農家は万能!?いえいえ。ただの器用貧乏です!

鈴浦春凪

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第6章  罪咎

第4話  印象

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 ノアの印象を問われたオリヴェルは口を開く。

「ダンジョンに関しては、どうなんだろうな? ダンデス家のお墨付きだから信じるしかねぇじゃねぇか? エルフのお偉いさんからも同一見解があったって話だろ?」

「そうだ。……だが、誰よりも早く坊主が俺に伝えて来た。その理由は何だと思う?」

「それこそ知らんよ。ノアとは二度しか顔を合わせていない。――だが、適当を吹く奴には見えなかった。意地が悪そうに笑うが、案外芯の通った良い男だったよ」

「――仕合った手応えは?」

「ふふふ。――俺が引退しても、王国は安泰だ。叔父貴も見てたろう? 手を抜かれたとは思わないが、衆人の目にさらされた中だ。手札はほとんど切らなかっただろうね。お互い本気でやり合っても良い勝負になるかもな」

「――あぁいうタイプは、本気になると別物の手に負えない札を切ってくると見たね。俺が兄貴に勝負をかけた時分よりよっぽど大した奴だったよ」

 マティアスの笑みが深くなる。

「あの坊主は、ノルトライブの最高傑ワンズ作だ。絶界に並んでもらわねぇとな」

「若くて活きの良いのがいるなら、俺もボチボチ引退かな?」

「ぬかせ。一五も歳の離れた嫁さん貰ったんだ。死ぬまで働け!」

「……叔父貴も人の事言えないんじゃぁ……」

(嫁さんも娘もノルトライブを気に入ったようだ。……前線はこの頃きな臭い。お父さんは単身赴任か)

 王民事業体イーディセルが手掛ける初等教育は、評価が高い。

 娘の人生の為にもノルトライブに残って教育を受け手もらえると安心だ。

(後は……肝っ玉母さんの説得か)

 二の打ち要らずは、その難敵にため息をついた。


§


 「護傘ごさん侵不しんふの仕合いだって? ちくしょうっ! 遠征依頼でここを離れていなければ見れていたかもしれないのに……」

 そう残念がる男へ知り合いの冒険者が話しかける。

「お前はいても中に入れなかったよ。ランク上位者から入場する制限が掛かっていたからな。それにほら。――今は高位の実力者がノルトライブに集まっている時期だから仕方がない」

 そう慰めるように話す男もやはり選に漏れていた。

「おいっ! 誰か見た奴はいねぇのか? 話してくれよ」

 その声でギルドの酒場の地元冒険者の視線が二人組に注がれる。

「おいっ! シュバイン。バステン。話してやれ!」

「なんでだよっ! もう何度も話しただろっ!」

 シュバインがそう怒鳴る。

 シュバインとバステンは比較的歳も若く顔も広い。三〇階層に初めて到達しており、実力も折り紙付きだ。

 しかも、ノアと決闘経験がありその存在は知られていた。そして、バカな事もするが気風が良く男らしい。

 つまり――頼みやすいのだ。
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