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呪い
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「パンッ!!」
銃声が温泉中に響き渡った。銃声が鳴り、血だらけになって倒れている謙弥を見た瞬間、いろいろな記憶を思い出した。
小6の夏休みに謙弥と遊園地に行ったこと、中2の冬に謙弥と友達の信と3人で山登りに行ったこと、思い出される全ての記憶がつい最近あった出来事のように感じられた。
「きゃー!!」
男湯に入ってきたスタッフの叫び声を聞いて、温泉のスタッフが2人ほど駆けつけた。警察を呼び、温泉に向かっている間も、私は何もすることができなかった。
警察が到着し、謙弥は救急車で運ばれて行ったが、誰も助かる状況ではないということは知っていた。
そして、僕は警察に連行された。温泉には監視カメラなんてない、被害者を含めて男湯には2人しかいなかったのだ。なので、疑われて当然の状況だった。
「お前が被害者の西本謙弥くんを銃で撃ったんだろ!なぁ!」
激しい口調で問い詰められるので、僕もイライラしていた。しかし、なぜか言葉が出てこなかった。ずっと黙り込んだまま、2時間半が経過した時、驚くべき事を聞かされた。
「今連絡が来たんだが、犯行に使用された銃が見つかっていない。お前、どこに隠したんだ」
予想外の発言だった為、すぐに言い返した。
「そんなはずがない!謙弥は目の前で自分の頭を銃で撃ち抜いたあと、すぐに倒れたんだ。そして、すぐにスタッフが駆けつけた。それまでの間に、僕は何もしていないし、していたとしてもそんな数秒で隠せる場所には限りがある」
それを聞いた警察官は、取り調べ室を急ぐようにして去っていった。警察はそもそも自殺したという選択肢がなかったことに、僕は今気づいた。2分ほど経った時、若くてイケメンの警察官が部屋に入ってきた。
「結構大変だったねー。俺は自殺だと見てたんだけど、上のやつらが殺人だって言って聞かなかったんだよ」
いきなりだった為、少し戸惑いながらも、今の状況がどうなっているかの整理ができた。
「あっ、申し遅れました。わたくし、警察官の崎原統馬と申します。ちなみに、年齢は24歳です!」
気さくな人だっため、自然と笑顔が出てきた。そして、僕はこの事件の出来事の全てを話した。この人なら分かってくれると信じていた。
「それ、三和島の呪いっちゅうやつかもしらんなー」
話している途中で、カタコトの関西弁で統馬は言った。
「三和島の呪い?それはなんですか?」
僕はすぐに聞き返した。
「ここ三和島には、昔から呪いがあるっちゅうんよ。なんか、聞いた話によると、チェイスって呼ばれてるウイルスみたいなんがあるんやて。それに感染することを、追跡されるって言うんよ。追跡されたら、自我を乗っ取られて、その人間の記憶を持つ、そっくりの偽物になるんやって。やから、追跡された時点で、感染者本人の意思は死亡するっていうんよ。あと、追跡されて完全に自我を乗っ取られた人間は、模造人間って言うんよ」
僕はとても驚いた。昔からここに住んでいるが、そんな話は一度も聞くことがなかった。
「その事と、今回の事件は何が関係あると言うのですか?」
僕は必死に質問をした。なぜかその話には興味が出てきて、むしろ、いろいろ知りたかった。
「今回の事件で、不可解な点が2つある。一つ目は、消えた凶器のことや。さっき取り調べしてたおっさんから聞いたと思うけど、犯行に使用されたとされる銃が未だ見つかっていないこと。2つ目は謙弥くんの体に、一切水滴がついていなかったこと。風呂に入って、風呂から上がってすぐの脱衣所で事件が起こってんねんから、髪にも体にも水滴がついててもおかしくないと思うんよ。やけど、一切ついておらず、不自然なまでに肌が乾燥していた。まるで、風呂に一切入っていないようやった。謙弥くんのことで、なんかまだ言ってない情報とかあるか?本当は謙弥くんは風呂に入っていなかったとか」
僕は事件のことを改めて思い返してみた。
「そー言われてみれば、謙弥が風呂に入ったのは見ていません。脱衣所で、少し謙弥と気まずくなっちゃって、お互い別々に風呂に入りました。そして、僕がその後謙弥を見たのは、脱衣所でした」
すると、少し笑いながら統馬は言った。
「やっぱそーだったのかー。てっきり、謙弥くんは追跡された模造人間だったから、風呂に入らなかったんやと思ってたわー」
「模造人間は風呂に入らないんですか?」
僕はすぐに問い返した。
「いや、風呂に入らないというより、水を不必要に避けるようになるんやって。やから、水が苦手でなんじゃないかって言われてるんよ」
「謙弥が模造人間だった?いや、そんなはずがない。だって、だって、謙弥は...」
少し落ち込んでいる僕を見て、統馬は笑顔で励ましてくれた。だが、僕は立て続けに気になった事を質問した。
「銃が消えたことと、三和島の呪いは、何が関係あるんですか?」
「模造人間は、銃とかナイフとか、いろんなものを作ることができるんよ。でも、それは模造人間の意思で自由に消去したり、作ったりできるから、謙弥くんが模造人間だった場合、謙弥くんが死んだ時、謙弥くんが作った銃が消えてしまったんじゃないかと思ってるんよ」
考えたくなかったが、そう考えるしか選択肢がなかった。謙弥は模造人間だったんだって。
銃声が温泉中に響き渡った。銃声が鳴り、血だらけになって倒れている謙弥を見た瞬間、いろいろな記憶を思い出した。
小6の夏休みに謙弥と遊園地に行ったこと、中2の冬に謙弥と友達の信と3人で山登りに行ったこと、思い出される全ての記憶がつい最近あった出来事のように感じられた。
「きゃー!!」
男湯に入ってきたスタッフの叫び声を聞いて、温泉のスタッフが2人ほど駆けつけた。警察を呼び、温泉に向かっている間も、私は何もすることができなかった。
警察が到着し、謙弥は救急車で運ばれて行ったが、誰も助かる状況ではないということは知っていた。
そして、僕は警察に連行された。温泉には監視カメラなんてない、被害者を含めて男湯には2人しかいなかったのだ。なので、疑われて当然の状況だった。
「お前が被害者の西本謙弥くんを銃で撃ったんだろ!なぁ!」
激しい口調で問い詰められるので、僕もイライラしていた。しかし、なぜか言葉が出てこなかった。ずっと黙り込んだまま、2時間半が経過した時、驚くべき事を聞かされた。
「今連絡が来たんだが、犯行に使用された銃が見つかっていない。お前、どこに隠したんだ」
予想外の発言だった為、すぐに言い返した。
「そんなはずがない!謙弥は目の前で自分の頭を銃で撃ち抜いたあと、すぐに倒れたんだ。そして、すぐにスタッフが駆けつけた。それまでの間に、僕は何もしていないし、していたとしてもそんな数秒で隠せる場所には限りがある」
それを聞いた警察官は、取り調べ室を急ぐようにして去っていった。警察はそもそも自殺したという選択肢がなかったことに、僕は今気づいた。2分ほど経った時、若くてイケメンの警察官が部屋に入ってきた。
「結構大変だったねー。俺は自殺だと見てたんだけど、上のやつらが殺人だって言って聞かなかったんだよ」
いきなりだった為、少し戸惑いながらも、今の状況がどうなっているかの整理ができた。
「あっ、申し遅れました。わたくし、警察官の崎原統馬と申します。ちなみに、年齢は24歳です!」
気さくな人だっため、自然と笑顔が出てきた。そして、僕はこの事件の出来事の全てを話した。この人なら分かってくれると信じていた。
「それ、三和島の呪いっちゅうやつかもしらんなー」
話している途中で、カタコトの関西弁で統馬は言った。
「三和島の呪い?それはなんですか?」
僕はすぐに聞き返した。
「ここ三和島には、昔から呪いがあるっちゅうんよ。なんか、聞いた話によると、チェイスって呼ばれてるウイルスみたいなんがあるんやて。それに感染することを、追跡されるって言うんよ。追跡されたら、自我を乗っ取られて、その人間の記憶を持つ、そっくりの偽物になるんやって。やから、追跡された時点で、感染者本人の意思は死亡するっていうんよ。あと、追跡されて完全に自我を乗っ取られた人間は、模造人間って言うんよ」
僕はとても驚いた。昔からここに住んでいるが、そんな話は一度も聞くことがなかった。
「その事と、今回の事件は何が関係あると言うのですか?」
僕は必死に質問をした。なぜかその話には興味が出てきて、むしろ、いろいろ知りたかった。
「今回の事件で、不可解な点が2つある。一つ目は、消えた凶器のことや。さっき取り調べしてたおっさんから聞いたと思うけど、犯行に使用されたとされる銃が未だ見つかっていないこと。2つ目は謙弥くんの体に、一切水滴がついていなかったこと。風呂に入って、風呂から上がってすぐの脱衣所で事件が起こってんねんから、髪にも体にも水滴がついててもおかしくないと思うんよ。やけど、一切ついておらず、不自然なまでに肌が乾燥していた。まるで、風呂に一切入っていないようやった。謙弥くんのことで、なんかまだ言ってない情報とかあるか?本当は謙弥くんは風呂に入っていなかったとか」
僕は事件のことを改めて思い返してみた。
「そー言われてみれば、謙弥が風呂に入ったのは見ていません。脱衣所で、少し謙弥と気まずくなっちゃって、お互い別々に風呂に入りました。そして、僕がその後謙弥を見たのは、脱衣所でした」
すると、少し笑いながら統馬は言った。
「やっぱそーだったのかー。てっきり、謙弥くんは追跡された模造人間だったから、風呂に入らなかったんやと思ってたわー」
「模造人間は風呂に入らないんですか?」
僕はすぐに問い返した。
「いや、風呂に入らないというより、水を不必要に避けるようになるんやって。やから、水が苦手でなんじゃないかって言われてるんよ」
「謙弥が模造人間だった?いや、そんなはずがない。だって、だって、謙弥は...」
少し落ち込んでいる僕を見て、統馬は笑顔で励ましてくれた。だが、僕は立て続けに気になった事を質問した。
「銃が消えたことと、三和島の呪いは、何が関係あるんですか?」
「模造人間は、銃とかナイフとか、いろんなものを作ることができるんよ。でも、それは模造人間の意思で自由に消去したり、作ったりできるから、謙弥くんが模造人間だった場合、謙弥くんが死んだ時、謙弥くんが作った銃が消えてしまったんじゃないかと思ってるんよ」
考えたくなかったが、そう考えるしか選択肢がなかった。謙弥は模造人間だったんだって。
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