このような方法しか取れない事が、心苦しい」
私は少し歩みを早めて、彼の隣に並ぶ。もう夕方の時間だからか、建物に人影は少なかった。
「どうしてそこまで、良くしてくださるのでしょうか。私とは、あの喫茶店でお会いしていただけなのに」
「私は人間が好きですから。それに……一族の者は、人間と暮らしだして少々短気になってしまったようですが、我々にとって貴女の寿命を待つぐらいは造作もありません」
その発言に何処から見ても人間にしか見えない彼が、人間ではない事を改めて思い知らされた。
人ではない筈なのに、ロードリックさんの言動はそれを薄れさせるほど気遣いに満ちている。
「長生きなんですね」
「長生きと言いますか……寿命を持ちませんので」
教会で長く受け継がれてきた聖人像を見た時のような、不思議な感覚で彼を見上げる。顔には分かりやすい皺などは何も刻まれておらず若々しいばかりだったが、前を向いているその瞳には僅かな時の残滓のようなものが感じられた気がした。
私は自分が元来、未知への好奇心の強い人間だった事を思い出し、今更な問いを彼に投げかけた。
「貴方達は一体どこからやって来たのですか?」
ロードリックさんは足を止め、窓の外に顔を向ける。
つられて外を見やれば、今や太陽は低く、空は茜色と紺のベールが美しく共存していた。そこに宝石のように輝きだした星々をその長い指で指し示すと、懐かしむような静かな口調でこう告げた。
「果ての、彼方より」
中央に巨大な長机が置かれ、それを囲むように十六脚の椅子が置かれている。その一つにロードリックさんが座り、私は机を挟んで彼の反対側の位置に座らされていた。
それはまるで大会社の会議のような部屋だったが、残りの椅子に座る人々を他人が見れば首を傾げたに違いない。それほどに違和感のある面々が揃っていた。
赤毛の少年、たおやかな女性、今にも寿命がきそうな老人。勿論厳めしい男性も。それらが外見の差異なく一様に難しい顔をして座っていた。
「これは深刻な問題ですね。一体どれ程の確率で彼女のような人間がいるのでしょうか? 百万人に一人? 万人に一人? いずれにしても、それで我らの活動に支障が出るのが一番まずい」
今の発言をしたのは赤毛の少年である。年齢には不相応な思慮深い顔をして、他の人物の反応を伺った。それを受けて老人が口を開く。
「しかし、人と暮らしてもう四百年ほどになるが、このような事態は一回も聞いたことがない。かなり稀である事は確かだ」
たおやかな女性が小首を傾げて発言した。
「判別がついても、黙っていただけでは?『光って』見えるのでしょう? 普通の人間ならば言っても信じませんから」
商人の恰好をした男性がロードリックさんに視線を送って尋ねた。
「このまま、諜報の支援をしていてもいいのでしょうか? 彼女のような人物がもし敵性国家に存在すれば、我々に出来る事は極めて限られるようになるでしょう」
意見を求められたロードリックさんは皆の視線を受けながら口を開く。
「特に体制を変えるつもりはありません。大多数の人間から判別がつかない事は確かなのです。この国との協力関係を考えれば、下手に活動を縮小すれば不信を招きます。ただし、このような事例があった事は周知してください。もし遭遇したら、確証が取れた時点で即時撤退も構いません」
一族の首長だと言っていたが、確かに全員ロードリックさんの発言を重視しているようだった。反論は全くなく、それでこの話については終わったらしい。
そしていよいよ彼らの視線が、私の方へと向けられる。急に注目され、一人舞台の真ん中に放り出されたような不安な気持ちになった。
「それで……彼女の扱いはどのようにしますか?」
たおやかな女性が口を開き、皆の意見を求める。顔に傷のある軍人が静かに言った。
「我々の施設内で働く形をとって監視をすればよいのでは? 人間と我々が混じって働く場所はあります」
「足りぬ。彼女はそのまま我らの致命的な弱点となりうる。誰にもこの事実を漏洩してはならない。人間の誰であっても、だ。些細な言動から、勘の鋭い者ならば気づくかもしれん」
老人の言葉に、不穏な沈黙が流れる。私は話の流れがとても良くない方向へ向かっているのを分かりながら、口を挟むことが出来なかった。
そしてとうとう、赤毛の少年が皆の思いを代表して言った。
「ならば、そうするしかないのでは?」
私の前だからか若干ぼかした言い方をしたが、その意味など明らかである。
殺されるのだ。
込み上げてくる恐怖を抑える事が出来ず、小刻みに震えながら縮こまる。
居並ぶ人数の多さが、逃走も反抗も許さない。私は今、踏み潰されようとしている蟻でしかなかった。
「長、いかがいたしましょうか」
少年の目が再びロードリックさんへと向く。それは殆ど、承認を得る為のもののように聞こえた。
けれど机の上に手を組み意見に耳を傾けていた彼は、誰しもが全く想像もしていなかった言葉を発した。
「いいえ。私の妻にします」
「……へ?」
私は、思わず間抜けな声を出していた。
緊張のあまり、錯乱して妙な幻覚でも見ているのだろうか?
しかしどうやら私の耳だけに届いた声という訳ではないらしく、議論していた者達も立ち上がったり、目を大きく開いたりと酷く動揺している。
「長、一体何をおっしゃっているのですか!?」
少年がロードリックさんに大声を上げて問う。それを皮切りに、他の者達も次々と口を開いた。
「危険です! 排除が一番手っ取り早い!」
「こんな不明な事だらけの人物を、長のお傍に置くわけにはいきません!」
「どうかお考え直しを!」
「そうです。何も長の妻にしなくとも……」
騒々しい彼らの声を何処か遠くに感じる。自分の事でありながら、今の状況が全く理解できない。
妻。結婚。
その内誰かと恋愛をするか、いい年になれば親が見繕ってくるだろうとぼんやりと考えていたその話題が、降ってわいたように出されるとは思わなかった。
その言葉を発した人物に、意識が向けられる。ロードリックさんは興奮する一族の言葉を聞きながら、顔色一つ変える事はない。その泰然とした態度に長としての威厳を感じずにはいられない。
言われるまでもなく見ていれば分かる。彼は、上に立つ側の存在だ。ごく限られた一部の特権階級。私が普段、別世界だと見上げていた場所にいる人。そんな人と私が、結婚?
じわじわと事の重大さを理解する。彼が言ってくれた出来る限り努力すると言う言葉に、嘘は全く存在しなかった。
確かに彼の妻になれば、家の中に囲って外に出なくても不思議ではない。けれどどう考えても、ロードリックさんの負担が大きすぎる。
興奮する人々に向かって、極めて冷静にロードリックさんは返答する。
「私の傍が一番不都合なく隠せるでしょう。一族の最も中心にいるのですから」
「何もそこまでしなくとも……」
考えが理解できないように言った商人の男性に、ロードリックさんの様子が変わる。
「それで……分からないから、目障りだから、殺すのですか? それを『我々』が?」
彼は少し怒っているようだった。私にはその言葉の本当の意味が分からなかったが、聞いた彼らの空気が明らかに変わった。
皆、ばつの悪いような顔をして大人しく口を閉ざしている。静まり返った会議室の中で、ロードリックさんの声だけが響いた。
「反論はありませんね?」
同意の意味の沈黙が流れた。部外者のように黙ったままだった私に、ロードリックさんの視線が注がれる。
「クラリスさん」
それにつられて、会議室中の視線も私に集中した。
「結婚しましょう」
その一言を、どれだけの女性が憧れているだろう。まして目の前でその言葉を発したのは軍人将校、眉目秀麗、性格良好と目を疑うような好条件の男性である。
しかし場所は険しい顔をした人々が並ぶ会議室であり、その男性以外は敵意や疑心を抱いた視線を私に降り注いでいる。
私は体を縮こませ、まな板の上の鯉のようにその言葉を聞いた。彼だけは私に同情的な表情をしつつ言葉を続ける。
「さもなくば、命の保証は出来ません」
他の道などなく、小さく頷いて同意した。
「……分かり、ました。お受けいたします」
こうして私の運命は、背筋も凍るような冷たい空気の中で決められたのだった。
ロードリックさんは会議で決めるべきことが全て終わったのを皆の反応を見て確認すると、一人椅子から立ち上がる。
そして難しい顔をした面々の脇を通り抜け、反対側に座っていた私の前まで移動すると声をかけてくれた。
「行きましょう」
唯一の庇護者である彼が、此処から連れ出してくれる事にほっとする。
「……はい」
そして私は、漸くこの重苦しい会議室から抜け出せたのだった。
◆
廊下を先に歩くロードリックさんの背中に声をかける。
「あの……」
彼は歩みを止めることなく、視線だけを私に寄こした。
「はい。何でしょうか」
「ありがとうございました。その……色々と」
正直、生きる事を許されたのが不思議なぐらいの物騒な会議だった。ロードリックさんの発言が無ければ間違いなく実行されていただろう。
「判別がつくと困るのは此方の都合です。貴女に罪はありません。このような方法しか取れない事が、心苦しい」
私は少し歩みを早めて、彼の隣に並ぶ。もう夕方の時間だからか、建物に人影は少なかった。
「どうしてそこまで、良くしてくださるのでしょうか。私とは、あの喫茶店でお会いしていただけなのに」
「私は人間が好きですから。それに……一族の者は、人間と暮らしだして少々短気になってしまったようですが、我々にとって貴女の寿命を待つぐらいは造作もありません」
その発言に何処から見ても人間にしか見えない彼が、人間ではない事を改めて思い知らされた。
人ではない筈なのに、ロードリックさんの言動はそれを薄れさせるほど気遣いに満ちている。
「長生きなんですね」
「長生きと言いますか……寿命を持ちませんので」
教会で長く受け継がれてきた聖人像を見た時のような、不思議な感覚で彼を見上げる。顔には分かりやすい皺などは何も刻まれておらず若々しいばかりだったが、前を向いているその瞳には僅かな時の残滓のようなものが感じられた気がした。
私は自分が元来、未知への好奇心の強い人間だった事を思い出し、今更な問いを彼に投げかけた。
「貴方達は一体どこからやって来たのですか?」
ロードリックさんは足を止め、窓の外に顔を向ける。
つられて外を見やれば、今や太陽は低く、空は茜色と紺のベールが美しく共存していた。そこに宝石のように輝きだした星々をその長い指で指し示すと、懐かしむような静かな口調でこう告げた。
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