大人の初恋

yuri

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渚の気持ち

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 出張先の会社に着く。
事務の子だろうか。
俺たちを応接室に案内する。
その子の胸元のネームプレートを見る。
【鈴木 結奈】
と書いてある。
あの結奈だ。
一気に、子供の頃の思い出が頭の中に流れた。
それと同時に、言葉では言い表せないほど嬉しかった。
あんなに会いたかった結奈に会えた。
何年も何年も会いたかった結奈が目の前にいる。
しかし今は仕事中だ。
ポーカーフェイスを保つのに必死だ。


 しかし結奈は全く気づいていない。
1ミリも……
ムカツク。
俺と結奈の思い出は楽しい物だけではないのは分かっていた。
辛い思い出や、悲しい思い出は思い出さなくても良いと思う。
しかし楽しい思い出も忘れているのかと思うと腹が立った。
わざと結奈に冷たくした。
しかし今日一緒に来た、小デブなおじさん……
結奈をイジメ過ぎだ。
結奈をイジメて良いのは俺だけだ。
と思いながらも、独占欲丸出しだなとも思う。

 
 結局、結奈は俺に気付かなかった。
俺はあんなにも、結奈の事を思っていたのに。


 
 夕方になり、友達から連絡が来る。
久しぶりだし、明日休みだから飲みに行かないか?
と連絡が来た。
夕方から友達が働いている居酒屋で飲むことになった。


 居酒屋で同級生で集まって飲んでいた。
トイレに行き、自分の席に戻ろうと通路を歩いていると、正面から結奈が歩いてきた。
俺は動揺した。
会社とは違う雰囲気の結奈は可愛かった。
それと同時に、会社で俺だと気付いてもらえなかった事を思い出した。
結奈が会釈をした。
思わず無視をしてしまった。


 そのまま自分の席に戻る。
友達の1人が「スマホ無くした」と騒いでいた。
軽く自分の席の近くを探す。ない。
その内見つかるだろうと思いまたお酒を飲む。
とある友達が最近、此処に呑みに来たときに、罰ゲームでボトルでテキーラを注文したと言う。
その日のうちに全部は呑みきれず、お店にキープしてもらってると言った。
勿体ないので一杯ずつ飲もうと言ってきた。
ショットグラスにテキーラを注ぐ。

 
 お酒を注いでいると、通路の奥から「すいません。それ俺のスマホです」と話し声がした。
スマホが見つかったのであろう。
様子を見るため、通路側に顔を出す。
結奈がいた。
友達がお礼をする。といって結奈達を連れてきた。
結奈と結奈の友達が席に着く。
まだ俺が誰なのか気がつかない結奈に意地悪をした。
自分の意思とは関係なしに……
結奈の顔を見ると怒ってる事がよく分かったが、口が止まらなかった。
何故こんなに幼稚な意地悪が出きるのだろう。
自分でも嫌になる。


 友達が「お礼に」とアイスを結奈達に持ってきた。
結奈の表情が柔らかくなった。
結奈が他の男によってそんな表情をしているのが気に食わなかった。
そう思いながら結奈を見ていると、目が合う。
思わず目を反らした。
目線をもとに戻した時には、結奈は俺のテキーラを一気に飲んでいた。










 
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