大人の初恋

yuri

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渚の思い出

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 子供の頃、近所に仲の良い女の子がいた。
名前は鈴木 結奈。
俺の父ちゃんと、結奈の父ちゃんが同じ仕事をしていて、同じ社宅に住んでいた。
当然のように親同士も仲良く、よく一緒にあそんだ。
よく一緒に結奈の家でご飯を食べた。
何をするのにも、結奈が居たような気がする。
同じピアノ教室に通い、ピアノ教室の発表会の時には2人で連弾した。


 俺には弟が居る。5歳年の離れた弟が。
俺が幼稚園の年長の時に弟は1歳。
結奈にも妹がいた。
2人とも妹、弟が居たため、お母さん達は下の子に付きっきり。
2人でよく遊んだ。
公園に2人で遊びに行ったりもした。
今思うと家から結構近いが、子供の頃は遠くまで探検している気分だった。
いつも俺が結奈の手を引いて公園まで連れていっていた。
結奈は可愛い。
いつも俺に付いてきて、手を握ってくる。
多分俺は結奈が好きだった。
それと同時に結奈を守っていかなければいけない、と子供ながらに思っていた。


 しかし、ある日事件がおきた。
未遂だったが大人達は皆知っている。
結奈の両親はひどく心配した。
転勤族だった結奈と俺の家。
結奈の父ちゃんは移動願いを会社に提出した。
つまり転勤する事を会社にお願いしたのだ。
結奈は遠くに行く事になった。
子供の俺にはどうすることも出来ない。
そして本当に引っ越して行ってしまった。

 
 寂しかったが、俺は平気なふりをした。
男だから、我慢した。
しかし嫌なことは続く。
俺の父ちゃんが仕事中の事故で無くなった。
さすがに平気なふりはできずにいた。
こんな時結奈が居たら少しは……と思ったが、思ったところで、結奈は戻ってこない。


 そんな俺を見てお父さんは必要だと思ったのだろう。
お母さんは新しくお父さんを連れてきた。
勿論お互いに好きで再婚したのだと思う。が、俺たちの心配や経済的な不安など様々な事も理由の1つだと思う。


 高校を卒業して俺は働き始めた。
両親はお金の心配は要らないから、大学に行きなさい。と言ったが俺は早く自立したかった。
今のお父さんにこれ以上金銭的に迷惑をかけたくなかった。
母さんにも自分の幸せの為だけに、この先の人生を送って欲しかった。


 大手、車関係の仕事に着いた。
必死に勉強した。皆が遊んでいるときも仕事をした。
今の立場は係長だ。
岩手に出張に行って勉強し、戻ってきたらおそらく課長だ。そんな昇格がかかった出張だ。
仕事だが、実家に帰るのは久しぶりだ。
皆元気だろうか?
そんなことを思いながら出張の準備を進める。
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