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第二章 燃え上がる日々
第六話 物食わすど我が御主
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将紘が貴哉に詰め寄る。
「おい、チビ!俺もお前のこと気になってたんだよ!」
「は、はい!」
「はい、じゃねぇよこら!」
将紘が貴哉を蹴りつけ、貴哉は倒れる。
「おい、貧弱野郎!立て!立てつってんだろ!」
将紘は倒れた貴哉の髪を掴む。
「てめぇ、野球やってこたぁあんのか!」
「.....ありません!」
「ないんだったら来るんじゃねぇよ!」
将紘は貴哉の顔を殴りつけた。
「ろくに礼儀も知らねぇで敬語すらあやふやでよぉ、お前みてぇな非常識野郎がいたら笑われちまうだろうが!さっさと出てけ!」
「将紘先輩!もう辞めてください!」
恭典が直立不動のまま叫ぶ。
「あぁ?なんだとごら?」
「こいつは俺たちとつるみ始めたばっかで何も知らないんです。」
「だったらなんだこら!お前も殴られてぇか!?」
次は音也が同じ姿勢で叫ぶ。
「待ってください!こいつは確かに礼儀は知りませんがハートは強い男なんです!」
「だからなんだ!関係ねぇよ!お前らさっきからなんなんだ!人数は少ねぇくせによ、おまけにこんな奴まで連れて来やがって!俺たちは落ち目のヤクザじゃねぇんだぞ!」
「物食わすど我が御主....」
「あぁ?」
貴哉が髪を掴まれたまま、息も絶え絶え囁くように言う。
「今、なんつった?」
「物食わすど我が御主....」
「なんだとこら?」
「お前みてぇなカス野郎よりよぉ....恵弥の方がよっぽど上に立つのに相応しいつってんだよ!」
「おいこら、喧嘩売ってんのか?」
「だったらなんだよ....」
将紘がもう一度貴哉の顔に拳を叩きつけようとしたその時、
「おい、将紘!辞めろ!」
祐士が立ち上がり、貴哉と将紘の元に近付いてくる。
「それ以上やったら死ぬぞ?そのへんにしとけ。」
「けっ、分かったよ....」
将紘は貴哉の髪を放して立ち上がる。祐士は貴哉の手を掴み、立ち上がらせる。
「おい、貴哉。」
「はい....」
「お前なかなか根性あるな。大したもんだよ。俺はお前のこれからが楽しみだ。」
「....あ、ありがとうございま....」
「ただし!1つだけ言っておくぞ!」
祐士は右手を貴哉の後頭部に添える。そして思いっきり前に引き寄せ、貴哉の鼻に頭突きを食らわせた。たまらず、貴哉は鼻を抑えて倒れこむ。
「礼儀だけは勉強してこい。分かったな?」
「....はい....」
貴哉は震える声で答える。
「おい!今日はこれで終わりだ。1年どもはこいつもちゃんと連れて帰れ!」
「はい!」
威勢の良い返事が響き渡り、2、3年生は帰っていった。1年生たちは貴哉に駆け寄る。
「おい、貴哉!しっかりしろ!」
「ちくしょう....ちくしょう....」
貴哉はまだ震えていた。すると音也が叫んだ。
「お前ら!先輩どもの前じゃ何も言わなかったくせに!今になって何やってんだ!」
「うるせぇ!お前だって文句しか言えなかっただろうが!」
和人が言い返すと音也が殴りかかろうとした。それを恵弥が止める。
「おい!お前らやめろ!」
「やめろじゃねぇよ!」
次は恭典が言い返した。
「お前!何も言い返さなかったくせに!何が強者だ!言い訳があるなら言ってみろこら!」
「....俺、昔祐士先輩と将紘先輩の喧嘩見たことがあるんだ。お前だってあるだろ?」
「だったらなんだ!それでビビったのか!?」
「そうじゃねぇよ!あの2人、気に食わねぇ相手は動かなくなるまで殴るタイプだろ?特に、こういう減らず口叩く奴にはよ。」
「やっぱりビビってんじゃねぇか!」
「最後まで聞け!今日の2人は何か違ったんだ。いつものあの2人ならもっとガツガツ殴るだろ?それに、どちらかがどちらかを止めに入るなんてありえねぇだろ?」
「言われてみればそうだ。」
音也が口を挟む。
「頭突きで終わらせるなんてあの人らしくねぇぜ。」
「だろ?だから俺は何かあるんじゃねぇかって気がするんだ。」
「....だからなんだよ!」
貴哉が震える声で叫ぶ。
「....俺は、俺は怖かったんだぞ....何もできなかったんだぞ....もう、あんな風にならねぇって決めたのに....ちくしょう....ちくしょう!」
貴哉の嗚咽だけが公園に響く。
つづく
「おい、チビ!俺もお前のこと気になってたんだよ!」
「は、はい!」
「はい、じゃねぇよこら!」
将紘が貴哉を蹴りつけ、貴哉は倒れる。
「おい、貧弱野郎!立て!立てつってんだろ!」
将紘は倒れた貴哉の髪を掴む。
「てめぇ、野球やってこたぁあんのか!」
「.....ありません!」
「ないんだったら来るんじゃねぇよ!」
将紘は貴哉の顔を殴りつけた。
「ろくに礼儀も知らねぇで敬語すらあやふやでよぉ、お前みてぇな非常識野郎がいたら笑われちまうだろうが!さっさと出てけ!」
「将紘先輩!もう辞めてください!」
恭典が直立不動のまま叫ぶ。
「あぁ?なんだとごら?」
「こいつは俺たちとつるみ始めたばっかで何も知らないんです。」
「だったらなんだこら!お前も殴られてぇか!?」
次は音也が同じ姿勢で叫ぶ。
「待ってください!こいつは確かに礼儀は知りませんがハートは強い男なんです!」
「だからなんだ!関係ねぇよ!お前らさっきからなんなんだ!人数は少ねぇくせによ、おまけにこんな奴まで連れて来やがって!俺たちは落ち目のヤクザじゃねぇんだぞ!」
「物食わすど我が御主....」
「あぁ?」
貴哉が髪を掴まれたまま、息も絶え絶え囁くように言う。
「今、なんつった?」
「物食わすど我が御主....」
「なんだとこら?」
「お前みてぇなカス野郎よりよぉ....恵弥の方がよっぽど上に立つのに相応しいつってんだよ!」
「おいこら、喧嘩売ってんのか?」
「だったらなんだよ....」
将紘がもう一度貴哉の顔に拳を叩きつけようとしたその時、
「おい、将紘!辞めろ!」
祐士が立ち上がり、貴哉と将紘の元に近付いてくる。
「それ以上やったら死ぬぞ?そのへんにしとけ。」
「けっ、分かったよ....」
将紘は貴哉の髪を放して立ち上がる。祐士は貴哉の手を掴み、立ち上がらせる。
「おい、貴哉。」
「はい....」
「お前なかなか根性あるな。大したもんだよ。俺はお前のこれからが楽しみだ。」
「....あ、ありがとうございま....」
「ただし!1つだけ言っておくぞ!」
祐士は右手を貴哉の後頭部に添える。そして思いっきり前に引き寄せ、貴哉の鼻に頭突きを食らわせた。たまらず、貴哉は鼻を抑えて倒れこむ。
「礼儀だけは勉強してこい。分かったな?」
「....はい....」
貴哉は震える声で答える。
「おい!今日はこれで終わりだ。1年どもはこいつもちゃんと連れて帰れ!」
「はい!」
威勢の良い返事が響き渡り、2、3年生は帰っていった。1年生たちは貴哉に駆け寄る。
「おい、貴哉!しっかりしろ!」
「ちくしょう....ちくしょう....」
貴哉はまだ震えていた。すると音也が叫んだ。
「お前ら!先輩どもの前じゃ何も言わなかったくせに!今になって何やってんだ!」
「うるせぇ!お前だって文句しか言えなかっただろうが!」
和人が言い返すと音也が殴りかかろうとした。それを恵弥が止める。
「おい!お前らやめろ!」
「やめろじゃねぇよ!」
次は恭典が言い返した。
「お前!何も言い返さなかったくせに!何が強者だ!言い訳があるなら言ってみろこら!」
「....俺、昔祐士先輩と将紘先輩の喧嘩見たことがあるんだ。お前だってあるだろ?」
「だったらなんだ!それでビビったのか!?」
「そうじゃねぇよ!あの2人、気に食わねぇ相手は動かなくなるまで殴るタイプだろ?特に、こういう減らず口叩く奴にはよ。」
「やっぱりビビってんじゃねぇか!」
「最後まで聞け!今日の2人は何か違ったんだ。いつものあの2人ならもっとガツガツ殴るだろ?それに、どちらかがどちらかを止めに入るなんてありえねぇだろ?」
「言われてみればそうだ。」
音也が口を挟む。
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「だろ?だから俺は何かあるんじゃねぇかって気がするんだ。」
「....だからなんだよ!」
貴哉が震える声で叫ぶ。
「....俺は、俺は怖かったんだぞ....何もできなかったんだぞ....もう、あんな風にならねぇって決めたのに....ちくしょう....ちくしょう!」
貴哉の嗚咽だけが公園に響く。
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