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5巻
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人類領域にあるジオル森王国には、ジオル大森林が広がっている。
その森の中の、木の迷宮ともいえる場所の一室に、三人の魔族と一人の人間、そして緑の衣を纏った男がいた。
ウィルムと名乗ったその緑の男は、穏やかな笑みを浮かべてそこに佇んでいる。
「ウィルム……様……」
聖アルトリス王国のアルヴァニア公爵家子息であるネファスは、そう呟いた後、顔を真っ青にして片膝をついた。
風の神――目の前にいる緑の男が、そう呼ばれる存在であることに思い至ったのだ。
しかし、ウィルムはそんなネファスの様子を見て困ったように笑う。
「ああ、必要ないよ。そっちの三人を見習ってくれたまえ」
言われてネファスが三人……魔王ヴェルムドール、魔王軍西方将サンクリード、メイドナイトのニノを見ると、彼らは武器こそ構えていないものの警戒を解かずに立っていた。
ネファスは目を見開き、三人の豪胆さに肝を冷やす。
何故神相手にそんな態度がとれるのか。
その不遜ともいえる態度に驚きつつも、ネファスは何とか立ち上がった。
「うん、それでいい。では、改めて風の大神殿へようこそ」
「大神殿……という風には見えないが」
ヴェルムドールはそう言って、周囲を見回す。
口に出す勇気こそないが、それについてはネファスも同感であった。
何しろ、床は土で、壁は木々。天井は青々とした葉をつけた木々の枝である。神殿というよりは、森。そう表現するのが相応しい場所だった。
聖アルトリス王国のアルトリス大神殿とは、随分違う。命の神フィリアを祀り、多数の神官を抱えるあの白亜の宮殿と比べれば、この場所を大神殿と認識できないのも当然と言えた。
そんな四人の様子を見て、ウィルムは頷く。
「お前達が言っているのは恐らく、フィリアのアレだろう? ほら、あの人間の国にあるやつ」
「……そうだな」
ヴェルムドールの答えに頷くと、ウィルムは指を一本立てて横に振る。
「確かにアレは大神殿だが……ああ、まあ……いいか。僕にとってはどうでもいいことだ」
「いや、待て。どういうことだ?」
「どうでもいいことなんだよ。次の話にいくぞ」
ヴェルムドールの追及に、ウィルムは面倒くさそうに手を振った。
これ以上話す気はないとあしらわれ、ヴェルムドールもひとまずは黙らざるを得ない。
「で、何の話だったかな。いや、何の話もしてないんだったか? あー、うん。それじゃあ試練の話でもしようか」
試練、と聞いてネファスの身体がピクリと反応する。
そして、それを目ざとく見つけたウィルムがニヤリと笑った。
「ああ、勘がいいな。あのクレイゴーレムは試練の一つだ。お前、中々よかったぞ……あのルーティとかいうシルフィド以来だな、あんなに楽しめたのは」
元々此処には人なんざ来ないがな、と笑うウィルムに、ネファスはどう反応したものか困った挙句、微笑みを返した。
ニノとネファスはジオル大森林の探索中に謎の魔族アルヴァに襲われ、気づくと何故か木の迷宮ともいえる場所に転移していた。ニノの勘によって迷宮を進み、行き着いた先でクレイゴーレム、そしてアルヴァと再び戦ったのだ。
アルヴァはともかく、やはりあのクレイゴーレムは試練だったのか、とネファスは改めて思う。
そんなネファスをよそに、突然ウィルムは真顔に戻る。
「しかしまあ、まさか迷い道を勘で突破してくるとは思わなかったぞ。あれは風を読めば正しい道を選べるように造ってあるんだがな」
ウィルムが少し不満そうにそう言うと、ニノはプイと顔を逸らす。
ニノの不敬っぷりに慌てたネファスは、何とかフォローしようと口を開いた。
「も、申し訳ありません。ウィルム様の神殿と知らずに入ったもので……」
「それでも、この辺にいる奴なんて僕くらいのものだろう? もうちょっと考えてくれてもよかった気もするがな」
「は、はい……」
「まあ、それは別にいいさ。問題はそっちの二人だ」
ウィルムはヴェルムドールとサンクリードに向き直る。
「お前等……ていうか黒いほう、力づくで魔力感知をしただろう? 無遠慮な魔力が僕の方まで流れてきたときには、どうしてくれようかと思ったぞ。そもそも入ってきた方法も問題だ。無理矢理扉を開ける奴なんて史上初だぞ」
「む、無理矢理!?」
ネファスは驚いてヴェルムドール達を見るが、ヴェルムドールとサンクリードはしれっとした顔をしている。
ニノ達がジオル大森林探検中に引き込まれた現場――そこには実はウィルムの造った転移門があったのだが、ニノを追ってきたヴェルムドール達はその門を無理矢理こじ開けた。そうして侵入した挙句にニノの魔力を感知して迷宮を抜けてきたのだから、ウィルムとしては試練を台無しにされて極めて不愉快だったのだ。
「まあ、お前の場合、問題はそれだけじゃないが……とりあえず、それについては一旦置いておこう」
ウィルムはそう言って、溜息をつく。
「さて、何の話だったかな。試練の話だったか? ええと、ネファスとニノ、お前等は合格ってことでいいぞ」
「何故俺達の名前を……!?」
驚くネファスに、ウィルムは満足そうに頷いた。こういう反応を待っていた、と言わんばかりである。
ウィルムはその外見から落ち着いた大人のような印象をもたれがちだが、実はそうでもない。彼の性格を一言で表すならば、自由である。極めて奔放で、飽きっぽい。おまけにいい加減極まりない。気まぐれで、予測もつかない。
そんな性格ではあるものの……今のところ、彼にしては真面目に対応をしていた。
「まあ、神だからな」
そう言ってウィルムがヴェルムドールを見ると、ヴェルムドールもピクリと反応した。ウィルムにステータス確認の魔法を使われたと気づいたのだ。
ステータス確認の魔法は、一般に勇者と魔王しか使えないと言われているが、それは地上に生きる者に限ってのことであり、神はまた別の話である。
「で、だ。一応、まあ合格点あげてもいいかなー程度には試練を突破できたお前達二人には、それなりにご褒美をやらないこともない。といっても、僕と相性がよくないとどうしようもないがな。前は勇者とシルフィドの二人にあげたんだったかな?」
勇者リューヤ。かつて魔王を滅ぼし、人類に平和をもたらした人物の名前が、自然と全員の脳裏に浮かぶ。となれば、シルフィドというのは勇者パーティメンバーの一人だったルーティ・リガスのことだろう。
「まずはネファスか。そうだなあ……見たところお前、どこの神の加護もないみたいだし……うーん。この際、僕の庇護下にでも入るか?」
「なっ……ウィルム様のですか!?」
「何だよ、僕じゃ不満か?」
「と、とんでもありません! しかし、ジオル森王国の方々を差し置いて……」
ジオル森王国は風の神ウィルムと水の神アクリアを信奉する国で、当然ウィルムを崇め祀る神官達がいる。風の神ウィルムに仕える彼等こそが、真に庇護下にあるべき者のはず。
なのに、命の神フィリアを崇める聖アルトリス王国の人間、ネファスが庇護を受けてよいものか……という思いがあった。
「だぁからさあ。フィリアのとこの常識は、僕の常識じゃないんだって。それに、だ。確かに僕はシルフィドに優先的に加護を与えたりしてるけどさ。別にそれだけじゃないってことくらい知ってるだろうに」
ウィルムは、ふうと溜息をつき、そのままネファスへの胸元へと指を突き付ける。
「もう面倒だからいくぞ。それドーン」
「うわっ!?」
ウィルムの指先から放たれた何かが、ネファスの中に入り込んだ。それは、ネファスの中で浸透し、荒れ狂い、彼の中を作り替え、そして外へと溢れ出す。
「ぐ……ああ……っ!?」
思わず膝をつく。
正体不明の衝動が、ネファスの中に生まれる。それはネファスに囁き、彼を扇動し、彼の中で暴れ出した。
そして、解き放てと叫ぶ。
「あ……あ……あぁああああああっ!」
ネファスを中心に、風が巻き起こった。
それを見て、ウィルムが感心したような声をあげる。
「ほう、これはこれは! 想像以上に相性がいいじゃあないか! 何だ何だ、常識人ぶってやがった癖に……僕と随分気が合いそうな奴だったんだな?」
ネファスの金の髪と青の瞳がウィルムを思わせる緑色に変わった後、再び元の色へと戻る。
そうして、風は収まった。
意識を失ったネファスは、地面に向けてゆっくりと倒れていき……それを、一瞬で近づいたウィルムが支える。
「いやいや、面白い。実に面白い。こんなに面白いモノを見たのは初めてだぞ、うん。僕はお前を気に入った」
ウィルムはそう言うと、身体を支えているのとは反対の手で、ネファスの腰の剣を半分ほど引き抜く。
「ふむ、ふむ。いい剣だとは思うが、今のお前が持つには少し……な」
ウィルムがネファスの剣に力を流し込むと、それは緑色の柄を持つ別物の剣へと変化していく。
さらには、ウィルムの流した力の余波なのか、ネファスの装備までが変化していった。
そしてウィルムは地面に手をかざし、クレイゴーレムを生み出す。
「これでよしっと……ほれ、起きろ」
ウィルムが地面から生えてきたクレイゴーレムにネファスを投げつけると、ネファスは呻きながら目を覚ました。
「こ、此処は……」
「此処は、じゃないだろ。目ぇ覚ませ」
「あだっ!?」
ウィルムが投げた水晶玉を顔面に受けて、ネファスは情けない声をあげた。
ゴキン、という鈍い音をたてて跳ね返った水晶玉を、ネファスを支えていたクレイゴーレムがキャッチする。
「ほら、それ使え」
「へ?」
クレイゴーレムの手元の水晶玉を指され、ネファスは戸惑いつつもそれを手に取った。
「……『現しの水晶』か」
「正解。僕には必要ないけど……便利だよな、これ。人間が造ったんだって?」
『現しの水晶』。対象のステータスを確認できる道具である。
今のヴェルムドールは、その始まりを知っている。
それは、メイドナイトのイチカが輪廻する人生の中で理論を完成させたもの。しかし、そのときの人生では……それを形にする前に殺され、研究を奪われてしまった。
今存在している『現しの水晶』は、それを奪った魔法使いにより世に出されたものだ。その始まりを思えば、単純に便利と割り切れるものではない。
しかし、今それを言ったところでどうにかなるものではない。
だからヴェルムドールは、そうだな、とだけ答える。
「で、だ。ほれ、それ使え」
「は、はい……」
言われてネファスは、クレイゴーレムから『現しの水晶』を受け取った。自分の装備が変わったことには、まだ気づいていない。
「……では、始めます」
「そういうのいらないから、早くしろよ」
少しイラッとした様子のウィルムに慌てて、ネファスは『現しの水晶』に意識を向けた。
2
名前:ネファス・アルヴァニア
種族:人間
ランク:SS
レベル:40
職業:風の神殿騎士
装備:烈風剣ネファス
風の神殿騎士の服
技能:風の神の加護SSS
風の大神殿への導き
守護の風D
剣技D
「なっ……」
『現しの水晶』に表示されたステータスに、ネファスは言葉を失った。
驚いたどころの話ではない。あまりにも、変わりすぎているのだ。
まず、ランクが上昇している。ランクは本人の強さの資質を表すもので、ネファスはもともとAA程度だった。それがいきなりSSにまで急上昇である。
さらに、『風の神の加護SSS』。これはもはや、国によってはエリート神官として熱烈な勧誘を受けるレベルである。
『風の大神殿への導き』や『守護の風』といった技能も追加されているが、ネファスはそんな技能を聞いたことがなかった。
次に職業。ネファスの職業欄は、これまで『エディウス冒険者学校生』と表示されていたはずだ。ところが、現在表示されているのは『風の神殿騎士』である。
例えば、命の神フィリアを崇める聖アルトリス王国のアルトリス大神殿では、神官の職業は皆『神官』であり、『命の神官』などと表示されたりはしない。神官長であろうと同じだ。
そして、神殿を警備する騎士は『神殿守護騎士』と表示される。
つまり、『風の神殿騎士』などと表記される職業は過去に例がなく、それが特別な職業であることは明らかだった。
極めつけは装備である。元の服から見た目も変わってしまった『風の神殿騎士の服』なる緑色の衣装もそうだが、自分の名前のついてしまった剣にネファスは絶句した。
人によっては涙を流して喜ぶような名誉なのだろうが、ネファスにはそう思えなかった。嬉しいどころか、むしろ、今後『現しの水晶』を使われた場合にどう事情を説明したものか……と悩むだけである。
風の神ウィルムに会っただけでも一大事なのに、試練を乗り越えた挙句に過分ともいえる加護の数々を得たなど、聖アルトリス王国の公爵家嫡男というネファスの立場からして政治的に問題視される可能性もある。
これは将来弟に家を任せる必要も出てきたか……などと考えるネファスを満足そうに見ながら、ウィルムはニノに向き直った。
「さて、次はお前か。お前の場合はネファスよりも事情が特殊だが、同じように庇護下に置くことも出来るぞ?」
「そういうのは間に合ってる」
ニノはそう答えると、ヴェルムドールにぎゅっと抱き着いた。
それを見ながら、ウィルムは頷く。
「まあ、そうだろうなあ。とはいえ、何も与えないというのは僕のプライドに関わる問題でな……ちょっと剣借りるぞ?」
「あっ」
ニノにすら認識できない速度で彼女の双剣を引き抜くと、ウィルムはそれをじっと見つめる。
「ふむ、ふむ。これは……普通の聖銀の剣だな。ここまで何の変哲もない剣も珍しい。よく先刻の戦いで折れなかったものだ」
「文句あるなら返して」
「おっと」
ニノの手をひらりと避けると、ウィルムはそうだ、と声をあげる。
「よし、決めたぞ。お前への褒美はこうだ」
その言葉と同時に、ウィルムの手の中の双剣が砕け散って銀の粒子になった。そして、次の瞬間にはその粒子が集まり……再び、ウィルムの手の中で双剣の形になる。
ただし、現れたのは今までの剣とは全くデザインの異なるものだ。
緑を基調としたデザイン。銀色の刀身すらも、光の加減によっては緑色を帯びる。
「風神銀の曲刀ってところか。曲刀アルレリスと曲刀ランレリスっていうのが新しい名前だ。大事にしろよ?」
「別に頼んでない」
「なあに、すぐに泣いて喜ぶさ。それに今後も剣で戦うつもりなら、いい剣を持つに越したことはない」
ニノの腰の鞘に曲刀を戻すウィルムに舌打ちしながらも、ニノはその言葉については否定しない。
剣士にとって、剣とは相棒に等しい。自分の命を預けている以上、より良い剣を求めるのは当然のことだ。
最上ランクの「銘剣」以上の剣ですら中々手に入るものではないのだが、神の手によるモノともなれば、長命な魔族のニノが一生をかけたとしても手に入るかどうか分からない。
そう、ニノにも理解できる。この新しい二本の曲刀は、これ以上ないくらいニノに相応しいものである……と。ニノの剣士としての本能が自分に最も馴染む剣であることを告げていた。
しかし、なんとなくウィルムがムカつくので、それを口には出さない。
ウィルムはそんな複雑な思いで睨み付けてくるニノを見てニヤリと笑った後、今度はヴェルムドールとサンクリードの方に向き直る。
「さて、と……。お前等はどうしたもんか。無理矢理此処に辿り着かれるわ、羽の生えた魔族が湧き出てくるわで、バタバタしてて試練も受けさせてないからな。そっちの男はそもそも受けさせても無駄だし、もう一人のほうは別の意味で面倒くさそうだし。どうなってんだコレ」
心の底から面倒くさそうに溜息をつくと、ウィルムはヴェルムドールとサンクリードを交互に見た。
受けさせても無駄というのは自分のことだろうか、とヴェルムドールは思う。
確かにヴェルムドールには魔神の加護があるので、さらに風の神の加護を受けるのは不可能なのかもしれない。
もっとも、サンクリードにも魔神の加護があるので条件は同じはずである。そもそも、かつて此処を訪れたという勇者リューヤも、何らかの神の加護があったのではないだろうか。
となると、ウィルムの言葉の意味が分からない。
「……どういう意味だ?」
「教えてやらん。聞きたきゃ別の神に聞いてくれ。ていうかお前、アレだ。自分達のことについて、ネファスに話してあるのか?」
「ネファス……というのは、そこの人間だったか。いや、話してはいないな」
「ふーん、そうか。おい、ネファス」
まだ何やら深刻そうな表情でブツブツと呟いていたネファスは、顔をあげてウィルムを見る。
「は、はい。何でしょうか……」
「うん、紹介してやる。こいつが魔王だ」
「は?」
「うん、こいつが魔王だ。魔王ヴェルムドール。で、残りの二人も魔族だ」
「は?」
ウィルムが何を言っているのか理解できず、ネファスはまずヴェルムドールを見た。
続いてサンクリードを見て、最後にニノを見る。
そして、もう一度ヴェルムドールに視線を戻した。
「……ザダーク王国の国王、ヴェルムドールだ。ニノが世話になったな」
「あ、はい。聖アルトリス王国アルヴァニア公爵家、ネファス・アルヴァニアです。どうぞよろしく……」
理解の追いつかないまま普段通りの挨拶をした後、ネファスはウィルムとヴェルムドールの言葉を反芻する。
魔王。ザダーク王国国王。
そういえば、ジオル森王国はザダーク王国と友好条約を結んでいたのだったな……と思い出す。
「何だか、納得できました」
「お、そうかい?」
「ええ」
そう言って、ネファスは頷いた。
考えてみれば、特殊なことでもなければ難しいことでもない。ネファス自身、人間であるとわざわざ言ったことなどないのだから、ニノが魔族で、それを伝えなかったとしても何の不思議もないだろう。
ニノと深く関わったせいか、魔族と友好条約を結んだジオル森王国に長くいる影響か、それとも風の神の力を受けた影響か……理由は分からないが、今のネファスにはニノが魔族であっても、それが大したこととは思えなかった。むしろ、魔族だと分かったことで今までのニノの行動や実力に何となく合点がいった。
「じゃあ解決ってことで。面倒くさい部分はなるべく減らしたほうが話が早いからな。で、魔王がそんな面倒くさい奴連れて何しに来た?」
『別の意味で面倒くさそう』なのはサンクリードのことだったか、とヴェルムドールは苦笑した。
西方将サンクリードは、ヴェルムドールが創り出した魔族の「勇者」である。
確かに、魔王が勇者を連れてくるというのは相当に奇妙な状況だろう。
「……対抗する力を得るために来た。何に対抗するか、は分かっているはずだ」
「だから面倒くさいって言ってるんだがな。まったく……フィリアの奴が余計なことするからこんなことになるんだ」
ウィルムの言葉にネファスが訝しげな顔をするが、ウィルムは気にするなと手を振る。
「あー、ネファス。お前は外に出てろ。此処にはもういつでも来られるから心配しなくていい」
ウィルムが言い終わると同時に、ネファスの姿が消えた。
それを確認すると、ウィルムは小さく溜息をつく。
「まあ、いつかこうなることは分かってたよ」
「さっきから……一体何を言っているんだ? 何を知っている?」
「教えてやらん。せいぜい悩め」
ウィルムは意地悪そうに口元を歪めると、サンクリードの方に向き直った。
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