大人の初恋

yuri

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会社

倉庫

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 月曜日。会社に行く準備をしながら週末の出来事を思だす。
充実した週末だったなと思いながら支度を進める。
夜の間初雪が降ったみたいだ。
寒いが、深呼吸すると空気が澄んでいた。


 会社に着き仕事に取りかかる。
渚、まだ見てないなと思いながら自分に与えられた仕事をこなしていく。

 10:30
係長から部品の数を確認してきてと頼まれる。
寒い倉庫に向かうため、上着を羽織り仕事に取りかかる。
ダンボールに着いているバーコードを機械で読み込むという簡単な作業だった。
人も居ないし鼻歌交りに作業をする。
すると私の鼻歌にあわせて誰かが一緒に鼻歌をまじえて来たのだ。
一瞬、人が居るのと鼻歌を交えてきたことに驚いたものの、あまりに心地が良かったのでそのまま続けた。
曲名は勿論『きらきら星変奏曲』だ。
私はドアの手前側。相手はおそらく何個も部品が並ぶずっと奧に居るのだろう。
顔は確認できない。
誰だろう?と思いながらバーコードを機械で読み込む作業を続けていると
「ガチャ」
ドアが開く音がした。
鼻歌はそこで終る。
係長だ。
「結奈さん、ごめん。少し急ぎの仕事があって。そっち後にしてもらえる?」
「はい」
一緒に鼻歌を交えた相手は気になるが、その場を後にする事にした。


 3:00
 
 仕事の為に結奈達の居る部署に行く。
すると仲良く話す直美と渚がいた。
女なら誰でも良いのか。と思いながら用事のある場所に向かう。
「結奈ちゃん」
誰かに呼び止められた。
振り返ると直美と渚がいた。
わざわざ見せつけに来たのか。と嫌な気分だったが、こっちにもプライドがある。
「どうしたの?」
何食なにくわぬ顔で答える。
「明日、渚達と一緒にご飯に行かない?渚の友達も一緒に来るんだけどどうかな?」
いつの間にか『渚さん』ではなく『渚』に呼び方が変わってる。と思いながら
「ごめんね。その日は用事があって行けないんだ」
「そうなんだ。結奈ちゃん彼氏欲しそうだったし、渚の友達なんかどうかな?って思ったんだけど。また今度の機会に」
彼氏は欲しそうにはしていない。否定しようとも思ったがやめる。
そのかわり
「そうだね」
精一杯せいいっぱい、愛想笑いをしてその場を後にする。
直美は一体何がしたかったんだろうか。直美も渚の事を狙っていて、わざわざ牽制けんせいしに来たのだろうか。
ファミレスで私に対してトゲのある態度を取っていたのは、そういう事だったのかと思うと府に落ちる。
渚も渚だ。色んな女の子に愛想を振り撒いていることがよく分かった。
もうあの2人には関わらない!そう思った時だった。
LINEの着信が鳴る。
画面を見ると渚からだった。

【ごめん】
と一言。
一体何に対してのごめんなのだろう。
付き合ってもいないのだから私に謝る必要はないのでは。と思いながらもLINEに返信はしなかった。


 その後は先程の出来事を思い出さないように一心不乱に仕事をした。
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