うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ

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Petit heavy equipment fighter

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日曜日ということで、今日も朝から特異産業へとやってきた。

ダンジョンインストラクター事業は平日も行っているが、やはり休日の方が参加者は多い。しかも先週よりも人が多くて、大人気だ。

そしてこんな風に平日も休日も動いているので、オレはすっかり休みなしである。

「オッス!提督!」
「おはようございます」

「お、来たかジャング。早くダンジョンに行ってみるといい、面白いモノが見れるぞ」

まずはと事務所に顔をだすと、開口一番に提督がそんなことを言う。

「ほぉ、面白いモノか。いったいなんだろうな」
「ふふふ、行けばわかるさ」

なんだろうと探りを入れてみるが、それは含み笑いで返される。そこでいっしょに連れてきたシャークと結月ちゃんは提督に預け、オレと智とで植物ダンジョンへと行ってみることに。

すると。

『ブロロロロォン!ぎゅうん!ブバババ…!』
「キロリラリリ!?(ばきばきばき…!)」

地下2層では暴れ竹とフォークリフトが戦っていた。

「うわぁ~!」
「これは、プチ重機ファイターか!」

エンジン駆動のフォークリフトには運転席まわりに金網で補強がなされ、衝撃吸収のためか天井部やぶつかりそうな部分には分厚い体育マットでカバーがされている。しかも巧みなハンドルさばきで暴れ竹を壁際に追い詰めると、ツメの部分にわたした三日月状の鉄でその胴体を見事に粉砕してみせた。

「…(ばふん!)」
『ブロロォン!ピー!ピー!ピー…!』

そうして戦っていた暴れ竹が煙となって消えると、フォークリフトはまた次の獲物へと向かい走っていく。

「う~む、上手いな。いったい誰が運転してるんだ?」
「そうだねぇ」

するとそこに、オレ達の存在に気付いたジェロームたちがやってきた。

「Hi、ミスタ・ジャング!オツカレサマデス!」
「おお、ジェロームたちか。もう2層にも慣れたか?」

「モウOKデス!バンブー。ノーロンガー・アン・エネミー!」
「ほぉそうか、そいつは良かった。初めて見た時には、あのデカさに驚いてたもんな」

植物ダンジョン地下1層の暴れアロエは、デカくてポリバケツくらいの大きさ。でもそれに慣れた後で背丈が3メートル以上もありリーチも長い暴れ竹を見て、アブドゥルもミゲルタもビックリ青い顔をしていたのだ。

うん、たしかにあんなデカいのがビュンビュンワサワサしてたら、気味が悪いもんな。

「それで、あのフォークリフトに乗ってるのは誰なんだ?ウチの会社の人間なんだろ?」
「Oh!テートク、ノ、フレンド。ボス田所」

「ああ!アレ、田所さんのお兄さんか!」

そうか、水産加工会社で工場も持ってるんだから、そこにフォークリフトくらいあるよな。しかし社長自らがあのハンドルさばきでダンジョンで戦っているとは…。田所水産の方はいいのかと思ってしまう。

「う~む、でもたしかにアレは見物だ。提督が自信ありげだった理由がわかった」

フォークリフトも年季の入った代物で、塗装もだいぶやられ錆も浮いている。それでも果敢に暴れ竹へと挑みかかり、壁に押しつけバキバキと潰しているのだ。

「小回りの利く小型車両ならでは、って感じだよね」
「ああ、馬力もあるしな。アレは、みんなでダンジョンに運び込んだのか?」

「ハイ。バラシテ、マタビルドシマシタ」
「ほぉ。まぁ今はみんな力持ちだから、あれぐらいはなんでもないか」

日々ダンジョンでモンスターと戦っている者達の成長は目覚ましい。なにせそのノウハウを活かして、ダンジョンインストラクター事業なんてことまで始めているくらいだ。

それでもレベルアップの度に必要となる生命エナジーの量は増えるので、その成長も徐々に緩やかになり地下2層ではレベル10前後。地下3層へ潜れるヤツで15くらいといったところだ。

でもそれ以上に潜るのは負傷するリスクが跳ね上がるので、現状では行わせていない。

…。

「ではジェローム。智のことを頼んだぞ」
「ハイ、ミスタ・ジャング」

肩慣らしに地下1層で暴れアロエを何体か倒させると、智のことはジェロームたちに任せる。今じゃ彼らの方がこの階層に詳しいので、智を任せても安心だ。

「智もジェロームの指示をよく聞いてな」
「ウ、ウン。ジャン氏も気をつけてね」

「ああ」

そうしてオレも自分にまかされた仕事先へと向かう。しかしてその仕事場とは、より下層に潜った間引きだ。
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