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ジャイアントアント
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「それっ、受け取れマサル!」
正面から襲いかかってきた巨大オオクロアリを、巴投げで後方にいるマサルにパス。すると飛ばされていった巨大オオクロアリに、マサルの杭打機みたいな鋭く強力な蹴りが突き刺さり粉砕。飛び散りながら煙となって消えていく。
(コイツ…、ホント蹴りの威力はとんでもないな)
素で喰らったら、オレでもアバラを折られそうな威力にゾッとする。
「マサルちゃん、やるやん」
「やったね、マサル!」
うん、地下6層では巨大オオクロアリがそこそこ戦える相手なので、マサルにチームプレイを教育中なのである。
これが集団で狩りをする狼などの生き物ならばその必要もないのだろうが、いかんせんマサルは草食動物のカンガルー。そのため戦い方は繁殖の権利をかけたカンガルー同士のキックボクシングスタイル。
なのでマサルには、集団戦闘という概念を教えてあげないといけないのだ。
そして巨大オオクロアリの倒されたあとには、鋭い顎と魔石がドロップ。顎はそのままでもナイフか杭のようにして武器にできそうである。
「ま、強さ的にはさほどでもないかな」
「そやね、あのデカバッタと変わらんのやない?」
別の巨大オオクロアリを倒し終えた仁菜さんも、そんな感想を漏らしながら近づいてきた。
「でもほんとにアリの巣みたいな階層ね。天井も低かったりするから、ひっかけないようにねシズ」
「万智とは違うんやからダイジョウブやて。でも気をつけんといかんな」
……。
そんな感じで危なげなく進行し地下7層におりると、そこにはさらに大きくなった巨大オオクロアリがいた。
「ん~。でもこれくらいの大きさだと、ようやくジャイアントアントって感じがするな」
大きさは1メートル強から2メートル強に変わり、大幅サイズアップ。
きっとその分だけ力も耐久力もあがっていることだろう。そこで地下6層ではふたりに頑張ってもらったので、7層ではまずオレが前に立ちジャイアントアントの力量を確認してみることに。
「よし、ではどれほど頑丈になったのかオレが見てやろう。喰らえ、忍法粘液五段返しッ!!」
解説しよう。粘液五段返しとは粘液ロープで捕まえた敵をアレよ、なんかこう左右にビッタンビッタンてするでしょ。そしたら最後は遠心力を利かせた一本背負い。スバンと脳天逆落としで、力任せに地面に叩きつけちゃう連続技なのだ。
これを喰らった敵は、粘液で縛られたまま受け身もとれずに激しく壁や地面に叩きつけられる。なので体中の骨や外殻がグシャグシャになって、大抵死ぬという恐ろしい技。
なお忍法とつけてはいるが、特に忍法という訳ではない。
「イチ!ニィ!…なんだ、サンの手前で逝ってしまったか」
ジャイアントアントを左右の壁に叩きつけ、もう一度左の壁に叩きつけようと粘液ロープをふるったのだが、壁に激突する前に消滅してまった。
「ひゃ~、相変わらずスゴい力やねぇ」
「え~、私もソレやりた~い!」
「ハハハ。でもこの技はある程度空間がないと上手くいかないぞ?せめて幅が5メートルくらいはないと」
うん、それくらいの幅がないと力を加えても速度にのる前に反対側の壁に激突してしまい、威力が半減してしまう。
「あ、ならさ。次の敵はまかせて。いくよ…剛腕肘掌ッ!!」
次いで通路の奥から現れたジャイアントアントを目にすると、骨ハンマーを手放した瀬来さんが駆けこんでいって、その胴に剛腕肘掌を見舞った。
すると『ドズンッ!』という鈍い音が響いて、ジャイアントアントの胴がめっこりと陥没。口からゲパリと体液を吐き出しながら絶命していった。
「うん、いい動きだ」
攻撃を放つ前には足捌きと手の動きでジャイアントアントの顎を上へとはねあげ、がら空きになった胴へと剛腕肘掌。これは震脚を用いた肘打ちに加え、インパクトの瞬間に反対の手でも肘打ちする側の腕の拳を掌底で後押しする、これまたパイルバンカーのような攻撃手法。
普通の震脚による肘打ちでも充分強力なのだが、それに加えスキル【剛腕】の力ものせるため考案した瀬来さんの必殺技なのだ。
そしてこちらは粘液五段返しのように広い空間を必要としない為、今のような閉所の戦闘には実に向いている。
「でもやっぱり、このアリにも酸は効かへんみたいやねぇ」
さらに別で現れたジャイアントアントを粘液で縛りながら酸を浴びせていた仁菜さんが、その検証結果を教えてくれる。
「ふぅむ、蟻もギ酸を使うからな。酸に耐性を持っていてもおかしくはないか」
「ならアリには酸を使わない方がいいわね。せっかく練った魔力がムダになっちゃうもの」
「うむ、そういうことだな。粘液からの打撃が安定のようだし、このスタイルでしばらくいこうか」
「それがええやろね。わ、またゾロゾロときよったよ」
おっと、地下7層では大歓迎だな。
正面から襲いかかってきた巨大オオクロアリを、巴投げで後方にいるマサルにパス。すると飛ばされていった巨大オオクロアリに、マサルの杭打機みたいな鋭く強力な蹴りが突き刺さり粉砕。飛び散りながら煙となって消えていく。
(コイツ…、ホント蹴りの威力はとんでもないな)
素で喰らったら、オレでもアバラを折られそうな威力にゾッとする。
「マサルちゃん、やるやん」
「やったね、マサル!」
うん、地下6層では巨大オオクロアリがそこそこ戦える相手なので、マサルにチームプレイを教育中なのである。
これが集団で狩りをする狼などの生き物ならばその必要もないのだろうが、いかんせんマサルは草食動物のカンガルー。そのため戦い方は繁殖の権利をかけたカンガルー同士のキックボクシングスタイル。
なのでマサルには、集団戦闘という概念を教えてあげないといけないのだ。
そして巨大オオクロアリの倒されたあとには、鋭い顎と魔石がドロップ。顎はそのままでもナイフか杭のようにして武器にできそうである。
「ま、強さ的にはさほどでもないかな」
「そやね、あのデカバッタと変わらんのやない?」
別の巨大オオクロアリを倒し終えた仁菜さんも、そんな感想を漏らしながら近づいてきた。
「でもほんとにアリの巣みたいな階層ね。天井も低かったりするから、ひっかけないようにねシズ」
「万智とは違うんやからダイジョウブやて。でも気をつけんといかんな」
……。
そんな感じで危なげなく進行し地下7層におりると、そこにはさらに大きくなった巨大オオクロアリがいた。
「ん~。でもこれくらいの大きさだと、ようやくジャイアントアントって感じがするな」
大きさは1メートル強から2メートル強に変わり、大幅サイズアップ。
きっとその分だけ力も耐久力もあがっていることだろう。そこで地下6層ではふたりに頑張ってもらったので、7層ではまずオレが前に立ちジャイアントアントの力量を確認してみることに。
「よし、ではどれほど頑丈になったのかオレが見てやろう。喰らえ、忍法粘液五段返しッ!!」
解説しよう。粘液五段返しとは粘液ロープで捕まえた敵をアレよ、なんかこう左右にビッタンビッタンてするでしょ。そしたら最後は遠心力を利かせた一本背負い。スバンと脳天逆落としで、力任せに地面に叩きつけちゃう連続技なのだ。
これを喰らった敵は、粘液で縛られたまま受け身もとれずに激しく壁や地面に叩きつけられる。なので体中の骨や外殻がグシャグシャになって、大抵死ぬという恐ろしい技。
なお忍法とつけてはいるが、特に忍法という訳ではない。
「イチ!ニィ!…なんだ、サンの手前で逝ってしまったか」
ジャイアントアントを左右の壁に叩きつけ、もう一度左の壁に叩きつけようと粘液ロープをふるったのだが、壁に激突する前に消滅してまった。
「ひゃ~、相変わらずスゴい力やねぇ」
「え~、私もソレやりた~い!」
「ハハハ。でもこの技はある程度空間がないと上手くいかないぞ?せめて幅が5メートルくらいはないと」
うん、それくらいの幅がないと力を加えても速度にのる前に反対側の壁に激突してしまい、威力が半減してしまう。
「あ、ならさ。次の敵はまかせて。いくよ…剛腕肘掌ッ!!」
次いで通路の奥から現れたジャイアントアントを目にすると、骨ハンマーを手放した瀬来さんが駆けこんでいって、その胴に剛腕肘掌を見舞った。
すると『ドズンッ!』という鈍い音が響いて、ジャイアントアントの胴がめっこりと陥没。口からゲパリと体液を吐き出しながら絶命していった。
「うん、いい動きだ」
攻撃を放つ前には足捌きと手の動きでジャイアントアントの顎を上へとはねあげ、がら空きになった胴へと剛腕肘掌。これは震脚を用いた肘打ちに加え、インパクトの瞬間に反対の手でも肘打ちする側の腕の拳を掌底で後押しする、これまたパイルバンカーのような攻撃手法。
普通の震脚による肘打ちでも充分強力なのだが、それに加えスキル【剛腕】の力ものせるため考案した瀬来さんの必殺技なのだ。
そしてこちらは粘液五段返しのように広い空間を必要としない為、今のような閉所の戦闘には実に向いている。
「でもやっぱり、このアリにも酸は効かへんみたいやねぇ」
さらに別で現れたジャイアントアントを粘液で縛りながら酸を浴びせていた仁菜さんが、その検証結果を教えてくれる。
「ふぅむ、蟻もギ酸を使うからな。酸に耐性を持っていてもおかしくはないか」
「ならアリには酸を使わない方がいいわね。せっかく練った魔力がムダになっちゃうもの」
「うむ、そういうことだな。粘液からの打撃が安定のようだし、このスタイルでしばらくいこうか」
「それがええやろね。わ、またゾロゾロときよったよ」
おっと、地下7層では大歓迎だな。
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