50 / 75
*50* 新しい関係
「父さん、その情報は父さん自身で集めたものでしょうか?」
直嗣さんは、七代目当主に確認する。
「うん、そうだな。私の影を使って確認した情報だ。しかし、動き出すのは時間の問題だな。」
「そうですか…解りました。」
話の流れから、食事の雰囲気がとても重苦しいものになっていく。
「そんなに重く考えずに、ね。私達はみんな同じ意見なんだから、力を合わせて乗り切りましょ。結婚するならば、少々ドラマチックな方がもっと幸せを感じられるわよ、きっと!!」
お母さんは敢えて明るい声で場を和ませてくれた。
「そう…ですよね。私も、あまりに順調に話が進んでいたので、少々拍子抜けしていたところです。」
お母さんの言葉を受けて、私も出来るだけ明るく答えた。
「さくら…ごめん。辛い思いをさせると思うけれど、俺は何時でもさくらの事だけを見つめているから。」
折角、場を和ませたのに直嗣さんは苦しそうにそう言う。
「直嗣、必ずさくらさんを幸せにしなさい。」
七代目当主は、直嗣さんを見ながら優しく微笑んだ。
ここから、私達と六代目当主との戦いが始まる。
**********
そうして、七代目当主が言っていたとおり、直嗣さんと佐山財閥のご令嬢とのお見合いが執り行われた。
お見合いは恙無く終了し、表向きは、直嗣さんとご令嬢の親密なお付き合いが始まっているように見える。
私は、直嗣さんがご令嬢と出掛ける様子をただただ、宝生院家で見守っているしか出来ず、佐山財閥のご令嬢との話が進んでいる間は、お互いの身体に触れ合う事も無かった。
お互いに顔を見ても、挨拶するだけ…という、本当に宝生院家の御曹司と行儀見習いという関係のようだった。
直嗣さんの気持ちが、佐山財閥のご令嬢へと心変わりしていたらどうしよう…両想いなはずなのに、片想いのような苦しさを味わう。
こんな事ならば、お見合いの話を断って欲しいと何故強く言わなかったのだろう…。
今の状況は、流石にみのりちゃんに相談する事も出来ず、拓実くんにはもっと相談する事が出来ず…自分の中でだけ嵐が吹き荒れている状態だ。
七代目当主とお母さんは、ただ優しく私達を見守り、今までと全く変わらずに、自分の娘のように接してくれている。
今は…それさえも苦しい。
ベッドに入ると、この悪夢のような中途半端な状況に押し潰されそうになり、泣き濡れた日々を過ごしていた。
そんな苦しい日々を二か月程過ごした頃に、追い打ちを掛けるような更なる悪夢が重ねられる事になる。
私自身が、再び、六代目当主に呼び出されたのだ。
直嗣さんは、七代目当主に確認する。
「うん、そうだな。私の影を使って確認した情報だ。しかし、動き出すのは時間の問題だな。」
「そうですか…解りました。」
話の流れから、食事の雰囲気がとても重苦しいものになっていく。
「そんなに重く考えずに、ね。私達はみんな同じ意見なんだから、力を合わせて乗り切りましょ。結婚するならば、少々ドラマチックな方がもっと幸せを感じられるわよ、きっと!!」
お母さんは敢えて明るい声で場を和ませてくれた。
「そう…ですよね。私も、あまりに順調に話が進んでいたので、少々拍子抜けしていたところです。」
お母さんの言葉を受けて、私も出来るだけ明るく答えた。
「さくら…ごめん。辛い思いをさせると思うけれど、俺は何時でもさくらの事だけを見つめているから。」
折角、場を和ませたのに直嗣さんは苦しそうにそう言う。
「直嗣、必ずさくらさんを幸せにしなさい。」
七代目当主は、直嗣さんを見ながら優しく微笑んだ。
ここから、私達と六代目当主との戦いが始まる。
**********
そうして、七代目当主が言っていたとおり、直嗣さんと佐山財閥のご令嬢とのお見合いが執り行われた。
お見合いは恙無く終了し、表向きは、直嗣さんとご令嬢の親密なお付き合いが始まっているように見える。
私は、直嗣さんがご令嬢と出掛ける様子をただただ、宝生院家で見守っているしか出来ず、佐山財閥のご令嬢との話が進んでいる間は、お互いの身体に触れ合う事も無かった。
お互いに顔を見ても、挨拶するだけ…という、本当に宝生院家の御曹司と行儀見習いという関係のようだった。
直嗣さんの気持ちが、佐山財閥のご令嬢へと心変わりしていたらどうしよう…両想いなはずなのに、片想いのような苦しさを味わう。
こんな事ならば、お見合いの話を断って欲しいと何故強く言わなかったのだろう…。
今の状況は、流石にみのりちゃんに相談する事も出来ず、拓実くんにはもっと相談する事が出来ず…自分の中でだけ嵐が吹き荒れている状態だ。
七代目当主とお母さんは、ただ優しく私達を見守り、今までと全く変わらずに、自分の娘のように接してくれている。
今は…それさえも苦しい。
ベッドに入ると、この悪夢のような中途半端な状況に押し潰されそうになり、泣き濡れた日々を過ごしていた。
そんな苦しい日々を二か月程過ごした頃に、追い打ちを掛けるような更なる悪夢が重ねられる事になる。
私自身が、再び、六代目当主に呼び出されたのだ。
あなたにおすすめの小説
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
【完結】クズ男と決別した私の未来は輝いている。
カシスサワー
恋愛
五年間、幸は彼を信じ、支え続けてきた。
「会社が成功したら、祖父に紹介するつもりだ。それまで俺を支えて待っていてほしい。必ず幸と結婚するから」
そう、圭吾は約束した。
けれど――すべてが順調に進んでいるはずの今、幸が目にしたのは、圭吾の婚約の報せ。
問い詰めた幸に、圭吾は冷たく言い放つ。
「結婚相手は、それなりの家柄じゃないと祖父が納得しない。だから幸とは結婚できない。でも……愛人としてなら、そばに置いてやってもいい」
その瞬間、幸の中で、なにかがプチッと切れた。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
幼馴染に10年片想いしてたら、冷酷御曹司にプロポーズされました
ほーみ
恋愛
春の匂いが、駅前の並木道をくすぐる。満開の桜の下、私はひとり歩いていた。駅までの道は、高校時代、彼とよく歩いた道だ。
制服姿の学生が笑いながらすれ違っていくのを横目に、私はスマホを見下ろした。
「今日、伝えるって決めたんじゃなかったの?」
送信したきり返信のないメッセージ。画面には「既読」の文字があるだけだった。
――渡瀬 湊。私が10年間片想いをしている、幼馴染。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」