青春〜或る少年たちの物語〜

Takaya

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第一章 それぞれの出逢い

第五話 男たちの放課後

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 結局、昼休みは恭典、音也、恵弥が身なりのことで職員室に呼び出されたため、部室行きは放課後に延期になった。
 午後の授業で開かれた学級会では、級長に香織が立候補してそのまま決定し、滞りなく進んだ。
 そして放課後、貴哉は恭典らと共に彼らの部室に連行されることになった。部室棟に向かいながら、廊下で会話する。

「言っとくけど、俺は野球部なんか入らねーぞ。」
「そんなんじゃねーよ。」

 音也が答える。

「お前みたいのができるほど野球は甘くねぇんだよ。」
「じゃあ、何する気だよ?」
「それは着いてからのお楽しみだ。」
「言っとくけど俺はそんな趣味ねぇぞ?」

 音也が掴みかかろうとするのを恭典と恵弥が必死で止める。

「このチビ!ぶっ殺してやる!」
「やめろ馬鹿!」
「貴哉!お前もしょうもないギャグばっか言うんじゃねぇよ!」
「ギャグじゃねぇよ。」

 音也がさらにヒートアップしようとしたその時だった。

「おい、お前ら!1年の癖して道の真ん中歩いてんじゃねぇぞごらぁ!」

 後ろの方から怒鳴り声が聞こえた。さすがに4人とも驚いて振り返ると、そこには校則違反の髪型と変形学ランに身を包んだ集団が約20人ほど佇んでいた。叫んでいるのは、そこの先頭にいる鬼剃りの男のようだ。

「聞こえねぇのか、ぼんくらどもがよぉ!」
「そんな大きい声で...」

 貴哉がそこまで言いかけた時、恭典が後ろから両手で貴哉の口を防いだ。

「す、すいません、将紘先輩!次から気をつけますんで!ほら、お前らも謝れ!」

 恵弥と音也も頭を下げる。さっきまでの威勢の良さが嘘のようだ。貴哉も恭典に頭を掴まれながら一緒に下げる。何がなんだか分からない。

「まぁ、頭上げろや。」

 集団の中から1人の男が出てきた。短い学ランにドカン、赤いリーゼントにサングラス、おまけに学校の中だというのに煙草まで吸っている。

「お前ら、ちゃんと人数は集めてるんだろうな」
「はい、8人か9人は見込めそうです。」
「そうかそうか。大したもんだ。」

 リーゼントの男は返事をした恵弥の肩を叩く。恵弥も心なしか怯えているようだ。

「ところでよ恭典、そこのチビはなんだ?」
「はい、僕の従兄弟で貴哉と言います。ほら、お前も挨拶しろ。」
「...こんにちは。」
「馬鹿!初めまして、だろうがちゃんと自己紹介しろ!」

 するといきなりリーゼントの男が笑だした。

「おもしれぇ奴だ!おい、1年ども、このチビと仲良くしてやれよ?」

「「「は、はい!」」」

 貴哉以外の3人が声を揃えて答える。

「じゃあ、俺たちは部活だからよ、またな!」

 そう言うと、彼は集団に戻りさっさと通り過ぎていった。

(なんだよこいつら、偉そうに)
 
 貴哉はそう思いながら横を見ると、他の3人は行列に向かって頭を下げていた。

(意味分かんねぇ)

 そう、貴哉はまだ、彼らが一体何者なのか、なぜ、この3人がこうも頭を下げるのか、まだ気づいていない。

つづく


 

 
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