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第6話
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土足のまま校舎に入り、2階へ続く階段を上ると、お化け屋敷やら、占いやら、コスプレ喫茶やら……飾り付けられた看板がたくさんある。
「ま、マリンさん、どこに向かってるんですか?」
「う~ん……どこ行きたい?」
「あ、あの、お腹空いたんです……」
「じゃあ、チュロス食べよっか!」
そして、彼女がふと足を止め時、
「――見つけましたよ」
マリンさんの肩をがっしりと掴む、大人の女性。後ろで綺麗に結ばれた髪に、きちんと着こなすスーツ姿から、敏腕ビジネスマンみたいな雰囲気を醸し出していた。正直、高校の学園祭には合っていない。
「し、志島……」
この人、ボクの部屋に来た人だっ! 理系女子を装って、余計に目立つ格好をしていた……
「うふふ……捕まえましたよ。こんな服装しないから油断しましたね、姫野マリンさん」
志島さんが不敵に笑う。その瞳からは、『絶対に逃がさない』という強い意思を感じ取れる。
「助けて渚くん! マイダーリン! か弱い乙女が、性悪女に襲われてるの!」
「助けを求めても無駄ですよ。さっそく取り掛かってもらいますからね。締め切り……もう無いですよ? 終わるまで、部屋に幽閉です。他のアシさんも困ってるんですから……まぁ、担当さんはもっと困ってるんですけどね」
マリンさんの力でも、『逃がさない』と決めた強固な意志には敵わないみたいだ。
「うわあああああん」
2人の学園祭にそぐわないやり取りに、周囲の生徒の視線が釘付けじゃないか。そんな様子を目の前に、ボクは立ち尽くすことしか出来ない。悪目立ちする前に立ち去ろう。
「助けて! 姫を救い出し魔王を倒せるのは、勇者である渚くんだけ!」
「うるさいですよ~。さ、早く行きましょうね……魔王城に」
マリンさんが彼女に引きずられて行く。必死にもがいているが、彼女の力の前では成す術が無いのだろう。
「……で、どうしよう」
1人になってしまった。ホノカさんを探そうかな。「見ないで」って、言われたけど……ちょっとくらいなら、ね?
「おい、早く行こうぜ。腕相撲トーナメント、凄いらしいぜ! 女の子が運動部をボコボコにしてるんだって!」
「ウチの運動部、強豪で有名だぜ? ホントかよ」
男子生徒たちが急ぎ足で階段を下りていった。
腕相撲トーナメントに参加する女の子って……間違いない。
ボクも行こう……ホノカさんを応援したいし。
「ま、マリンさん、どこに向かってるんですか?」
「う~ん……どこ行きたい?」
「あ、あの、お腹空いたんです……」
「じゃあ、チュロス食べよっか!」
そして、彼女がふと足を止め時、
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マリンさんの肩をがっしりと掴む、大人の女性。後ろで綺麗に結ばれた髪に、きちんと着こなすスーツ姿から、敏腕ビジネスマンみたいな雰囲気を醸し出していた。正直、高校の学園祭には合っていない。
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この人、ボクの部屋に来た人だっ! 理系女子を装って、余計に目立つ格好をしていた……
「うふふ……捕まえましたよ。こんな服装しないから油断しましたね、姫野マリンさん」
志島さんが不敵に笑う。その瞳からは、『絶対に逃がさない』という強い意思を感じ取れる。
「助けて渚くん! マイダーリン! か弱い乙女が、性悪女に襲われてるの!」
「助けを求めても無駄ですよ。さっそく取り掛かってもらいますからね。締め切り……もう無いですよ? 終わるまで、部屋に幽閉です。他のアシさんも困ってるんですから……まぁ、担当さんはもっと困ってるんですけどね」
マリンさんの力でも、『逃がさない』と決めた強固な意志には敵わないみたいだ。
「うわあああああん」
2人の学園祭にそぐわないやり取りに、周囲の生徒の視線が釘付けじゃないか。そんな様子を目の前に、ボクは立ち尽くすことしか出来ない。悪目立ちする前に立ち去ろう。
「助けて! 姫を救い出し魔王を倒せるのは、勇者である渚くんだけ!」
「うるさいですよ~。さ、早く行きましょうね……魔王城に」
マリンさんが彼女に引きずられて行く。必死にもがいているが、彼女の力の前では成す術が無いのだろう。
「……で、どうしよう」
1人になってしまった。ホノカさんを探そうかな。「見ないで」って、言われたけど……ちょっとくらいなら、ね?
「おい、早く行こうぜ。腕相撲トーナメント、凄いらしいぜ! 女の子が運動部をボコボコにしてるんだって!」
「ウチの運動部、強豪で有名だぜ? ホントかよ」
男子生徒たちが急ぎ足で階段を下りていった。
腕相撲トーナメントに参加する女の子って……間違いない。
ボクも行こう……ホノカさんを応援したいし。
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