ブルームーンはそこにいる

バン=ヒロシ

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ブルームーンはそこにいる

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ある少女はとある夜、1人ベンチに座っていた。

少女はみえっぱりで、いつも嘘をついていた。

少女はおくびょうでもあったから、いつ嘘がばれてしまうか毎日びくびくしている。

いくつもの嘘を重ねて、

本当のみにくい自分を見てほしくなくて。


ふと空を仰ぐと、満月がそこにあった。
自分に似ているようで、でもやっぱり違って、

涙がひとつぶ、こぼれ落ちた








ある青年はとある朝、1人木によりかかっていた。

青年は疲れていて、いつもイライラしていた。

青年は優しかったから、そんな自分が許せなくて毎日自身を責め立てている。

何度も人を傷つけて、

でも皆が好きで嫌われたくなくて。


ふと空を仰ぐと、満月がそこにあった。
なにか言ってほしくて、でもなにも言わなくて、

ためいきをひとつ、はきだした









ある少年はとある夕方、1人野原でうずくまっていた。

少年は友達が1人もいなくて、いつも寂しかった。

少年はがんこだったから、「そんなものいらない」なんて毎日意地をはっている。

楽しそうに笑う声を聞いて、

うらやましい思いを認めたくなくて。

あふれ出そうでじゃぐちをふさぐ。


ふと空を仰ぐと、満月がそこにあった。
こどくな仲間に感じて、でもそうでもなくて、

おえつがひとつ、もれだした














月はたくさんの人をみてきた。

月は皆を愛している。

皆を見守ってきた。

でも、救ってあげられる手はなくて。

ただそこに「在る」だけ。













ブルームーンはそこにいる。




















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