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海への再遠征準備とその他色々
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海への再遠征を決定したが、今日はリリのオネショとかで時間が取られた。
今日は準備に専念して明日出発にしよう。
現在午前9時。取り合えずリリにはバケツを渡して浅瀬で蟹を採るように頼んだ。
「オラ頑張るだよ!レイ兄ちゃん!」
リリは走って浅瀬に向かった。健気な子なんだよね。
ロップも手伝っている、仲良くなって良かったね。その間に俺はオネショをした
リリの服を洗って干した。するとリリが意気揚々と駆け寄って来た。
「レイ兄ちゃん!こんなに採れただよ!」
リリがニコニコしてバケツを差し出した。赤ちゃんの手のひらサイズの蟹が
ワサワサいる。
釣り餌としてはデカすぎるかもしれない。でも食っちまえばいいんだよな。
前世では沢蟹は揚げて食ったりしてたけど、煮てカニ汁にしてもいいだろう。
ニコニコしてるリリの頭を撫でて褒めておいた。俺は部下は褒めて伸ばすタイプなのだ。
「リリ君良く頑張りましたね。これは今日のお昼ご飯にしましょう。でももうちょっと小さい蟹を集めてくれませんか?リリ君の親指の爪位の大きさですよ」
「分かっただ。オラ頑張るだよ!行こうロップちゃん!」
「うにゃ~、ボクは笛を吹きたいっす」
リリは再びバケツを持って河原に走って行った。勤労少女リリに比べて、ロップの適当感は何なんだろう?
リリが採ってきた蟹はバケツに水を入れて泥吐きをさせて置く。ちょっと時間が足りないから泥臭いかもな。昨日採ったノビルと海水で炊こう。
そして、魚醤や毒果実酒等をかき回して具合を確かめる。グンドゥルックは酸っぱい匂いがしているので漬物容器から出して絞ってから叩いて干し網に入れた。
しばらくすると、リリが戻って来た。
「このぐらいでいいだか?レイ兄ちゃん」
充分ですよ!30匹程の豆粒位の蟹がバケツにいる。現在午前10時半。
「よし!良く働いてくれましたね、リリ君!これから俺はお昼までお魚を釣りに行くので、ロップ君と遊んでいなさい」
「え?こんなのお手伝いじゃねえだよ。オラはもっと働けるだよ!」
「リリ、子供のお仕事は遊んで学ぶ事なんだよ。しばらくは俺の手伝いをしながら、空いた時間はロップと遊びなさい」
俺的にはロップがほとんど遊んでいるのがムカつくのだが。今もマラカスを振ってモンキーダンスしてるし。
「それでいいだか?ならオラ、ロップちゃんと遊んでくるだ!」
リリが踊っているロップに走っていった。
さて、リリはロップに任せておけば良いだろう。俺は下流の滝壺で釣りをしてみよう。
晩飯はまた黒猪にするとして、下流の滝壺での釣りを試してみよう。
渓流竿一式とクーラーと蟹餌の入ったバケツを持って、下流の滝壺に降り立った。
廻りが切り立った崖なんであまり足場がない。
比較的大きな岩が顔を覗かせているので、そこに陣取った。さて蟹餌を付けて第一投。仕掛けが馴染むとすぐにアタリが来た!
やっぱり茶鱒だ。結構良い型だね。昼飯用に6匹、ロップの晩飯用に2匹。
そして明日の朝飯用に6匹、計14匹は釣りたい。
昨日と同じく2時間程釣りをして目標の14匹をゲットする事が出来た。
ワタを抜いて帰り支度をしていると、浅瀬に捨てて置いたワタに食らいついている生き物がいる。これは....
スッポン様だ!
速攻で甲羅を掴んで引っ張りあげた。でかい!40センチくらいあるぞ!
これは今日の晩飯はスッポン鍋に変更ですよ!
ゲテ村と俺にとっては最高のご馳走だったんだよ。こんな水の冷たい渓流にいるとは思わなかった。
亀の装甲もいろいろで、ミドリガメとかイシガメがスク水だとすると、カミツキガメはビキニ、スッポンはヌードなのだ。
つまり料理がし易い。亀類は総じて美味いが、やはりスッポンだよね。
ワタワタしているスッポンをバケツに放り込んで、そうそうに洞窟に戻った。
スッポン様も必死でバケツから逃げ出そうとするので中々大変だったよ。
昨日リリを入れた漬物樽を持ち出して水を汲み、スッポン様を優しく入れた。
タライとかだと確実に脱走するからな。
リリとロップはマラカスとタンバリンで踊っていたが、俺に気付くと駆け寄ってきた。
「レイ兄ちゃん!お帰りだよ!お魚採れたべか?」
「うにゃ~、また茶鱒っすか?」
俺は漬物樽を指さした。
「ふふふ、ロップ君、リリ君、今晩はご馳走ですよ!」
ロップとリリが漬物樽を覗き込む。
「うんわあ!裸亀だ!オラ食べた事ないだよ。ゴレロフさんとか漁師衆が美味い美味いって食べてたのを、オラ見てただけだよ!」
「ふ~ん?ボクはお魚でいいっすよ。ちゃんと茶鱒を釣ってきてくれたっすか?」
「....ロップ、オマエは俺を自動餌出し機とでも思ってんのか?罰としてキミには今日のお昼は飯抜きの刑を執行します!」
ロップが涙目で飛びついてきた。
「うにゃ~レイ様、ごめんなしゃい~!もう調子に乗らないっすよ~」
リリも一緒に飛びついてくる。
「レイ兄ちゃん、ロップちゃんが可哀そうだよ!ロップちゃんが飯抜きならオラも飯抜きにしてくんろ!」
なんだこの連携!仲良くなりすぎだろ。リリとロップが飯抜きなのに俺だけ食べる訳にはいかないじゃねーか!仕方がない。
「今回だけは許します。以後言動には気を付けるようにしなさい」
しおしおと項垂れるロップをリリが慰めている。しかし今後はこの連携には気を付けねばなるまい。リリにはあまりロップを甘やかさないように言っておこう。
さてもう13時だ。飯の支度をしよう。
ロップにはバケツに茶鱒を2匹ぞんざいに放り込んで、俺の怒りを示しておいた。
俺とリリの分は、茶鱒の塩焼きを2匹ずつと、リリが採ってきた蟹だ最初は煮ようと思っていたが、やっぱ沢蟹は素揚げだろう。貴重なオリーブオイルを少し使って揚げ焼きにした。蟹を食べてみる。まあ沢蟹だね。オヤツみたいなもんだがなかなか美味い。10匹をボリボリ食べた。茶鱒は相変わらず美味いな。
リリは雁木小僧ぶりを発揮して、美味い美味いとバリバリ食べ尽くした。
俺の食べ残しの頭と骨は2匹ともリリに与えた。罰ですよロップ君。
さて午後は海遠征の準備をしようか。ロップとリリには薪拾いを頼んでおいた。
基本的には前回の装備に追加する感じだな。
塩造り用にはデカい漬物樽を使う。前回使ったホーロー製の甕は塩甕に転用しよう。それにステンレスダッチオーブンも追加だ。塩の量が多くなるだろうから、
前回の鍋では小さいからね。カニ網は今夜直してみて大丈夫そうなら持っていく。
前回は忘れたが洗濯用具も追加しよう、リリもいるからな。
今回は着替えもちゃんと持って行く事にしようか。あ!医療品も必要だよな。
俺はどうにでもなるが、リリがケガをしたら大変だ。
そしてコウエイ様の嗜好から察するにきっとアレがあるはずだ。
コウエイ様の遺品をごそごそ発掘する。
....やはりあったか!そうスク水だ。せっかく海に行くんだしリリに海水浴をさせてやろう。流石に浮き輪とかはなかったが、発砲スチロールの箱があったので、
蓋を持って行く、ビート板の代わりになるだろう。荷物をチェックしていると、
ちゃっかりロップの遊び道具が混じっている。今回はリバーシとトランプも追加してあるな。ロップの気配は全く感じなかった。実に不思議だ。
今回も水タンクの水汲みに結構時間が掛かったね。現在16時。さあ梱包は明日にするとして、スッポン様の調理を始めようか!醤油とショウガが無いのが悔やまれる。
まあ海水と胡椒で煮てみよう。河原でスッポン様を捌く。首チョンパしてから血を抜き、甲羅と爪の部分を切り離して各部位を切り分けていく。切り分けたら
80度位のお湯に漬けて薄皮を剥ぐ。水で洗った後に塩とグリーンペッパーを塗してみようか。調味料が塩と胡椒しかないからな。
俺が下ごしらえをしているとロップとリリが薪拾いから戻ってきた。子供だから枯れ枝ばかりだが充分だよ。今日は煮物だから俺が魔法で沸かす。
「レイ兄ちゃん、オラ裸亀食べるの楽しみだ~」
「ちょっと俺の食べてた時と味付けが違うからあんまり期待するなよ」
さて岩棚に戻ってダッチオーブンに海水を入れる。味は薄めにしよう。そうだ!
煮干しがあったな、ちょっと追加してみるか。
30分程煮干しを漬けて置いてから昨日採った残りのノビルを入れて魔法で炊き始める。野菜も食べないとね。
リリはロップにリバーシのルールを教わっている。まあグランドチャンプに挑戦するのはまだ早いからな、新人のリリ君がキミには丁度良いだろう。
よし、海水が煮えてきたぞ。前世でのスッポン鍋の名店ではコークスを使って高温で煮たてていたな。お高いから行った事ないけど。
スッポンを投入して、出来るだけ魔力を込めて高温で炊いた。レバーもハツも投入だ!腸とかも食えるらしいが料理方が分からない、残念ながら今回はパスだ。
ぬおお!炊くぞ炊くぞ!ぷふう、かなり魔力を持っていかれた。だがそろそろ頃合いだろう、いい匂いがしますよ。
「キミ達ご飯だよ~」
リリとロップはリバーシのゲーム中だったみたいだが、リリがすっ飛んできた。
「さっきからいい匂いがしてただよ。レイ兄ちゃんあんがと」
ロップはあまり興味が無いようだ。いつも通りにバケツに茶鱒を入れて渡す。
リリにはお椀によそって、匙と一緒に渡した。
「リリ、熱いから手で食べてはいけませんよ。この匙で掬って食べなさい。それでは皆さん頂きます」
「「頂きま~す」」
箸でつまんで食べてみる。これはエンペラだな、うん味付けはシンプルだが
プルプルして美味い。胡椒がいいアクセントを付けてるな。やっぱ使って正解だったよ。
スープを啜ると、あ~やっぱりスッポン出汁は美味い、塩と胡椒と煮干しだけとは思えない濃厚な旨味が口の中に広がる。煮干しは余計だったかもしれないな。
これはレバーか?食べてみる。これは素晴らしい!この濃厚な旨味は黒猪以上ですよ!手足の肉もしっとりとして骨離れが良く最高だぞ。
リリは無言でがっついている。泣くなよ。またしんみりしちゃうから!
ご馳走様をした後、ロップがリバーシ!リバーシ!騒いでいるが、リリは放心している。やっぱりスッポン様は最高だったよ。また採りにいこう!
「レイ兄ちゃん、昨日の食事も美味かったけんども、これはすごいだ。
オラは毎日食いてえだよ」
「いや毎日は流石に無理だぞ。出来るだけ採るから楽しみにしておきなさい」
「分かっただ。オラもレイ兄ちゃんのお手伝い頑張るだよ」
残ったスープは煮凝りになるかもしれないな。タッパーに入れて川で冷やしておいた。
さて、岩棚でポータブルストーブに火を入れよう。ロップもリバーシがしたいだろうからな。
さっそくロップとリリがリバーシの対戦を始めた。俺だけハブか?
まあこれがチャンプの孤独というものだろう。
そうだ、リコーダーでも吹いてみよう。いつもロップが吹き鳴らす無茶苦茶な
リコーダーにイラついていたのだ。俺はガキの頃は結構リコーダーは得意だったのだよ。
初めて聞いた曲でも結構適当にコピー出来たんで音楽の先生に褒められた事があるのだ、ふふふ。ロップのバカリコーダーとの違いを思い知らせてやんよ!
勘を取り戻すためにしばらく試し吹きをしていると、リリと対戦中のロップが声を上げた。
「レイ様。ボクに笛で勝てると思ってるんすか?100万年早いっすよ!」
アホ猫は無視して、好きだった"Guts n' Moses"の"SWAT child online"を華麗に吹き鳴らしてやった。ロップはアワアワしている。効果はバツグンだ!
続けて、国民的RPG、"ドラポンリクエスト"のBGMや、やはり国民的アニメの、少女が神の世界の温泉宿で下働きする話のテーマ曲を吹いていると、
リリがまた泣いている。
「オラ、こんなの聞いた事ねえだよ。レイ兄ちゃんもっと聞かしてくんろ!」
ロップがうにゃうにゃ喚いているが、リバーシ対戦はお開きになり、俺のリコーダー独演会が続いたのだった。
今日は準備に専念して明日出発にしよう。
現在午前9時。取り合えずリリにはバケツを渡して浅瀬で蟹を採るように頼んだ。
「オラ頑張るだよ!レイ兄ちゃん!」
リリは走って浅瀬に向かった。健気な子なんだよね。
ロップも手伝っている、仲良くなって良かったね。その間に俺はオネショをした
リリの服を洗って干した。するとリリが意気揚々と駆け寄って来た。
「レイ兄ちゃん!こんなに採れただよ!」
リリがニコニコしてバケツを差し出した。赤ちゃんの手のひらサイズの蟹が
ワサワサいる。
釣り餌としてはデカすぎるかもしれない。でも食っちまえばいいんだよな。
前世では沢蟹は揚げて食ったりしてたけど、煮てカニ汁にしてもいいだろう。
ニコニコしてるリリの頭を撫でて褒めておいた。俺は部下は褒めて伸ばすタイプなのだ。
「リリ君良く頑張りましたね。これは今日のお昼ご飯にしましょう。でももうちょっと小さい蟹を集めてくれませんか?リリ君の親指の爪位の大きさですよ」
「分かっただ。オラ頑張るだよ!行こうロップちゃん!」
「うにゃ~、ボクは笛を吹きたいっす」
リリは再びバケツを持って河原に走って行った。勤労少女リリに比べて、ロップの適当感は何なんだろう?
リリが採ってきた蟹はバケツに水を入れて泥吐きをさせて置く。ちょっと時間が足りないから泥臭いかもな。昨日採ったノビルと海水で炊こう。
そして、魚醤や毒果実酒等をかき回して具合を確かめる。グンドゥルックは酸っぱい匂いがしているので漬物容器から出して絞ってから叩いて干し網に入れた。
しばらくすると、リリが戻って来た。
「このぐらいでいいだか?レイ兄ちゃん」
充分ですよ!30匹程の豆粒位の蟹がバケツにいる。現在午前10時半。
「よし!良く働いてくれましたね、リリ君!これから俺はお昼までお魚を釣りに行くので、ロップ君と遊んでいなさい」
「え?こんなのお手伝いじゃねえだよ。オラはもっと働けるだよ!」
「リリ、子供のお仕事は遊んで学ぶ事なんだよ。しばらくは俺の手伝いをしながら、空いた時間はロップと遊びなさい」
俺的にはロップがほとんど遊んでいるのがムカつくのだが。今もマラカスを振ってモンキーダンスしてるし。
「それでいいだか?ならオラ、ロップちゃんと遊んでくるだ!」
リリが踊っているロップに走っていった。
さて、リリはロップに任せておけば良いだろう。俺は下流の滝壺で釣りをしてみよう。
晩飯はまた黒猪にするとして、下流の滝壺での釣りを試してみよう。
渓流竿一式とクーラーと蟹餌の入ったバケツを持って、下流の滝壺に降り立った。
廻りが切り立った崖なんであまり足場がない。
比較的大きな岩が顔を覗かせているので、そこに陣取った。さて蟹餌を付けて第一投。仕掛けが馴染むとすぐにアタリが来た!
やっぱり茶鱒だ。結構良い型だね。昼飯用に6匹、ロップの晩飯用に2匹。
そして明日の朝飯用に6匹、計14匹は釣りたい。
昨日と同じく2時間程釣りをして目標の14匹をゲットする事が出来た。
ワタを抜いて帰り支度をしていると、浅瀬に捨てて置いたワタに食らいついている生き物がいる。これは....
スッポン様だ!
速攻で甲羅を掴んで引っ張りあげた。でかい!40センチくらいあるぞ!
これは今日の晩飯はスッポン鍋に変更ですよ!
ゲテ村と俺にとっては最高のご馳走だったんだよ。こんな水の冷たい渓流にいるとは思わなかった。
亀の装甲もいろいろで、ミドリガメとかイシガメがスク水だとすると、カミツキガメはビキニ、スッポンはヌードなのだ。
つまり料理がし易い。亀類は総じて美味いが、やはりスッポンだよね。
ワタワタしているスッポンをバケツに放り込んで、そうそうに洞窟に戻った。
スッポン様も必死でバケツから逃げ出そうとするので中々大変だったよ。
昨日リリを入れた漬物樽を持ち出して水を汲み、スッポン様を優しく入れた。
タライとかだと確実に脱走するからな。
リリとロップはマラカスとタンバリンで踊っていたが、俺に気付くと駆け寄ってきた。
「レイ兄ちゃん!お帰りだよ!お魚採れたべか?」
「うにゃ~、また茶鱒っすか?」
俺は漬物樽を指さした。
「ふふふ、ロップ君、リリ君、今晩はご馳走ですよ!」
ロップとリリが漬物樽を覗き込む。
「うんわあ!裸亀だ!オラ食べた事ないだよ。ゴレロフさんとか漁師衆が美味い美味いって食べてたのを、オラ見てただけだよ!」
「ふ~ん?ボクはお魚でいいっすよ。ちゃんと茶鱒を釣ってきてくれたっすか?」
「....ロップ、オマエは俺を自動餌出し機とでも思ってんのか?罰としてキミには今日のお昼は飯抜きの刑を執行します!」
ロップが涙目で飛びついてきた。
「うにゃ~レイ様、ごめんなしゃい~!もう調子に乗らないっすよ~」
リリも一緒に飛びついてくる。
「レイ兄ちゃん、ロップちゃんが可哀そうだよ!ロップちゃんが飯抜きならオラも飯抜きにしてくんろ!」
なんだこの連携!仲良くなりすぎだろ。リリとロップが飯抜きなのに俺だけ食べる訳にはいかないじゃねーか!仕方がない。
「今回だけは許します。以後言動には気を付けるようにしなさい」
しおしおと項垂れるロップをリリが慰めている。しかし今後はこの連携には気を付けねばなるまい。リリにはあまりロップを甘やかさないように言っておこう。
さてもう13時だ。飯の支度をしよう。
ロップにはバケツに茶鱒を2匹ぞんざいに放り込んで、俺の怒りを示しておいた。
俺とリリの分は、茶鱒の塩焼きを2匹ずつと、リリが採ってきた蟹だ最初は煮ようと思っていたが、やっぱ沢蟹は素揚げだろう。貴重なオリーブオイルを少し使って揚げ焼きにした。蟹を食べてみる。まあ沢蟹だね。オヤツみたいなもんだがなかなか美味い。10匹をボリボリ食べた。茶鱒は相変わらず美味いな。
リリは雁木小僧ぶりを発揮して、美味い美味いとバリバリ食べ尽くした。
俺の食べ残しの頭と骨は2匹ともリリに与えた。罰ですよロップ君。
さて午後は海遠征の準備をしようか。ロップとリリには薪拾いを頼んでおいた。
基本的には前回の装備に追加する感じだな。
塩造り用にはデカい漬物樽を使う。前回使ったホーロー製の甕は塩甕に転用しよう。それにステンレスダッチオーブンも追加だ。塩の量が多くなるだろうから、
前回の鍋では小さいからね。カニ網は今夜直してみて大丈夫そうなら持っていく。
前回は忘れたが洗濯用具も追加しよう、リリもいるからな。
今回は着替えもちゃんと持って行く事にしようか。あ!医療品も必要だよな。
俺はどうにでもなるが、リリがケガをしたら大変だ。
そしてコウエイ様の嗜好から察するにきっとアレがあるはずだ。
コウエイ様の遺品をごそごそ発掘する。
....やはりあったか!そうスク水だ。せっかく海に行くんだしリリに海水浴をさせてやろう。流石に浮き輪とかはなかったが、発砲スチロールの箱があったので、
蓋を持って行く、ビート板の代わりになるだろう。荷物をチェックしていると、
ちゃっかりロップの遊び道具が混じっている。今回はリバーシとトランプも追加してあるな。ロップの気配は全く感じなかった。実に不思議だ。
今回も水タンクの水汲みに結構時間が掛かったね。現在16時。さあ梱包は明日にするとして、スッポン様の調理を始めようか!醤油とショウガが無いのが悔やまれる。
まあ海水と胡椒で煮てみよう。河原でスッポン様を捌く。首チョンパしてから血を抜き、甲羅と爪の部分を切り離して各部位を切り分けていく。切り分けたら
80度位のお湯に漬けて薄皮を剥ぐ。水で洗った後に塩とグリーンペッパーを塗してみようか。調味料が塩と胡椒しかないからな。
俺が下ごしらえをしているとロップとリリが薪拾いから戻ってきた。子供だから枯れ枝ばかりだが充分だよ。今日は煮物だから俺が魔法で沸かす。
「レイ兄ちゃん、オラ裸亀食べるの楽しみだ~」
「ちょっと俺の食べてた時と味付けが違うからあんまり期待するなよ」
さて岩棚に戻ってダッチオーブンに海水を入れる。味は薄めにしよう。そうだ!
煮干しがあったな、ちょっと追加してみるか。
30分程煮干しを漬けて置いてから昨日採った残りのノビルを入れて魔法で炊き始める。野菜も食べないとね。
リリはロップにリバーシのルールを教わっている。まあグランドチャンプに挑戦するのはまだ早いからな、新人のリリ君がキミには丁度良いだろう。
よし、海水が煮えてきたぞ。前世でのスッポン鍋の名店ではコークスを使って高温で煮たてていたな。お高いから行った事ないけど。
スッポンを投入して、出来るだけ魔力を込めて高温で炊いた。レバーもハツも投入だ!腸とかも食えるらしいが料理方が分からない、残念ながら今回はパスだ。
ぬおお!炊くぞ炊くぞ!ぷふう、かなり魔力を持っていかれた。だがそろそろ頃合いだろう、いい匂いがしますよ。
「キミ達ご飯だよ~」
リリとロップはリバーシのゲーム中だったみたいだが、リリがすっ飛んできた。
「さっきからいい匂いがしてただよ。レイ兄ちゃんあんがと」
ロップはあまり興味が無いようだ。いつも通りにバケツに茶鱒を入れて渡す。
リリにはお椀によそって、匙と一緒に渡した。
「リリ、熱いから手で食べてはいけませんよ。この匙で掬って食べなさい。それでは皆さん頂きます」
「「頂きま~す」」
箸でつまんで食べてみる。これはエンペラだな、うん味付けはシンプルだが
プルプルして美味い。胡椒がいいアクセントを付けてるな。やっぱ使って正解だったよ。
スープを啜ると、あ~やっぱりスッポン出汁は美味い、塩と胡椒と煮干しだけとは思えない濃厚な旨味が口の中に広がる。煮干しは余計だったかもしれないな。
これはレバーか?食べてみる。これは素晴らしい!この濃厚な旨味は黒猪以上ですよ!手足の肉もしっとりとして骨離れが良く最高だぞ。
リリは無言でがっついている。泣くなよ。またしんみりしちゃうから!
ご馳走様をした後、ロップがリバーシ!リバーシ!騒いでいるが、リリは放心している。やっぱりスッポン様は最高だったよ。また採りにいこう!
「レイ兄ちゃん、昨日の食事も美味かったけんども、これはすごいだ。
オラは毎日食いてえだよ」
「いや毎日は流石に無理だぞ。出来るだけ採るから楽しみにしておきなさい」
「分かっただ。オラもレイ兄ちゃんのお手伝い頑張るだよ」
残ったスープは煮凝りになるかもしれないな。タッパーに入れて川で冷やしておいた。
さて、岩棚でポータブルストーブに火を入れよう。ロップもリバーシがしたいだろうからな。
さっそくロップとリリがリバーシの対戦を始めた。俺だけハブか?
まあこれがチャンプの孤独というものだろう。
そうだ、リコーダーでも吹いてみよう。いつもロップが吹き鳴らす無茶苦茶な
リコーダーにイラついていたのだ。俺はガキの頃は結構リコーダーは得意だったのだよ。
初めて聞いた曲でも結構適当にコピー出来たんで音楽の先生に褒められた事があるのだ、ふふふ。ロップのバカリコーダーとの違いを思い知らせてやんよ!
勘を取り戻すためにしばらく試し吹きをしていると、リリと対戦中のロップが声を上げた。
「レイ様。ボクに笛で勝てると思ってるんすか?100万年早いっすよ!」
アホ猫は無視して、好きだった"Guts n' Moses"の"SWAT child online"を華麗に吹き鳴らしてやった。ロップはアワアワしている。効果はバツグンだ!
続けて、国民的RPG、"ドラポンリクエスト"のBGMや、やはり国民的アニメの、少女が神の世界の温泉宿で下働きする話のテーマ曲を吹いていると、
リリがまた泣いている。
「オラ、こんなの聞いた事ねえだよ。レイ兄ちゃんもっと聞かしてくんろ!」
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