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武藤整体院
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日本は狙われている。それも世界中から。
理由は日本の企業が、すぐに傷の治る回復薬の開発に成功したから。だが、この貴重なカードをどう使うかで、日本の今後が大きく左右されるだろう。とはいうものの、現在の日本政府は半麻痺状態な機能不全に陥っている。
それは政治家どもが、内輪でモメに揉めているから。
非常事態につき現在の内閣を即時解体ではなく出来うる限り維持した状態で対応を取りたいと考えている与党と、現内閣を即時解体したうえでさらに特別選挙を行って政権を取って代わりたい野党とが、激しく対立しているのだ。
『内閣の即時解体もできず、次の総理大臣もまともに決められないのなら、特別選挙を行って新たな政権を決めるべきだ!』とは、とある野党議員の言だが、この非常時にそんな悠長な真似をしていられるはずもなく、実に盲目的な発言といえる。
要するにどっちもこのダンジョンスタンピードというどさくさに紛れ大事な法律を無視し、うまいこと自分達の利益を計ったり守ったりしたいという腹。
な訳で次の総理大臣すらも、まともに決まっていない。
通常であれば与党内から新たな内閣総理大臣が選出される。だが、このたいへんな国難に直面した現状で、その全責任を負うという重責を担えるだけの腹の据わった者が現在の与党にひとりとしておらず、今日も無駄に会議を重ねている。
まったくこの先、どうなってしまうのやら。。。
…。
まぁそんな情勢はさておき、オレ達はダン活を始めて3日が経った。
「(ぽち)あ賢治兄ぃ?…うん、元気。え、おじさんが心配してるって?だいじょうぶだよ、サンドラさん知ってるだろ?うん、うん…そう、あの時助けてもらった。今、そのサンドラさんの兄貴のとこで鍛えてもらってるから。アタシもだいぶ強くなったんだぜ!うん、それじゃ」
「(ぽち)あ提督?…うん、元気。え、どうして顔見せないって?悪いわるい、今またバイトしててさ。うん、ジャングのヤツ知ってるだろ。今アイツの仕事手伝っててな。年明けにはまた顔見せるからさ。うん…じゃあよろしく!」
うむむ…、非常に口の悪いJKシャーク。
だがこれでいてみんなの愛されキャラらしく、しょっちゅう誰かしらから連絡がきては電話で話している。オレなんか彼女になってくれた瑠羽くらいしか普段連絡をもらえないのに、その人気にちょっとジェラシーだ。
「ふぅ…。ん、どうかしたか?」
「いや、なにも…」
「そうか?」
ていうかおまえの着信ワルキューレの騎行なのな、地獄の黙示録か?
「それはともかく今日は休みにしたんだ。早く顔をみせに帰って、おばさんたちを安心させてやれよ」
「ああ。ま、トレーニングを終えてからだな!だから粘液ロープ出してくれよ」
「もう、仕方ないな…」
ダン活する女性陣の士気は高かった。
まだレベルが低い事もあって上昇も早いし、不思議なスキルが自分のモノになるというのが、なによりも彼女らの士気を高めていた。ちなみにダン活とは、ダンジョンにおける経済活動と身体強化活動の略だ。
そんな訳でシャークも張り切ってトレーニングに励み、とてもレベル8とは思えない力を発揮している。
「それじゃコーチ、私も行ってきますね」
「うん、気を付けてな」
眩しくも清純な笑顔を浮かべ、レベル11になった瑠羽は自宅に戻るべく部屋を出ていった。
その内訳は元のレベル6にオレから吸収したレベルが+3、スライムとの戦闘で+2だ。オレは彼女たちにエナジードレインされて、レベルが9も下がってしまったからな。とはいえ二桁ともなると、さすがにもうスライムだけではレベルの上りも鈍いようだ。
「じゃあ私も、コインランドリー行って来るね」
「ああ、いってらっしゃい」
レベル12になった元気でお胸の大きな瀬来さんは、コインランドリーにおでかけ。さらに彼女たちには単純にレベルが上がっただけではなく、職業【鳴人の特待生】という素敵な補正があったのだ。
それは驚きの『能力値上昇補正+30%』というシロモノ。
これは4人分の上昇値を教えてもらい、それを元に算出した数値なのでまず間違いはないだろう。なにそれ!すごい羨ましいんですけど!オレも特待生になりたいッ!というか職業:教師には、何か補正はないんディスか!?
「コォチも今日は出かけるんやろ?」
「ああ、騒ぎの前に整体学校の知り合いが開業したからね。落ち着いて来たしお祝いがてらお店をみて来るよ」
「ほんならウチはお留守番してるわ、洗濯機使わせてな」
うん、今日も艶っつやの色っぽさを醸している仁菜さんは、節約の為にコインランドリーではなくウチで洗濯をする模様。だいじなお金は、投資に回すのだろう。
しかし、仁菜さんの下着か…。これにはずっとオレの服しか洗ってこなかった古びた洗濯機も、大喜びするな。喜び過ぎて壊れなきゃいいけど。
「じゃあオレもそろそろ行ってくるよ。シャークがイタズラしないよう見ててくれる?」
「だいじょうぶやて、あの子あれでしっかりしとるもん」
「そうか」
「うん、ほな気ぃつけてな(チュッ)」
おほっ。ほっぺにチューでおでかけなんて、新婚さんみたいでテンションあがる!
……。
名刺の住所を頼りにバイクで向かうと、武藤整体院は商店街の雑居ビルの2階にあった。そうしてやってきた武藤整体院だったが、そこにはなぜか佐藤や加藤、後藤ちゃんの姿まで。
「あれ、なんでみんながここにいるんだ?」
「あ、ズッキーさんまた男に戻れたんですね!」
「学校も通ってますけど、実地研修もかねてここでバイトさせてもらってるんですよ」
「おいおい、こりゃまた大繁盛だな。ん、ていうか怪我人がやけに多くないか?」
さほど広くない雑居ビルのテナント。入り口カウンターと待合スペースからも施術スペースが丸見えだ。その待合スペースに、手足を怪我したようなけっこうなお客?が順番を待っている。
で、不思議に思い奥へと視線を向ける。と、ブルドック顔の武藤さんがポロシャツを脱いだ中年男性の背中を縫っていた。
「え、武藤さん、これはまたどうして…?」
「ああ、ズッキーか!悪いが少し待っててくれ、いま手が離せなくてな…」
首を傾げていると、こちらに気付いた武藤さんが声をかけてくれた。
「フラッと来たのはこっちだから、それは構わないけど。なんでまた武藤さんが医療行為なんか…?」
「いやぁ、俺もこんな事になるなんて夢にも思わなかったんだがなぁ~…」
そう言いながらも武藤さんは、マッサージだこのある無骨な手で器用に中年男性の背中の傷を縫っていく。すると代わりに、武藤さんの背後に立って看護婦の様に動いていた白衣のふくよかおばさんが口を開いた。
「あの時はホントに大変でしたものねぇ~。あ、はじめまして。わたしは須藤と申します」
「須藤さんはな、隣の薬局の薬剤師さんだ。ああ須藤さん、コイツは俺の友人でズッキーというんだ」
「どうも」
聞けば、ダンジョンスタンピードが起きたあの日。
武藤さんの整体院にも須藤さんの薬局にも、ダンジョンから溢れ出たモンスターに襲われ怪我を負った人たちが「なんとかしてくれ!」と大勢押し寄せたらしい。病院に行くにしてもその道中の街中がデンジャーゾーンでは、そうせざるを得なかったのだろう。
で、困った武藤さんはとにかく傷の消毒薬をと薬局に向かった。すると薬局の須藤さんも同じ状況に追い込まれていることを知り、どうにかふたりで協力し怪我人の治療にあたったそうな…。
「そうよ。それが続いて、今もこの有様ってわけだ」
「なるほど。でも武藤さんて、医師免許なんて持ってた?」
「んなモンあるわきゃないだろ。だからマッサージ代と医薬品の金だけ貰って、怪我の治療はサービスなんだよ」
「ああ。病院はどこもパンク状態で、いくら待っても診てもらえないからなぁ~。ほんと世話んなるよ先生、イチチ…ッ!」
オレの疑問に、武藤さんと傷を縫われている中年男性が揃って答えてくれる。なるほど、そういうことか。まぁ双方同意のもとなら、問題ないのかな。
「しかし…けっこう深い傷だ。コレは刃物を持ったゴブリンにでも?」
「いや、そういうのに詳しいヤツがいうには、チュパカブラとか言ってたぞ?」
「はぁッ!?」
え、ちょっとなにソレ!?チュパカブラって、メキシコだかに出る羊やらヤギやらの家畜の血をちゅ~ちゅ~吸っちゃうUMAでしょ!
「いや、俺も詳しくは知らんよっ!ただそういうのに詳しそうなヤツが、あれはチュパカブラに違いない!って言ってたから、そうなんだろ!イチチ…ッ!せ、先生、もっとやさしくッ!」
「ほら…動くな。ジッとしてないか…」
すげぇ…、日本にもでるんだチュパカブラ。ていうかダンジョンからか。
よく視れば中年男性の背中の長い切り傷には、それに沿うように左右にも細く長い切り傷が走っている。こちらは縫うほどではないが、とすると3本の長い爪のようなモノで切りつけられたのかもしれない。
「ちなみにどんな化け物だった?」
「ん…?ああ、背後から急に襲われたからな。ちゃんとは視てない…。でもデカくて真っ赤な眼でな、口が耳まで裂けた恐ろしい顔をしてたぞ…!」
背中を縫われている中年男性はその時の事を思い出したのか、首を竦めてぶるると身震いする。すると、縫われた傷が引き攣れたのかまた「イテテ!」と声をあげた。
「こらズッキー、治療の邪魔だぞ」
「あ、悪い武藤さん。じゃあお邪魔のようだしそろそろ帰るよ。あ、コレお土産。肉を燻製にしてみたんだ。薄く切ってラーメンに入れても美味いと思うぞ」
「そうか悪いな、じゃあまた顔見せに寄ってくれ」
「ああ、また来るよ。じゃ」
「え、ズッキーさんもう帰っちゃうの??」
「うん、後藤ちゃんもまた!」
いやはや、武藤さんお客に信頼されてるようで、大活躍だったな。アレだな、これは白ヒゲとかクマヒゲならぬ、ブルドック先生だ。まぁなにはともあれ、元気でやってるようでなによりだ。
しかし…それにしてもチュパカブラか。どうせならオレはそんな醜い化け物よりも、可愛い女の子にちゅ~ちゅ~されたいもんだ。
理由は日本の企業が、すぐに傷の治る回復薬の開発に成功したから。だが、この貴重なカードをどう使うかで、日本の今後が大きく左右されるだろう。とはいうものの、現在の日本政府は半麻痺状態な機能不全に陥っている。
それは政治家どもが、内輪でモメに揉めているから。
非常事態につき現在の内閣を即時解体ではなく出来うる限り維持した状態で対応を取りたいと考えている与党と、現内閣を即時解体したうえでさらに特別選挙を行って政権を取って代わりたい野党とが、激しく対立しているのだ。
『内閣の即時解体もできず、次の総理大臣もまともに決められないのなら、特別選挙を行って新たな政権を決めるべきだ!』とは、とある野党議員の言だが、この非常時にそんな悠長な真似をしていられるはずもなく、実に盲目的な発言といえる。
要するにどっちもこのダンジョンスタンピードというどさくさに紛れ大事な法律を無視し、うまいこと自分達の利益を計ったり守ったりしたいという腹。
な訳で次の総理大臣すらも、まともに決まっていない。
通常であれば与党内から新たな内閣総理大臣が選出される。だが、このたいへんな国難に直面した現状で、その全責任を負うという重責を担えるだけの腹の据わった者が現在の与党にひとりとしておらず、今日も無駄に会議を重ねている。
まったくこの先、どうなってしまうのやら。。。
…。
まぁそんな情勢はさておき、オレ達はダン活を始めて3日が経った。
「(ぽち)あ賢治兄ぃ?…うん、元気。え、おじさんが心配してるって?だいじょうぶだよ、サンドラさん知ってるだろ?うん、うん…そう、あの時助けてもらった。今、そのサンドラさんの兄貴のとこで鍛えてもらってるから。アタシもだいぶ強くなったんだぜ!うん、それじゃ」
「(ぽち)あ提督?…うん、元気。え、どうして顔見せないって?悪いわるい、今またバイトしててさ。うん、ジャングのヤツ知ってるだろ。今アイツの仕事手伝っててな。年明けにはまた顔見せるからさ。うん…じゃあよろしく!」
うむむ…、非常に口の悪いJKシャーク。
だがこれでいてみんなの愛されキャラらしく、しょっちゅう誰かしらから連絡がきては電話で話している。オレなんか彼女になってくれた瑠羽くらいしか普段連絡をもらえないのに、その人気にちょっとジェラシーだ。
「ふぅ…。ん、どうかしたか?」
「いや、なにも…」
「そうか?」
ていうかおまえの着信ワルキューレの騎行なのな、地獄の黙示録か?
「それはともかく今日は休みにしたんだ。早く顔をみせに帰って、おばさんたちを安心させてやれよ」
「ああ。ま、トレーニングを終えてからだな!だから粘液ロープ出してくれよ」
「もう、仕方ないな…」
ダン活する女性陣の士気は高かった。
まだレベルが低い事もあって上昇も早いし、不思議なスキルが自分のモノになるというのが、なによりも彼女らの士気を高めていた。ちなみにダン活とは、ダンジョンにおける経済活動と身体強化活動の略だ。
そんな訳でシャークも張り切ってトレーニングに励み、とてもレベル8とは思えない力を発揮している。
「それじゃコーチ、私も行ってきますね」
「うん、気を付けてな」
眩しくも清純な笑顔を浮かべ、レベル11になった瑠羽は自宅に戻るべく部屋を出ていった。
その内訳は元のレベル6にオレから吸収したレベルが+3、スライムとの戦闘で+2だ。オレは彼女たちにエナジードレインされて、レベルが9も下がってしまったからな。とはいえ二桁ともなると、さすがにもうスライムだけではレベルの上りも鈍いようだ。
「じゃあ私も、コインランドリー行って来るね」
「ああ、いってらっしゃい」
レベル12になった元気でお胸の大きな瀬来さんは、コインランドリーにおでかけ。さらに彼女たちには単純にレベルが上がっただけではなく、職業【鳴人の特待生】という素敵な補正があったのだ。
それは驚きの『能力値上昇補正+30%』というシロモノ。
これは4人分の上昇値を教えてもらい、それを元に算出した数値なのでまず間違いはないだろう。なにそれ!すごい羨ましいんですけど!オレも特待生になりたいッ!というか職業:教師には、何か補正はないんディスか!?
「コォチも今日は出かけるんやろ?」
「ああ、騒ぎの前に整体学校の知り合いが開業したからね。落ち着いて来たしお祝いがてらお店をみて来るよ」
「ほんならウチはお留守番してるわ、洗濯機使わせてな」
うん、今日も艶っつやの色っぽさを醸している仁菜さんは、節約の為にコインランドリーではなくウチで洗濯をする模様。だいじなお金は、投資に回すのだろう。
しかし、仁菜さんの下着か…。これにはずっとオレの服しか洗ってこなかった古びた洗濯機も、大喜びするな。喜び過ぎて壊れなきゃいいけど。
「じゃあオレもそろそろ行ってくるよ。シャークがイタズラしないよう見ててくれる?」
「だいじょうぶやて、あの子あれでしっかりしとるもん」
「そうか」
「うん、ほな気ぃつけてな(チュッ)」
おほっ。ほっぺにチューでおでかけなんて、新婚さんみたいでテンションあがる!
……。
名刺の住所を頼りにバイクで向かうと、武藤整体院は商店街の雑居ビルの2階にあった。そうしてやってきた武藤整体院だったが、そこにはなぜか佐藤や加藤、後藤ちゃんの姿まで。
「あれ、なんでみんながここにいるんだ?」
「あ、ズッキーさんまた男に戻れたんですね!」
「学校も通ってますけど、実地研修もかねてここでバイトさせてもらってるんですよ」
「おいおい、こりゃまた大繁盛だな。ん、ていうか怪我人がやけに多くないか?」
さほど広くない雑居ビルのテナント。入り口カウンターと待合スペースからも施術スペースが丸見えだ。その待合スペースに、手足を怪我したようなけっこうなお客?が順番を待っている。
で、不思議に思い奥へと視線を向ける。と、ブルドック顔の武藤さんがポロシャツを脱いだ中年男性の背中を縫っていた。
「え、武藤さん、これはまたどうして…?」
「ああ、ズッキーか!悪いが少し待っててくれ、いま手が離せなくてな…」
首を傾げていると、こちらに気付いた武藤さんが声をかけてくれた。
「フラッと来たのはこっちだから、それは構わないけど。なんでまた武藤さんが医療行為なんか…?」
「いやぁ、俺もこんな事になるなんて夢にも思わなかったんだがなぁ~…」
そう言いながらも武藤さんは、マッサージだこのある無骨な手で器用に中年男性の背中の傷を縫っていく。すると代わりに、武藤さんの背後に立って看護婦の様に動いていた白衣のふくよかおばさんが口を開いた。
「あの時はホントに大変でしたものねぇ~。あ、はじめまして。わたしは須藤と申します」
「須藤さんはな、隣の薬局の薬剤師さんだ。ああ須藤さん、コイツは俺の友人でズッキーというんだ」
「どうも」
聞けば、ダンジョンスタンピードが起きたあの日。
武藤さんの整体院にも須藤さんの薬局にも、ダンジョンから溢れ出たモンスターに襲われ怪我を負った人たちが「なんとかしてくれ!」と大勢押し寄せたらしい。病院に行くにしてもその道中の街中がデンジャーゾーンでは、そうせざるを得なかったのだろう。
で、困った武藤さんはとにかく傷の消毒薬をと薬局に向かった。すると薬局の須藤さんも同じ状況に追い込まれていることを知り、どうにかふたりで協力し怪我人の治療にあたったそうな…。
「そうよ。それが続いて、今もこの有様ってわけだ」
「なるほど。でも武藤さんて、医師免許なんて持ってた?」
「んなモンあるわきゃないだろ。だからマッサージ代と医薬品の金だけ貰って、怪我の治療はサービスなんだよ」
「ああ。病院はどこもパンク状態で、いくら待っても診てもらえないからなぁ~。ほんと世話んなるよ先生、イチチ…ッ!」
オレの疑問に、武藤さんと傷を縫われている中年男性が揃って答えてくれる。なるほど、そういうことか。まぁ双方同意のもとなら、問題ないのかな。
「しかし…けっこう深い傷だ。コレは刃物を持ったゴブリンにでも?」
「いや、そういうのに詳しいヤツがいうには、チュパカブラとか言ってたぞ?」
「はぁッ!?」
え、ちょっとなにソレ!?チュパカブラって、メキシコだかに出る羊やらヤギやらの家畜の血をちゅ~ちゅ~吸っちゃうUMAでしょ!
「いや、俺も詳しくは知らんよっ!ただそういうのに詳しそうなヤツが、あれはチュパカブラに違いない!って言ってたから、そうなんだろ!イチチ…ッ!せ、先生、もっとやさしくッ!」
「ほら…動くな。ジッとしてないか…」
すげぇ…、日本にもでるんだチュパカブラ。ていうかダンジョンからか。
よく視れば中年男性の背中の長い切り傷には、それに沿うように左右にも細く長い切り傷が走っている。こちらは縫うほどではないが、とすると3本の長い爪のようなモノで切りつけられたのかもしれない。
「ちなみにどんな化け物だった?」
「ん…?ああ、背後から急に襲われたからな。ちゃんとは視てない…。でもデカくて真っ赤な眼でな、口が耳まで裂けた恐ろしい顔をしてたぞ…!」
背中を縫われている中年男性はその時の事を思い出したのか、首を竦めてぶるると身震いする。すると、縫われた傷が引き攣れたのかまた「イテテ!」と声をあげた。
「こらズッキー、治療の邪魔だぞ」
「あ、悪い武藤さん。じゃあお邪魔のようだしそろそろ帰るよ。あ、コレお土産。肉を燻製にしてみたんだ。薄く切ってラーメンに入れても美味いと思うぞ」
「そうか悪いな、じゃあまた顔見せに寄ってくれ」
「ああ、また来るよ。じゃ」
「え、ズッキーさんもう帰っちゃうの??」
「うん、後藤ちゃんもまた!」
いやはや、武藤さんお客に信頼されてるようで、大活躍だったな。アレだな、これは白ヒゲとかクマヒゲならぬ、ブルドック先生だ。まぁなにはともあれ、元気でやってるようでなによりだ。
しかし…それにしてもチュパカブラか。どうせならオレはそんな醜い化け物よりも、可愛い女の子にちゅ~ちゅ~されたいもんだ。
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