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驚愕の真実その3
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リアムがその謎機械の一挙一動を興味深く眺めていると、いつの間にか背後まで接近していたイデアから声をかけられた。
「そちらの機械のご説明はまた後ほどいたしますので、まずはそれよりもリアム様にお見せしたいものがございますので、私について来ていただけますでしょうか?」
「――分かった。ついていく」
「では、どうぞこちらへ」
リアムは先導するイデアのあとについて行った。イデアに案内された部屋の名札には『メンテナンスルーム』と書かれていた。
「ここです、さぁリアム様お入りくださいませ」
イデアはそう言うと、ドア横に設置された認証機にIDカードをかざしドアを開けた。
部屋に入ったリアムはその異様な内装に驚きを隠せなかった。いつもと違うイデアや場の雰囲気に流されてしまったのか、リアムとしてもこれほど動揺が続くとは思いもしなかった。またこの広大な保管庫には、職員の姿が見当たらなかった。これほどまでに大量に貯蔵していたとしても、それを消費する人間がいない。そんな空虚な光景を目の当たりしたことで、その動揺を助長させたのかもしれない。良くいえばそれだけより人らしくなった、悪くいえばそれだけ心が弱くなった。
生活感のない家具の一つもない純白の部屋。その部屋の半分を埋めつくすように巨大な機械が鎮座していた。何かのバロメーターが表示されたディスプレイに、たくさんのボタンとレバーの付いた操作パネル、機械の中心部には人間が一人だけ入れそうな十字に模られた無人の透明なケースが組み込まれていた。機械自体は初めて見るものばかりだったが、あの透明なケースだけはどこか見覚えがあるような気がした。
リアムがそのケースについて目を閉じて考え込んでいたこともあって、イデアが目の前まで移動していることに気づかなかった。結局何も思い出せず、目を開けると静観していたイデアが声をかけてきた。
「もう話しかけてもよろしいでしょうか?」
「――問題ない」
「では……今からお話いたしますが、その前に……これを外しますね。リアム様にも私にとっても、きっとその方が良いかと存じます」
ガスマスクに内蔵された機能により抑揚もない中性的な声色に変化する。なのに、この時のイデアの声はその機能が発動しているにもかかわらず、いとおしむような優しい声だった。なぜそんな風に聞こえたのか、そう感じたのか、その答え合わせはイデアがガスマスクを外したことで解決した。だが、それ以上にリアムは驚倒してしまった。
その顔を一度たりとも忘れたことなんてない――イデアの顔はお母さんそっくりだった。ただ似ているだけではなく、髪の色も長さも肌も目も全てが、当時のまま変わらぬ姿をしていた。
「あっああああ、えっ、お母さん――と同じ顔?」
「そうですね、まずはそこからお話いたしましょうか。どうして私が……リアム様のお母様と同じ容姿をしているのかということを……」
それからイデアはお母さんと同じ声色で、今までの経緯について……そしてこれからについて語り始めた。
「そちらの機械のご説明はまた後ほどいたしますので、まずはそれよりもリアム様にお見せしたいものがございますので、私について来ていただけますでしょうか?」
「――分かった。ついていく」
「では、どうぞこちらへ」
リアムは先導するイデアのあとについて行った。イデアに案内された部屋の名札には『メンテナンスルーム』と書かれていた。
「ここです、さぁリアム様お入りくださいませ」
イデアはそう言うと、ドア横に設置された認証機にIDカードをかざしドアを開けた。
部屋に入ったリアムはその異様な内装に驚きを隠せなかった。いつもと違うイデアや場の雰囲気に流されてしまったのか、リアムとしてもこれほど動揺が続くとは思いもしなかった。またこの広大な保管庫には、職員の姿が見当たらなかった。これほどまでに大量に貯蔵していたとしても、それを消費する人間がいない。そんな空虚な光景を目の当たりしたことで、その動揺を助長させたのかもしれない。良くいえばそれだけより人らしくなった、悪くいえばそれだけ心が弱くなった。
生活感のない家具の一つもない純白の部屋。その部屋の半分を埋めつくすように巨大な機械が鎮座していた。何かのバロメーターが表示されたディスプレイに、たくさんのボタンとレバーの付いた操作パネル、機械の中心部には人間が一人だけ入れそうな十字に模られた無人の透明なケースが組み込まれていた。機械自体は初めて見るものばかりだったが、あの透明なケースだけはどこか見覚えがあるような気がした。
リアムがそのケースについて目を閉じて考え込んでいたこともあって、イデアが目の前まで移動していることに気づかなかった。結局何も思い出せず、目を開けると静観していたイデアが声をかけてきた。
「もう話しかけてもよろしいでしょうか?」
「――問題ない」
「では……今からお話いたしますが、その前に……これを外しますね。リアム様にも私にとっても、きっとその方が良いかと存じます」
ガスマスクに内蔵された機能により抑揚もない中性的な声色に変化する。なのに、この時のイデアの声はその機能が発動しているにもかかわらず、いとおしむような優しい声だった。なぜそんな風に聞こえたのか、そう感じたのか、その答え合わせはイデアがガスマスクを外したことで解決した。だが、それ以上にリアムは驚倒してしまった。
その顔を一度たりとも忘れたことなんてない――イデアの顔はお母さんそっくりだった。ただ似ているだけではなく、髪の色も長さも肌も目も全てが、当時のまま変わらぬ姿をしていた。
「あっああああ、えっ、お母さん――と同じ顔?」
「そうですね、まずはそこからお話いたしましょうか。どうして私が……リアム様のお母様と同じ容姿をしているのかということを……」
それからイデアはお母さんと同じ声色で、今までの経緯について……そしてこれからについて語り始めた。
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