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最果ての目的地その1
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ライによる熱烈な抱擁を受けたあの日から一か月が経過した。
リアムはイデアから書き記してもらった場所、各地で何度も見てみた廃墟と化した都市の一角にいた。目的地に到着したのはいいが、手始めに何をするべきかと思い悩んでいた。
この場所が集落として再建されているのであれば、住民から新たな情報を入手することができる。だが、ここは誰にも見向きもされない完全に見捨てられた都市。人っ子一人見当たらない、それどころかネズミといった小動物の気配も感じない。
前に訪れた兵器区域のように怪しい場所があれば、そこを重点的に探索しようとも思えるんだが、今回はそれすらできそうにない。建物という建物全てが原形をとどめておらず、廃材としても再利用できないほどに破壊つくされていたからだ。
リアムはその絶望的な光景を視界にとらえつつ、その憤った感情をのせて絶叫した。
「何も見つからんし、瓦礫ばっかで何もない。ここでリアムは一体何を探したらええねん!」
「チュウ~」
「わめいても解決しないのはわかっとるけどさ、なんかこう叫ばんとやってられへんの‼」
「チュウチュウ」
リアムが感情の赴くままに叫んでは、それをなだめるおもち。自分からはじめたことではあるが、さすがにあたりが暗くなるまでやり続けたことで、もうすっかり飽きてしまっていた。それにいまはまだ温厚な態度で接してくれているおもちも、そのうちしびれを切らして小言を吐き続けるのは目に見えている。
リアムはそんな面倒くさい未来から逃げるために、対策を考えるよりも先に体を動かすことにした。まず最初に思いついたものは瓦礫掃除だった。瓦礫の山を減らしていけば、埋もれて見えなかった手がかりの一つや二つ発見できるかもしれない。日も落ち月光と腕時計の明かりを頼りに瓦礫を道路側に移動させては、建物跡地に何か残されていないか一軒一軒調べてまわった。
お母さん譲りの掃除をすること一週間が経過した頃、リアムはある不自然な場所を発見した。そこは他の土地と明らかに違っていた。周りの土地が崩壊した建物の重圧によって、凹凸ができ更なる瓦礫を発生させているなかで、その土地だけはあの魔宝石兵器開発局 のように傷一つなく綺麗な状態を維持していた。
七十五平米の土地は全て光沢のある滑らかな金属製の材料で覆われていて、その中心には同様の材料で作製したものと思われるマンホールが埋められていた。
リアムはそのマンホールに近づき蓋の窪みに指を差し込み開けようと何度も試みたが、その強固な蓋を開けることはできなかった。今までどんな素材、材料であったとしても力づくでこじ開けてきた彼女にとって、信じがたい出来事であった。正攻法でダメなのであれば、成功法でいくしかないそう思った彼女は、グッと拳を握り締め一気に振り下ろした。
リアムはイデアから書き記してもらった場所、各地で何度も見てみた廃墟と化した都市の一角にいた。目的地に到着したのはいいが、手始めに何をするべきかと思い悩んでいた。
この場所が集落として再建されているのであれば、住民から新たな情報を入手することができる。だが、ここは誰にも見向きもされない完全に見捨てられた都市。人っ子一人見当たらない、それどころかネズミといった小動物の気配も感じない。
前に訪れた兵器区域のように怪しい場所があれば、そこを重点的に探索しようとも思えるんだが、今回はそれすらできそうにない。建物という建物全てが原形をとどめておらず、廃材としても再利用できないほどに破壊つくされていたからだ。
リアムはその絶望的な光景を視界にとらえつつ、その憤った感情をのせて絶叫した。
「何も見つからんし、瓦礫ばっかで何もない。ここでリアムは一体何を探したらええねん!」
「チュウ~」
「わめいても解決しないのはわかっとるけどさ、なんかこう叫ばんとやってられへんの‼」
「チュウチュウ」
リアムが感情の赴くままに叫んでは、それをなだめるおもち。自分からはじめたことではあるが、さすがにあたりが暗くなるまでやり続けたことで、もうすっかり飽きてしまっていた。それにいまはまだ温厚な態度で接してくれているおもちも、そのうちしびれを切らして小言を吐き続けるのは目に見えている。
リアムはそんな面倒くさい未来から逃げるために、対策を考えるよりも先に体を動かすことにした。まず最初に思いついたものは瓦礫掃除だった。瓦礫の山を減らしていけば、埋もれて見えなかった手がかりの一つや二つ発見できるかもしれない。日も落ち月光と腕時計の明かりを頼りに瓦礫を道路側に移動させては、建物跡地に何か残されていないか一軒一軒調べてまわった。
お母さん譲りの掃除をすること一週間が経過した頃、リアムはある不自然な場所を発見した。そこは他の土地と明らかに違っていた。周りの土地が崩壊した建物の重圧によって、凹凸ができ更なる瓦礫を発生させているなかで、その土地だけはあの魔宝石兵器開発局 のように傷一つなく綺麗な状態を維持していた。
七十五平米の土地は全て光沢のある滑らかな金属製の材料で覆われていて、その中心には同様の材料で作製したものと思われるマンホールが埋められていた。
リアムはそのマンホールに近づき蓋の窪みに指を差し込み開けようと何度も試みたが、その強固な蓋を開けることはできなかった。今までどんな素材、材料であったとしても力づくでこじ開けてきた彼女にとって、信じがたい出来事であった。正攻法でダメなのであれば、成功法でいくしかないそう思った彼女は、グッと拳を握り締め一気に振り下ろした。
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