Revolution Calling!俺と黒猫が異世界秩序改変に挑戦する話

猿型茄子

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催涙弾の作成とゴレロフ村長の受難

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現在17時。まだ口の中が痛い。俺は水筒の水をがぶ飲みしたが、唐辛子の辛さって水飲んでもあまり効果が無いんだよね。

途中でリリを拾って村長宅の庭に着いた。ドルロフさんやワイルフさんはもう
作業を切り上げた様だ。今日は何処で寝泊まりするんだろうね?

ココエラさんから夕飯を提供するとの申し出があったが断った。村がこんな状態
だしな。俺とリリにはまだ黒芋がある。ロップ用にも干物がまだ少し残っている。

庭でロケットストーブに火を入れて、リリと黒芋をもそもそ食べていると、
煩いヤツがやって来た。

「レイ兄ちゃああああん!アタシ頑張ったんだぜ!褒めろおおおお!」

またタックルか!俺が身構えると、アーロフさんに首根っこを掴まれてジタバタ
している。

「落ち着け、エイエラ!使徒様は怪我をされているんだぞ!」
「放せ、アーロフ!アタシはレイ兄ちゃんに褒められたいんだああああ!」

コイツは確か伝令班だよな?未だに村に動きがないって事は、
ただ待っていただけなんじゃないのか?何を褒めろと言うのだろうか。
まあ、地味な仕事でも、ちゃんと頑張ってたんだね。俺は心の中で呟いた。

「使徒様、済みませんな。エイエラは交代で先程戻って来たのです。私が使徒様
に届ける物があると言うと、エイエラが一緒に行くと散々駄々を捏ねましてな。
残念ながら私にはエイエラの我儘をねじ伏せる事は出来ませなんだ」

若干アーロフさんが憔悴している。無理もない、俺もコイツの我儘には散々
手こずらされて来た。ココエラさんかベルザロフさんじゃないとコイツを掣肘
出来ないだろうな。優等生っぽい雰囲気のアーロフさんには荷が重いだろう。

「アーロフさん、俺への届け物って何です?」
「一つ目巨人の魔石をお持ちしたのです。どうぞお受け取り下さい」

ああ、忘れてたよ。でもアイツらの魔石吸収は嫌だな~。疥癬とかインキンは
ダニとか菌が原因だから問題は無いと思うが、不潔耐性とかゲットしてしまうの
だろうか?

「....わざわざ、ありがとうございます。助かります」

俺はソフトボール位の茶色の魔石を受け取った。
「それで、どうなんです?集落の状況は?」

「今は建物の残骸で仮の住まいを作って警戒中です。ただ狩人衆の狩りに回す人員が足りません。この状況が続くと食料の供給が厳しくなるでしょう」

そうだよな。今までもカツカツでやってきたのに、集落の防衛に人員を割かなければならないなら、労働力の減衰は必須だろう。
自警団は消防団みたいなもので、普段は皆、本業に就いている人達らしいからな。
本業の方も人手が取られて苦しいだろう。なるべく早期決戦が望ましいな。

「南へ向かった偵察隊は、何時戻るんですか?」
「連絡が取れないのでなんとも言えません。まだしばらく掛るかと思います」

催涙弾が出来たら、俺が試用も兼ねてダイアべアでも獲ってくるかな。
サイクロプス達はいつ頃、再来するんだろう?準備が出来た後に、誘き寄せる
方法があれば時間の短縮になるんだが。

「アーロフさん、一つ目巨人達はいつ頃戻って来ると思いますか?」

「どうでしょう?南の集落が襲われた時は、最初は村人を夜に3~4人攫って去って行った様です。その後も何度も襲撃されて3日程で集落は壊滅したのです。
今回の様にいきなり大暴れした例は初めてですので、恥ずかしながら私には分かりかねます」

南の集落への襲撃は三毛別ヒグマ事件の拡大版みたいだな。夜襲でちょこちょこ
襲撃されたら、残留している防衛隊も危険かもしれない。

「ヤツらを餌とかで誘き出す方法とかありませんか?」
「うーん?今までのヤツらとの交戦は遭遇戦しか無いのです。今回の様な
防衛戦は初めてなのですよ。南の集落が壊滅した時も我々が駆け付けた時は既に
ヤツらはいませんでしたからな。ただ、ベルザロフが遠征中にヤツらが黒猪を
食らっているのを遠目で見たと言っていましたな」

これは急がなきゃな。今日中に催涙パウダーを作って明日はダイアべアあたりで
効果を確かめてから、決戦は明後日を想定しよう。ダイアべアのワタで誘き出せればいいのだが。

それと、問題は催涙パウダーを詰める入れ物だ。布袋では破裂しないだろう。
うろ覚えだが戦国時代に真田家の忍者が卵の殻にクラゲの乾燥粉末と砂を詰めて
目つぶしに使っていたと聞いた事がある。卵の殻が欲しいな。

「アーロフさん、唐突な話だと思うかもしれませんが、卵を手に入れる事は
出来ますか?出来ればこの位の大きさがいいです」
俺は手で鶏卵位の形を示した。

「は?卵ですか?使徒様が食されるのですか?今日はもう暗いので無理ですが、
明日なら見つかるかもしれません」

「いえ、中身ではなくて殻が欲しいのです。今日お話しした目潰しの容器に
卵の殻が最適なのですよ」

「成程、出来るだけの人員を手配しましょう。ただ運任せの部分が多いので、
あまり期待はしないでください」

「分かりました。ありがとうございます。宜しくお願いします」

「さあ、エイエラ戻るぞ、まだ我等にはやる事があるのだ」
エーラがアーロフさんに首根っこを掴まれてギャーギャー喚きながら
連れていかれた。

現在18時半。さて、俺にはまだまだやる事がある。サイクロプスの魔石を嫌々
吸収した後、ロップとリリにはロケットストーブの周りで遊んでいるように言っておいた。
「レイ様、リバーシとトランプを出して下さいっす」

コイツも飽きないね、そんなに自分より弱い相手に勝って嬉しいのか?
エーラは負けると本気で悔しがるけど、リリは負けてもニコニコしてるだけだぞ。
今度リリとエーラにコイツの弱点である”スピード”を教えてやろう。ふふふ。

俺はメドロフから貰った地獄唐辛子を少しだけ残して、残りを魔法で乾燥させた。
採った時はかなりの量だと思ったが、乾燥させるとかなりかさが減ってしまった。
足りるかな?

次にブラックペッパーと赤芋にすりこ木、すり鉢、ボール複数を収納袋から取り出した。赤芋は魔法練習用だ。多分すり鉢では粗挽き状態にしかならないだろう。
俺の目標は小麦粉状態だ。
新たな基本魔法"微細粉末化"を造り出そうという俺の野心的な試みなのだ!

....ダメだったら明日ドルロフさんに相談しよう。だがロップは魔法はイメージだと言っていた。前世の小麦粉や片栗粉を知っている俺には可能だと思っている。

まず、地獄唐辛子をすり鉢で擦る。ゴリゴリ ゴリゴリ ゴリーゴリ♪
ぐおっ!目にくる!手もピリピリする!これはいかん。俺は収納袋からゴーグル
とゴム手袋を取り出して、ロップとリリから離れた場所に移って作業を続けた。

しばらくゴリゴリを続けたが、やはり粗挽き状態が限界だな。ブラックペッパー
と、魔法で乾燥させた赤芋も同様に擦った。

やはり両者とも粗挽き状態だ。さて、ここからが本番だ。
乾燥粗挽き赤芋の入ったボールに。新基本魔法"微細粉末化"を試みる。
要はイメージだ。粉末、小麦粉、片栗粉。より細かく、より粒子に近く....。

ボールの中の粗挽き赤芋がザワザワと蠢き始めた。さらに魔力を込める事10分。
赤芋が微細粉末になっていた。触感を確かめると、これは小麦粉だ。やったぜ!

この赤芋粉も料理に使えるはずだが、すり鉢を洗わなかったから地獄唐辛子と
ブラックペッパーも若干混じっているはずだ。でもそれはそれで美味そうだな。
明日、水で捏ねて焼いてみよう。

その後、ブラックペッパーと地獄唐辛子の微細粉末化に成功した。
だが魔力をかなり使ってしまった。ラジオ体操をしよう。
俺がラジオ体操を始めると、遊んでいたロップが騒ぎだした。

「リリちゃん、あれを見るっすよ。レイ様が変な踊りを始めたっすよ。
うにゃにゃにゃ~」
「ロップちゃん、オラも一緒にやるだ!前に見た時からやってみたかっただよ」

リリがトコトコ近寄って来て、俺の目の前で真似を始めた。
なんだコレ?恥ずかしいぞ。俺は第二までしっかり終えた。

「うんわ~。なんか気持ちいいだなや~、レイ兄ちゃん、オラにも教えてくんろ」

ん?リリにはラジオ体操の効果があるのか?まあ他人の魔力なんて判断出来ない
からな。一応リリにラジオ体操第一から第二まで教えた。

ロップは不貞腐れてこっちに尻を向けてごろ寝をしている。
リリと一緒に俺をはやそうとしていた目論見が外れたからだろう。さもしいヤツだ。

現在20時半。そろそろコイツらは寝かせよう。まだ俺にはやる事がある。

「はい、君たちはもう寝る時間ですよ。村長さんの別宅に行ってお休みなさい」

「分かっただよ、レイ兄ちゃん」
「うにゃ~、レイ様お休みっす」

ロップは精神生命体だから寝なくても問題無いと思うのだが、いつもキッチリ寝ていやがる。今度キッチリ話をする必要があるな。

さて、催涙パウダーだ。微細粉末化したのでさらにかさが減ってしまった。
大体、地獄唐辛子粉が約400グラムとブラックペッパーが300グラム位だ。
手持ちのブラックペッパーは全部使ってしまった。また採りにいかねばならないな。だがこの量では催涙弾があまり作れない。

何かかさ増し出来て、効果が見込める素材はないだろうか?そうだ、クラゲだ!
だが俺はまだ海でクラゲを見かけていない。ええい!行って見よう!
今の俺なら海までもそう時間は掛からない。

最高速で海に行って、しばらく様子を見てダメそうならすぐに帰ろう。俺は道具を回収して飛び立った。夜間飛行は初めてだが、周りが白黒映像で見えるだけで問題は無い。

最高速で飛ぶと、干潟まで40分位で着いた。もう時速100キロは余裕で越えてるな。今は丁度干潮のようだ、俺は西のビーチへ向かう。アレが打ち上げられているといいのだが。

夜のビーチを散策する。俺の白黒映像視覚で、注意深く干潮の波打ち際を注視して15分程西に向かって歩いた。お!波打ち際に打ち上げられた。風船みたいな
物がある!これはアレではないのか?

近寄って確認してみる。来たー!どうみてもカツオノエボシだ!
猛毒クラゲだよ!コイツは普通のクラゲと違って、ヒドロ虫の群体で形成された
変な生き物だ。危険なのは風船にぶら下がった猛毒の刺胞を持った触手部分だ。
まあ俺には効かないがな!俺は風船部分を掴んで土嚢袋にずるずる放り込んだ。

その後、浜辺で打ち上げられた5匹のカツオノエボシをゲットした。
ほとんど水分だからかさ増しは気休め程度だろうが、効果は期待大だ。

俺は超特急で村まで戻った。村長宅の庭に戻った俺は、カツオノエボシの触手を
切り離し、魔法で乾燥させた。かなり萎んだな、回収する時はかなりの長さの
触手だったが、今では乾燥スパゲティみたいになっている。
その後はすり鉢でゴリゴリタイムだ。
ゴリゴリ ゴーリ~ゴーリ~擦られて行くよ~♪コイツは粗挽き位でいいだろう。

ボールに地獄唐辛子粉、ブラックペッパー粉とクラゲ粗挽き粉を混ぜてブレンド
した。後は容器の卵の殻の問題だな、アーロフさんに期待しよう。

今日はもうこのまま重力魔法の練習で徹夜しよう。

明け方、俺は持ち上げて落とした小石を重力魔法で干渉してゆっくりと落とす事に成功した。
感触は大体掴めたと思う。後は重力を重く作用させる方法だ。どちらかと言うと重くさせる方が有用だろう。サイクロプスとかもいきなり重力2倍とかの環境になったらまともに動けないだろうからな。まあ、いきなりフワフワになっても困るかもしれないがな。まだまだ習練は必要だ。

もう少ししたら、リリ達が起きて来るだろう。グンドゥルックを水で戻しておく。炭もおこしておこう。今日の朝飯は昨日作った赤芋粉にグンドゥルックを混ぜて七輪で焼いてみよう。
虫を胡椒と一緒に食べていたリリは文句を言わないはずだ!

行者ニンニクのグンドゥルックが戻ったので細切れにして、赤芋粉に混ぜてグンドゥルックの戻し汁と塩を加えて練る。結構量があるな。小判型に形成すると16枚作れた。1枚七輪で焼いてみよう。香ばしい匂いが漂ってくるぞ。両面に焼き目が付いてから試食してみた。ちょっとボソボソしているが、まあ気になる程ではないな。味はまあまあだし。

匂いに釣られたらしく、リリが起きて来てラジオ体操を始めた。ロップは側で眠そうに毛づくろいしている。
「レイ兄ちゃん、早えなっす。ええ匂いがするだよ」

前から思っていたが、リリの言葉は日本のいろんな地域の方言が混じっているみたいだな。"早えなっす"って俺の山形の婆ちゃんが言ってた言葉だ。
まあ異世界だし、どうでもいいんだが。

「リリ、お早う。そろそろ朝ご飯にするぞ」

リリが駆け寄って来た。ロップはいつもどおりバケツ飯だ。
俺が七輪で捏ねた芋を焼いていると、

「使徒様、朝から美味そうな匂いですな!ガハハ」

ワイルフ&ドルロフさんがやって来た。

「あれ、お二人とも何処にいたんですか?」

「使徒様の隣の家ですぞ。ワシらもしばらくは、ここ住まいですからのう」

気まずい、ここで俺達だけ飯を食う訳にはいかないじゃないか。

「あの、あまり量はありませんが食べます?」

「良いのですかな?喜んでご相伴に預かりますぞ。なにやら変わった料理ですな!ガハハ」

「....使徒様、すみません」

結局残りの捏ね芋はリリとワイルフ&ドルロフさんに食われた。まあ俺も一枚食べたからいいんだけどね。
匂いを嗅ぎつけたゴレロフ村長が駆け付けた時には完食済みだった。
ワイルフさんが意地悪くゴレロフさんに尋ねた。

「村長、何か御用ですかな?」

「....いや、使徒様に用があっただけだ。使徒様、今日は朝から会合だぞ」

「知っています。昨日ココエラさんから聞いてますから」

「....そうか。邪魔をしたようだな。失礼する」

ゴリマッチョゴレロフ村長は肩を落として戻って行った。

その後、衆議堂で会合が行われた。見知らぬ人が一人だけいた。壮年のすらりとした黒髪の人だ。
「使徒様、初めまして。私はリーガロフと申します。不詳の父キーロフがご迷惑をお掛けして申し訳ありません。不詳の父は強制隠居させましたので、以降私が炭焼き衆を率いていきます。宜しくお願いします」

あの良く分からないキーロフ爺の息子とは思えない振る舞いだな。

「いえいえ、こちらこそ宜しくお願いします」

ゴレロフ村長の一声から衆議が始まった。
「さて、衆議を始めよう。まずは昨日の西の集落での戦いだが....」

ゴリマッチョゴレロフ村長がざっくり経緯を説明してくれた。
その後、西からの避難民への援助方針や、キーロフ爺は隠居し新炭焼き頭にリーガロフが就任する事などが議題になった。
リーガロフさんの件はある意味クーデターだけどな。まあ俺に定期的に飯を作らせようとしていた、あの爺よりましならどうでもいいよ。

ここでアーロフさんが発言した。
「使徒様、昨日の卵収集の件ですが、夜明けから我等狩人衆で21個の卵を収集
する事が出来ました。後程お渡しします。我等狩人衆も期待しておりますぞ」

「本当ですか!素晴らしい。充分ですよ!」

ゴレロフさんが目を剥いて怒鳴り始めた。
「何!アーロフ!お前は使徒様に貴重な卵を渡して、美味い料理を作って貰おう
としているのか!」

ベルルフさんもアーロフさん非難を始めた。
「アーロフ!お主を見損なったぞ!ゲドルフと同じ道を歩むのか!」

面倒臭えなあ。ティエラさんまで口だけ笑った冷たい目で俺を見てるよ。

「ちょっと、皆さん落ち着いて下さい!俺がアーロフさんに卵収集を頼んだのは
事実ですが、俺が欲しいのは卵の殻です。中身は村の皆で食べてください!」

ゴリマッチョゴレロフ村長が不審そうに尋ねて来た。

「卵の殻?そんなものをどうしようというのだ?使徒様」

俺は催涙弾の件を催涙パウダーの完成も含めて、皆に説明した。

ゴリマッチョゴレロフ村長が更に不審そうに尋ねて来た。
「ほう、卵の件は了解したが、その粉はそれほど威力があるのか?昨日使徒様に
話は聞いたが、俺は半信半疑だった。ちょっと信じられんな。あの変な小僧が
そんな強力な物を育てられた事も俺には信じられん」

よし!ゴリマッチョゴレロフ村長には制裁を加える事にしよう。ふふふ。
「では、村長。このピリピリの実唐辛子を食べられますか?メドロフ君が作った物です。いや、無理にとは言いませんが。でも吐き出してはダメですよ。メドロフ君に失礼ですから。吐き出さないと最長老ココエラさんに誓ってください」

「ふんっ、使徒様よ。俺は辛い物が好きなんだ。ダリちゃ、いやダリエラにも俺の分の食事にはピリピリの実唐辛子を多めにする様に頼ん、いや言いつけてあるのだぞ。
こんなピリピリの実唐辛子一つくらい、何でもないぞ。母ちゃ、いや最長老。俺は吐き出さないと誓うぞ」

「分かったぞゴレロフ。誓いを破ったら、大金棒の刑じゃぞ。皆も証人じゃ」

「あ、村長!お待ちになって!」
ティエラさんの制止も虚しくゴレロフさんは地獄唐辛子を口に放り込んだ。しばらく噛んだ後に....

「もぴょー!ほりぇはなんひゃー!」

ゴリマッチョゴレロフ村長は凄い勢いで吐き出そうとしたが、ココエラさんが大金棒を持って
睨みつけているので、口を手で押さえて涙を流しながらジャンプを始めた。
「ほぴゃー、なんひゃきょれわー」
しばらく暴れていたが。最後はココエラさんに手を伸ばして
「かあひゃん、水、ひずをくれ」
それを最後にパタリと倒れた。どうやら気絶したらしい。

「使徒様!あんな凶悪な物を村長に食べさせるなんて!めっ」
ティエラ母さんにまた怒られた。だが俺は悪くない。罪悪感はちょっとだけある。
ゴリマッチョゴレロフ村長が気絶するとは思わなかった。

その後、議長が気絶したので会合はお開きになった。大体の事は決まっていたので、問題は無さそうだ。
でもティエラさんには追加で叱られた。でも俺は悪くない。

アーロフさんから貰った卵はカッターで先端部分を切り除いて、中身はアーロフ
さんに返した。狩人衆には無理を言って、早朝から頑張って貰ったのだから。
中身まで貰う事は出来ない。

アーロフさんは固辞したが、アーロフさんが卵を入れて持ってきた土器の器に
卵の中身を入れて無理やり押し付けた。

ただ、その代わりに、もう一つだけお願いをした。
「アーロフさん、今、村にいる狩人衆で弓が上手くて、小柄な人はいますか?
これからこの催涙弾を黒熊で試してみたいのですが」

アーロフさんがニヤリと笑った。
「それなら、私ですな。私は村で一番弓が上手いですぞ。使徒様は毒トカゲ討伐
の時にベルザロフを運びましたな。私は小柄ではありませんが、私も運べるはず
ですぞ」

ああ、そうなの?分かったよ。俺が承知すると、アーロフさんはウキウキして
卵の中身を持って行った。狩人衆で分けるかと思ったが、炊き出し班に差し入れに行くらしい。まあ、この人らしいな

それから卵の殻を洗って乾燥させた後、催涙パウダーを入れた。
満タンにはならなかったが21個の卵に満遍なく詰める事は出来た。
スケッチブックを丸く切って蓋をしてセロテープで留めて完成だ!

よし、北の森のダイアべアで試験をしよう。
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