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一目惚れ
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高校2年生の秋、小河侑也はダルそうに授業を終えると友達のマサシと、このあと行われる全校集会について話していた。
「全校集会何やんだろ?」とマサシが集会の内容を聞いてくる。
「どうでもいいよ!そんなこと」と言いながら侑也はダルそうに階段に腰を下ろした。
他の生徒はすでに集会が行われる体育館へと足を運んでいて、2人はダルそうにそれを見つめていた。すると、上の階から3年生もゾロゾロと降りてきた。それを見た2人も「そろそろと行くか」と腰をあげる。
ダルそうに体育館へと足を運ぶ2人の目の前には3年生の集団が歩いていて、侑也はその中で1人の先輩に目が留まった。
「かわいい」
そう言いながら足を止める侑也に気が付いたマサシが「ん?」と振り返る。
「どうしたんだよ!」
マサシが少し不機嫌そうに言うが、侑也は一点を見つめながら「かわいい」とだけ呟いている。
マサシはそんな彼の視線を辿るが目の前には3年生の集団が歩いていて、誰のことを言っているのかサッパリわからない様子。
「?」とクエスチョンマークを付けるマサシには目もくれず侑也はずっと一点を見つめている。業を煮やしたマサシは「一体何なんだよ!」と大声をあげる。すると侑也は我に返ったのかマサシのほうへ顔を向け、嬉しそうに「かわいい」とだけ口にする。
「もういいから!行くぞ!」
マサシは侑也の手を引っ張って体育館に行った。全校集会中も侑也はぼーっとしたままで、先ほど視線の先にいた先輩のことで頭の中がいっぱいになっていた。
「さっきは何かあったのか?何を見てたんだよ」
全校集会が終わるとマサシは侑也を問いただした。侑也は少し冷静になったのか「いや、めっちゃかわいい人見つけた」と嬉しそうに笑顔を浮かべている。
マサシが「どんな人だった?」と聞くと、侑也は「とにかくかわいかった!」と答え、1人ニヤニヤしている。
「背は周りの人よりも高くて、ポニーテールが良く似合ってた」
侑也はさっきのことを思い出しながらその先輩について熱く語った。
「あんなかわいい人見たことないよ。ドンピシャで俺のタイプ!」
彼は目を輝かながら「間違いなくあれは3年生だな」と頷き、1人で納得している。
「そんなにかわいいの?」とマサシが少し不思議そうに聞くと、「俺の目に狂いは無い!」と目を輝かせながら侑也が振り返る。
その日、侑也は先輩のことが頭から離れなくなり、全く寝られないまま次の日を迎える。
「おはよ」
朝から眠そうにして登校している侑也の後ろからマサシが声をかける。
「もしかして寝てないの?」
「寝てない・・・」
マサシはそんな侑也を見て笑いながら「昨日見つけたかわいい先輩が気になって寝られなかったんだろ」と指をさす。
「そうだよ!もう頭から離れなくなっちゃって・・・」
ダルそうに歩きながら侑也は自分が完全に一目惚れをしたことをマサシに告げた。それを聞いたマサシは「どんな人なのか気になる!」と言い出し、休み時間にその先輩を見に行くことを提案してきた。すると、侑也も「行く行く!」と突然目を輝かせながら元気になる。2人は1時間目が終わったあとの休憩時間に3年生のクラスを見に行くことにした。
クラスが別々の侑也とマサシは休憩のベルが鳴るとすぐに教室を出て「よし!行くぞ!」と気合いを入れて3年生のクラスへ向かう。3年生のクラスに着くと廊下には休憩時間を楽しむ先輩で溢れかえっていた。それを見たマサシが「これじゃわかんないな」とつぶやく。
すると、侑也は「見つけた・・・」と一点を見つめながらマサシの肩を叩く。「えっ?」と顔を挙げて前を向くマサシに侑也が「あのポニーテールの人」と指をさす。その先には背が高く、スタイルの良い女性が楽しそうに友達と話をしていた。
「あの人か」
マサシは侑也が一目惚れをした相手を見ながら「たしかにかわいいな」とつぶやく。それに対して侑也は身振り手振りを大きくしながら「かわいいなんてもんじゃねーよ!今すぐにも抱きしめたいぐらい好き!」と周りに聞こえないように声を押し殺しながら小声で答えた。
「わかったから!一回冷静になろう」
マサシは侑也のことを引っ張りながら2年生のクラスへと戻っていく。「お前が『かわいいかわいい』言うから見に行ったけど、ほんとにかわいいな」とマサシは侑也に向かって少しニヤつきながら言うと、「だ~ろ~う♪」と侑也は嬉しそうに笑顔を浮かべる。
「あの人なんて名前なんだろうな!やっぱり彼氏はいるのかな?」
マサシが考えながら言うと、「彼氏か・・・」と突然肩を落とす侑也。かわいくてスタイルが良いとなれば当然彼氏の存在は気になるところで、侑也の頭の中は「もしあの人に彼氏がいたら・・・」と絶望でいっぱいになっていた。
ただ、その一方で侑也の恋心は大きくなるばかり。文字通り朝から晩まで何をしているときも先輩のことで頭がいっぱいになった彼は何もかもが手に付かなくなり、次第にその先輩について「もっと知りたい」という思いが強くなっていた。
そんな先輩への想いを胸に秘めながら日々を上の空で過ごしている侑也の元に突然朗報が入る。
「侑也!良いこと教えてやろうか?」
マサシはニヤニヤしながら侑也に声をかけた。「どうせくだらねぇことだろ」と少し嫌そうな顔をしている侑也。
「じつはな、お前が一目惚れした先輩と同じバイト先のヤツが同級生にいるんだよ」
マサシは真剣な顔をして言うと、続けて「まぁお前にとってはくだらないことだから別にこの話はいいか」とその場を立ち去ろうとする。そんな彼の前に侑也が目を輝かせて立ちふさがった。
「もっと詳しくその話を聞かせてくれ!!」
侑也はマサシから「同級生の平子が一目惚れした先輩と同じバイト先」であることを聞くと、すぐに平子の元へ向かった。
「平子!」
休憩時間を楽しんでいる平子の元に目を輝かせた侑也が近寄ってきた。侑也はマサシが言っていたことが事実かどうか確認するため「平子のバイト先にこの学校の1個上の女の先輩っている?」と聞く。すると平子は「いるよ」と少し不思議そうに答える。
心の中で「ヨッシャー!」と叫ぶ侑也。これで侑也は一目惚れした先輩との繋がりを見つけた。
「全校集会何やんだろ?」とマサシが集会の内容を聞いてくる。
「どうでもいいよ!そんなこと」と言いながら侑也はダルそうに階段に腰を下ろした。
他の生徒はすでに集会が行われる体育館へと足を運んでいて、2人はダルそうにそれを見つめていた。すると、上の階から3年生もゾロゾロと降りてきた。それを見た2人も「そろそろと行くか」と腰をあげる。
ダルそうに体育館へと足を運ぶ2人の目の前には3年生の集団が歩いていて、侑也はその中で1人の先輩に目が留まった。
「かわいい」
そう言いながら足を止める侑也に気が付いたマサシが「ん?」と振り返る。
「どうしたんだよ!」
マサシが少し不機嫌そうに言うが、侑也は一点を見つめながら「かわいい」とだけ呟いている。
マサシはそんな彼の視線を辿るが目の前には3年生の集団が歩いていて、誰のことを言っているのかサッパリわからない様子。
「?」とクエスチョンマークを付けるマサシには目もくれず侑也はずっと一点を見つめている。業を煮やしたマサシは「一体何なんだよ!」と大声をあげる。すると侑也は我に返ったのかマサシのほうへ顔を向け、嬉しそうに「かわいい」とだけ口にする。
「もういいから!行くぞ!」
マサシは侑也の手を引っ張って体育館に行った。全校集会中も侑也はぼーっとしたままで、先ほど視線の先にいた先輩のことで頭の中がいっぱいになっていた。
「さっきは何かあったのか?何を見てたんだよ」
全校集会が終わるとマサシは侑也を問いただした。侑也は少し冷静になったのか「いや、めっちゃかわいい人見つけた」と嬉しそうに笑顔を浮かべている。
マサシが「どんな人だった?」と聞くと、侑也は「とにかくかわいかった!」と答え、1人ニヤニヤしている。
「背は周りの人よりも高くて、ポニーテールが良く似合ってた」
侑也はさっきのことを思い出しながらその先輩について熱く語った。
「あんなかわいい人見たことないよ。ドンピシャで俺のタイプ!」
彼は目を輝かながら「間違いなくあれは3年生だな」と頷き、1人で納得している。
「そんなにかわいいの?」とマサシが少し不思議そうに聞くと、「俺の目に狂いは無い!」と目を輝かせながら侑也が振り返る。
その日、侑也は先輩のことが頭から離れなくなり、全く寝られないまま次の日を迎える。
「おはよ」
朝から眠そうにして登校している侑也の後ろからマサシが声をかける。
「もしかして寝てないの?」
「寝てない・・・」
マサシはそんな侑也を見て笑いながら「昨日見つけたかわいい先輩が気になって寝られなかったんだろ」と指をさす。
「そうだよ!もう頭から離れなくなっちゃって・・・」
ダルそうに歩きながら侑也は自分が完全に一目惚れをしたことをマサシに告げた。それを聞いたマサシは「どんな人なのか気になる!」と言い出し、休み時間にその先輩を見に行くことを提案してきた。すると、侑也も「行く行く!」と突然目を輝かせながら元気になる。2人は1時間目が終わったあとの休憩時間に3年生のクラスを見に行くことにした。
クラスが別々の侑也とマサシは休憩のベルが鳴るとすぐに教室を出て「よし!行くぞ!」と気合いを入れて3年生のクラスへ向かう。3年生のクラスに着くと廊下には休憩時間を楽しむ先輩で溢れかえっていた。それを見たマサシが「これじゃわかんないな」とつぶやく。
すると、侑也は「見つけた・・・」と一点を見つめながらマサシの肩を叩く。「えっ?」と顔を挙げて前を向くマサシに侑也が「あのポニーテールの人」と指をさす。その先には背が高く、スタイルの良い女性が楽しそうに友達と話をしていた。
「あの人か」
マサシは侑也が一目惚れをした相手を見ながら「たしかにかわいいな」とつぶやく。それに対して侑也は身振り手振りを大きくしながら「かわいいなんてもんじゃねーよ!今すぐにも抱きしめたいぐらい好き!」と周りに聞こえないように声を押し殺しながら小声で答えた。
「わかったから!一回冷静になろう」
マサシは侑也のことを引っ張りながら2年生のクラスへと戻っていく。「お前が『かわいいかわいい』言うから見に行ったけど、ほんとにかわいいな」とマサシは侑也に向かって少しニヤつきながら言うと、「だ~ろ~う♪」と侑也は嬉しそうに笑顔を浮かべる。
「あの人なんて名前なんだろうな!やっぱり彼氏はいるのかな?」
マサシが考えながら言うと、「彼氏か・・・」と突然肩を落とす侑也。かわいくてスタイルが良いとなれば当然彼氏の存在は気になるところで、侑也の頭の中は「もしあの人に彼氏がいたら・・・」と絶望でいっぱいになっていた。
ただ、その一方で侑也の恋心は大きくなるばかり。文字通り朝から晩まで何をしているときも先輩のことで頭がいっぱいになった彼は何もかもが手に付かなくなり、次第にその先輩について「もっと知りたい」という思いが強くなっていた。
そんな先輩への想いを胸に秘めながら日々を上の空で過ごしている侑也の元に突然朗報が入る。
「侑也!良いこと教えてやろうか?」
マサシはニヤニヤしながら侑也に声をかけた。「どうせくだらねぇことだろ」と少し嫌そうな顔をしている侑也。
「じつはな、お前が一目惚れした先輩と同じバイト先のヤツが同級生にいるんだよ」
マサシは真剣な顔をして言うと、続けて「まぁお前にとってはくだらないことだから別にこの話はいいか」とその場を立ち去ろうとする。そんな彼の前に侑也が目を輝かせて立ちふさがった。
「もっと詳しくその話を聞かせてくれ!!」
侑也はマサシから「同級生の平子が一目惚れした先輩と同じバイト先」であることを聞くと、すぐに平子の元へ向かった。
「平子!」
休憩時間を楽しんでいる平子の元に目を輝かせた侑也が近寄ってきた。侑也はマサシが言っていたことが事実かどうか確認するため「平子のバイト先にこの学校の1個上の女の先輩っている?」と聞く。すると平子は「いるよ」と少し不思議そうに答える。
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