5 / 47
第一章 それぞれの出逢い
第五話 男たちの放課後
しおりを挟む
結局、昼休みは恭典、音也、恵弥が身なりのことで職員室に呼び出されたため、部室行きは放課後に延期になった。
午後の授業で開かれた学級会では、級長に香織が立候補してそのまま決定し、滞りなく進んだ。
そして放課後、貴哉は恭典らと共に彼らの部室に連行されることになった。部室棟に向かいながら、廊下で会話する。
「言っとくけど、俺は野球部なんか入らねーぞ。」
「そんなんじゃねーよ。」
音也が答える。
「お前みたいのができるほど野球は甘くねぇんだよ。」
「じゃあ、何する気だよ?」
「それは着いてからのお楽しみだ。」
「言っとくけど俺はそんな趣味ねぇぞ?」
音也が掴みかかろうとするのを恭典と恵弥が必死で止める。
「このチビ!ぶっ殺してやる!」
「やめろ馬鹿!」
「貴哉!お前もしょうもないギャグばっか言うんじゃねぇよ!」
「ギャグじゃねぇよ。」
音也がさらにヒートアップしようとしたその時だった。
「おい、お前ら!1年の癖して道の真ん中歩いてんじゃねぇぞごらぁ!」
後ろの方から怒鳴り声が聞こえた。さすがに4人とも驚いて振り返ると、そこには校則違反の髪型と変形学ランに身を包んだ集団が約20人ほど佇んでいた。叫んでいるのは、そこの先頭にいる鬼剃りの男のようだ。
「聞こえねぇのか、ぼんくらどもがよぉ!」
「そんな大きい声で...」
貴哉がそこまで言いかけた時、恭典が後ろから両手で貴哉の口を防いだ。
「す、すいません、将紘先輩!次から気をつけますんで!ほら、お前らも謝れ!」
恵弥と音也も頭を下げる。さっきまでの威勢の良さが嘘のようだ。貴哉も恭典に頭を掴まれながら一緒に下げる。何がなんだか分からない。
「まぁ、頭上げろや。」
集団の中から1人の男が出てきた。短い学ランにドカン、赤いリーゼントにサングラス、おまけに学校の中だというのに煙草まで吸っている。
「お前ら、ちゃんと人数は集めてるんだろうな」
「はい、8人か9人は見込めそうです。」
「そうかそうか。大したもんだ。」
リーゼントの男は返事をした恵弥の肩を叩く。恵弥も心なしか怯えているようだ。
「ところでよ恭典、そこのチビはなんだ?」
「はい、僕の従兄弟で貴哉と言います。ほら、お前も挨拶しろ。」
「...こんにちは。」
「馬鹿!初めまして、だろうがちゃんと自己紹介しろ!」
するといきなりリーゼントの男が笑だした。
「おもしれぇ奴だ!おい、1年ども、このチビと仲良くしてやれよ?」
「「「は、はい!」」」
貴哉以外の3人が声を揃えて答える。
「じゃあ、俺たちは部活だからよ、またな!」
そう言うと、彼は集団に戻りさっさと通り過ぎていった。
(なんだよこいつら、偉そうに)
貴哉はそう思いながら横を見ると、他の3人は行列に向かって頭を下げていた。
(意味分かんねぇ)
そう、貴哉はまだ、彼らが一体何者なのか、なぜ、この3人がこうも頭を下げるのか、まだ気づいていない。
つづく
午後の授業で開かれた学級会では、級長に香織が立候補してそのまま決定し、滞りなく進んだ。
そして放課後、貴哉は恭典らと共に彼らの部室に連行されることになった。部室棟に向かいながら、廊下で会話する。
「言っとくけど、俺は野球部なんか入らねーぞ。」
「そんなんじゃねーよ。」
音也が答える。
「お前みたいのができるほど野球は甘くねぇんだよ。」
「じゃあ、何する気だよ?」
「それは着いてからのお楽しみだ。」
「言っとくけど俺はそんな趣味ねぇぞ?」
音也が掴みかかろうとするのを恭典と恵弥が必死で止める。
「このチビ!ぶっ殺してやる!」
「やめろ馬鹿!」
「貴哉!お前もしょうもないギャグばっか言うんじゃねぇよ!」
「ギャグじゃねぇよ。」
音也がさらにヒートアップしようとしたその時だった。
「おい、お前ら!1年の癖して道の真ん中歩いてんじゃねぇぞごらぁ!」
後ろの方から怒鳴り声が聞こえた。さすがに4人とも驚いて振り返ると、そこには校則違反の髪型と変形学ランに身を包んだ集団が約20人ほど佇んでいた。叫んでいるのは、そこの先頭にいる鬼剃りの男のようだ。
「聞こえねぇのか、ぼんくらどもがよぉ!」
「そんな大きい声で...」
貴哉がそこまで言いかけた時、恭典が後ろから両手で貴哉の口を防いだ。
「す、すいません、将紘先輩!次から気をつけますんで!ほら、お前らも謝れ!」
恵弥と音也も頭を下げる。さっきまでの威勢の良さが嘘のようだ。貴哉も恭典に頭を掴まれながら一緒に下げる。何がなんだか分からない。
「まぁ、頭上げろや。」
集団の中から1人の男が出てきた。短い学ランにドカン、赤いリーゼントにサングラス、おまけに学校の中だというのに煙草まで吸っている。
「お前ら、ちゃんと人数は集めてるんだろうな」
「はい、8人か9人は見込めそうです。」
「そうかそうか。大したもんだ。」
リーゼントの男は返事をした恵弥の肩を叩く。恵弥も心なしか怯えているようだ。
「ところでよ恭典、そこのチビはなんだ?」
「はい、僕の従兄弟で貴哉と言います。ほら、お前も挨拶しろ。」
「...こんにちは。」
「馬鹿!初めまして、だろうがちゃんと自己紹介しろ!」
するといきなりリーゼントの男が笑だした。
「おもしれぇ奴だ!おい、1年ども、このチビと仲良くしてやれよ?」
「「「は、はい!」」」
貴哉以外の3人が声を揃えて答える。
「じゃあ、俺たちは部活だからよ、またな!」
そう言うと、彼は集団に戻りさっさと通り過ぎていった。
(なんだよこいつら、偉そうに)
貴哉はそう思いながら横を見ると、他の3人は行列に向かって頭を下げていた。
(意味分かんねぇ)
そう、貴哉はまだ、彼らが一体何者なのか、なぜ、この3人がこうも頭を下げるのか、まだ気づいていない。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる