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61.騎士
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「殿下。無茶はおやめ下さい!いくらお強いとは言え不測の事態もあります故…」
「それを未然に防ぐのがお前の役目だろ」
沢山の足音が近づいて来て辺りが騒がしくなってきたが、殿下に抱き締められ殿下の白いシャツしか見えない。
「春香。アレクから春香は平和な世界で育ち危機感がないと聞いていたが…これ程とは…屋敷に戻ったらお説教だよ」
『ごっごめんなさい』
殿下の抱擁は温かくて安心出来るはずなのに体が震えて止まらない。助けてくれた殿下に悪くて涙が出てきた。
「春香。大丈夫。分かっているから泣かなくていい」
優しく頭を撫でてくれる殿下。どうしちゃったんだろう…心と体が反比例して自分でコントロール出来ない。
「春香!」
アレックスさんが向かってくると殿下は腕を緩め私をアレックスさんに預け、アレックスさんと来た騎士と話をし出した。
「春香。大丈夫か?」
頷く私を怪我をしていないか確認するアレックスさん。額に汗をかき息も上がっていて急いで来てくれたのが分かる。アレックスさんはハンカチを出し涙を拭ってくれる。震える私を見て
「聞かなくても状況は分かる。殿下が本気でキレた様だなぁ。その割に被害は最小だな。俺は後処理が有るから殿下と先に屋敷に戻っていろ」
頷くけどこんな情緒不安定で殿下と馬車に2人とか大丈夫か私…
街は騒然としている。アレックスさんが店先の椅子に私を座らせ自衛団だろうか帯剣した人達の元に行ってしまった。すると果実水を持った騎士さんが来て殿下が戻るまで護衛してくれそうだ。果実水を受け取り騎士さんにお辞儀をし果実水を飲んで一息つく。私もやっと落ち着いて来た。ぼんやり広場を見ていたら黒ずくめの男性が前に来て跪いく。
「春香様。この度は我々の落ち度で危険な目に合わせてしまい申し訳ございません。あの時は別の者を注視していた為に、初動が遅れ殿下が対応される事となってしまいました。本来我らは影の為この様に人目に出るべきではございませんが、お詫び申し上げたくて殿下にお許しを頂いた次第です」
首を振り手を合わせてお辞儀をして感謝を伝えた。
そして影さんの背後から殿下がこちらに駆け寄るのが見え、殿下に気を取られていたら影さんはいなくなっていた。
「春香。後はアレクが指揮をとるから我々は屋敷に帰るよ」
頷くと殿下は軽く屈み私を抱き上げゆっくり移動する。殿下の腕の中は温かいが見上げた殿下は険しい顔をしていて改めて迷惑をかけたと反省する。
馬車に乗り込みゆっくり馬車は出発する。殿下と向き合って座り暫くすると静かに殿下が話しだした。
「まずは春香のその体の震えから説明しようか。それは誰でも起こる反応だよ。春香だけではない。見習い騎士は誰しも経験する事だ。騎士になれば戦場にも赴くし巨悪犯や猛獣にも立ち向かう。そこで初めに恐怖に打ち勝つ為に必ず騎士団一番の実力者と本気の手合わせをし、恐怖を体験するのだ。見習い騎士は殆どの者は春香に様に恐怖を覚え身を震わせ体が恐怖を覚える。
その恐怖を訓練で克服できなければ騎士にはなれない。普通なら女性である春香は体験する事では無かったのだ…それが2度も…
その恐怖は自分と向き合い克服しないと消えないだろう。騎士なら己を強くし克服できるが春香にはその方法は無理だ」
一生この恐怖と付き合うの?やっぱり元の世界に帰った方が…
「でも大丈夫!私は春香の騎士と言っただろう。必ず春香を救う。今から話す事をしっかり聞いて理解して欲しい」
座り直し殿下をまっすぐ見据える。殿下が微笑み一息つき話し出した。
「まずはミハイルの事を話そう。春香は何故ミハイルがライナーに切りかかったと思う?」
『私にあの禁止薬を使おうとしたから⁈』
「それもあるけど真実は違う。ライナーは春香の心を攻撃しようとしたんだよ」
心を攻撃?意味が分からずキョトンとしていると殿下が苦笑し話を続ける
「先日禁止薬の成り立ちや薬を盛られた女性の体験談を読んで春香は男性を怖いと感じたよね⁈」
『はい』
「しかしその話をした時は私とアレク二人で気心しれた者だったから平常心を保てた。違うかぃ?」
『そうです』
「もしその話を知らない男性に囲まれ直接的な卑猥な言葉を浴びせられたらどうなると思う⁈」
そんなの病んじゃうし、人間不信や男性恐怖症になるに決まってる。
「そうだよ、ライナー最後の足掻きとして春香の心を攻撃し潰そうとしたんだ。それに気付いたミハイルはライナーを止める為にあのような行動に出たんだよ。きっとそれを見た春香が恐怖するのも分かっていたはず。しかしミハイルは春香の心を守る事を優先した。
春香が本気のミハイルに脅え生涯恐れられても、春香の心が守れてここに春香が残ってくれればいいと思ったんだろう」
頭を殴られた様な衝撃を受け目の前が真っ白になる。
「私とミハイルは親が違うのに双子の様に似ていて、ミハイルの考えや気持ちがよくわかる。恐らく同じ日同じ時間に生まれ女神レイラの加護を受けたからだろう。
普段は似ているなんて感じないが、特別な状況に置かれた時は特に似ていると感じる。お互いそれが嫌でね。所謂“同族嫌悪”ってやつだ。
ライナーの事件報告書を読んだ時にミハイルの気持が痛いほど分かった。同じような立場になれば私も同じ事をするだろう。一生春香が微笑んでくれなくても、この国に残って同じ時を過ごしてくれればそれでいい。好かんがミハイルも春香の騎士だよ」
殿下の話を聞いていたら知らないうちに涙が…。殿下はポケットからハンカチを出し渡してくれる。
「さっきもそうさ。私は春香が傷つくなら恐れられてもいいと思った。だから今私を怖いと思ってくれていい。春香は賢いから私の事もミハイルの事も怖く無くなる日が来ると信じている。暫く春香に触れれないのは辛いが、春香がずっとここに居てくれればそんな事は大した事ではないのさ」
2人の愛情にもう涙腺崩壊で涙が止まらない。男性にこんなに愛された事ない。恋愛小説の主人公より何十倍も愛されている。
「でん・・か・・あり・・・・う」
「春香?今…声が…」
今のおばあちゃんみたいな声は私?
「いま・・・こえ・・で・・ ごほっごほ!」
数日ぶりに喋ったせいか少し喋っただけでせき込んでしまう。喉は痛いし肺が苦しい!殿下は隣に移動し背中をさすって
「無理に喋らなくていい!数日話して無いんだ。ゆっくり訓練したらまた話せるようになるさ!屋敷戻ったらすぐ医師を呼ぼう!」
『はい。ありがとうございます』
殿下は御者の小窓を叩いて先触れを出し医師の手配を頼んでいた。
「ね!私が治すと言っただろう⁉︎」
涙でぐちゃぐちゃの私に優しく微笑む殿下。
『殿下。いま私不細工だから見ないで…』
「何を言う!どんな春香も可愛いに決まっている。本人でも私の春香を悪く言う事は許さないよ!」
殿下を見たら殿下も泣きそうな顔をしている。こんなに恋われて私は幸せだ。
「春香。抱きしめていいか?」
頷くと優しくまるでお布団で包み込むように抱きしめてくれ更に涙が出来てた。大人になってこんなに泣いたのは初めてかもしれない。泣いているうちに体の震えは止まっていた。
屋敷に着くとマニュラ夫人が出迎えてくれた。夫人は目が真っ赤で、馬車から降りたら夫人が駆け寄り私の手をとり涙ぐむ。どうやら早馬が事情を話してあったらしく一頻り泣いた後だった。
「おかえりなさい。色々話したい事も有りますが、医師が来ていますから、まずは春香さんの診察をしてもらいましょう。さぁ!応接室へ」
殿下は早足で応接に向かった。応接室にはお医者さんが居て直ぐに脈を取り喉を確認する。
「恐らく長らく使っていなかった声帯を動かしびっくりしたのでしょう。喉が赤くなっています。喉にいいハーブ茶を出しておきます。1日数回煎じて飲み始めは声を出す事から始めて下さい。決して無理に話さない様に。明日また往診に参ります。もしかしたら若干熱が出るかもしれないので、お薬を出しておきます。お大事に…」
立ち先生にお辞儀をしてお礼をした。マニュラ様は先生をお見送りに退室し、殿下が隣に座り手を握ろうとした時一瞬体が強張る。
「あっ・・・さぃ…」
「春香。先生の話を聞いてた? 始めは声を出すところからだよ。それに簡単に恐怖心は克服出来るもんじゃ無い。触れられたく無い時は気にせずに拒んでくれ」
『わかりました』
「手を握っていいかぃ?」
頷くと殿下はゆっくり手を握って来た。いきなりでなければ大丈夫みたい。
お見送りを終えたマニュラ様が処方されたハーブティーを入れて来てくれた。
殿下はマニュラ様に席を外す様に指示し、マニュラ様は退室して行った。
「やっと春香が話せる様になったのになぁ… 春香には話して無かったが、実は私は明日王都に帰るんだ」
『へ?まじで?』
聞いてません!殿下!
「それを未然に防ぐのがお前の役目だろ」
沢山の足音が近づいて来て辺りが騒がしくなってきたが、殿下に抱き締められ殿下の白いシャツしか見えない。
「春香。アレクから春香は平和な世界で育ち危機感がないと聞いていたが…これ程とは…屋敷に戻ったらお説教だよ」
『ごっごめんなさい』
殿下の抱擁は温かくて安心出来るはずなのに体が震えて止まらない。助けてくれた殿下に悪くて涙が出てきた。
「春香。大丈夫。分かっているから泣かなくていい」
優しく頭を撫でてくれる殿下。どうしちゃったんだろう…心と体が反比例して自分でコントロール出来ない。
「春香!」
アレックスさんが向かってくると殿下は腕を緩め私をアレックスさんに預け、アレックスさんと来た騎士と話をし出した。
「春香。大丈夫か?」
頷く私を怪我をしていないか確認するアレックスさん。額に汗をかき息も上がっていて急いで来てくれたのが分かる。アレックスさんはハンカチを出し涙を拭ってくれる。震える私を見て
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「春香様。この度は我々の落ち度で危険な目に合わせてしまい申し訳ございません。あの時は別の者を注視していた為に、初動が遅れ殿下が対応される事となってしまいました。本来我らは影の為この様に人目に出るべきではございませんが、お詫び申し上げたくて殿下にお許しを頂いた次第です」
首を振り手を合わせてお辞儀をして感謝を伝えた。
そして影さんの背後から殿下がこちらに駆け寄るのが見え、殿下に気を取られていたら影さんはいなくなっていた。
「春香。後はアレクが指揮をとるから我々は屋敷に帰るよ」
頷くと殿下は軽く屈み私を抱き上げゆっくり移動する。殿下の腕の中は温かいが見上げた殿下は険しい顔をしていて改めて迷惑をかけたと反省する。
馬車に乗り込みゆっくり馬車は出発する。殿下と向き合って座り暫くすると静かに殿下が話しだした。
「まずは春香のその体の震えから説明しようか。それは誰でも起こる反応だよ。春香だけではない。見習い騎士は誰しも経験する事だ。騎士になれば戦場にも赴くし巨悪犯や猛獣にも立ち向かう。そこで初めに恐怖に打ち勝つ為に必ず騎士団一番の実力者と本気の手合わせをし、恐怖を体験するのだ。見習い騎士は殆どの者は春香に様に恐怖を覚え身を震わせ体が恐怖を覚える。
その恐怖を訓練で克服できなければ騎士にはなれない。普通なら女性である春香は体験する事では無かったのだ…それが2度も…
その恐怖は自分と向き合い克服しないと消えないだろう。騎士なら己を強くし克服できるが春香にはその方法は無理だ」
一生この恐怖と付き合うの?やっぱり元の世界に帰った方が…
「でも大丈夫!私は春香の騎士と言っただろう。必ず春香を救う。今から話す事をしっかり聞いて理解して欲しい」
座り直し殿下をまっすぐ見据える。殿下が微笑み一息つき話し出した。
「まずはミハイルの事を話そう。春香は何故ミハイルがライナーに切りかかったと思う?」
『私にあの禁止薬を使おうとしたから⁈』
「それもあるけど真実は違う。ライナーは春香の心を攻撃しようとしたんだよ」
心を攻撃?意味が分からずキョトンとしていると殿下が苦笑し話を続ける
「先日禁止薬の成り立ちや薬を盛られた女性の体験談を読んで春香は男性を怖いと感じたよね⁈」
『はい』
「しかしその話をした時は私とアレク二人で気心しれた者だったから平常心を保てた。違うかぃ?」
『そうです』
「もしその話を知らない男性に囲まれ直接的な卑猥な言葉を浴びせられたらどうなると思う⁈」
そんなの病んじゃうし、人間不信や男性恐怖症になるに決まってる。
「そうだよ、ライナー最後の足掻きとして春香の心を攻撃し潰そうとしたんだ。それに気付いたミハイルはライナーを止める為にあのような行動に出たんだよ。きっとそれを見た春香が恐怖するのも分かっていたはず。しかしミハイルは春香の心を守る事を優先した。
春香が本気のミハイルに脅え生涯恐れられても、春香の心が守れてここに春香が残ってくれればいいと思ったんだろう」
頭を殴られた様な衝撃を受け目の前が真っ白になる。
「私とミハイルは親が違うのに双子の様に似ていて、ミハイルの考えや気持ちがよくわかる。恐らく同じ日同じ時間に生まれ女神レイラの加護を受けたからだろう。
普段は似ているなんて感じないが、特別な状況に置かれた時は特に似ていると感じる。お互いそれが嫌でね。所謂“同族嫌悪”ってやつだ。
ライナーの事件報告書を読んだ時にミハイルの気持が痛いほど分かった。同じような立場になれば私も同じ事をするだろう。一生春香が微笑んでくれなくても、この国に残って同じ時を過ごしてくれればそれでいい。好かんがミハイルも春香の騎士だよ」
殿下の話を聞いていたら知らないうちに涙が…。殿下はポケットからハンカチを出し渡してくれる。
「さっきもそうさ。私は春香が傷つくなら恐れられてもいいと思った。だから今私を怖いと思ってくれていい。春香は賢いから私の事もミハイルの事も怖く無くなる日が来ると信じている。暫く春香に触れれないのは辛いが、春香がずっとここに居てくれればそんな事は大した事ではないのさ」
2人の愛情にもう涙腺崩壊で涙が止まらない。男性にこんなに愛された事ない。恋愛小説の主人公より何十倍も愛されている。
「でん・・か・・あり・・・・う」
「春香?今…声が…」
今のおばあちゃんみたいな声は私?
「いま・・・こえ・・で・・ ごほっごほ!」
数日ぶりに喋ったせいか少し喋っただけでせき込んでしまう。喉は痛いし肺が苦しい!殿下は隣に移動し背中をさすって
「無理に喋らなくていい!数日話して無いんだ。ゆっくり訓練したらまた話せるようになるさ!屋敷戻ったらすぐ医師を呼ぼう!」
『はい。ありがとうございます』
殿下は御者の小窓を叩いて先触れを出し医師の手配を頼んでいた。
「ね!私が治すと言っただろう⁉︎」
涙でぐちゃぐちゃの私に優しく微笑む殿下。
『殿下。いま私不細工だから見ないで…』
「何を言う!どんな春香も可愛いに決まっている。本人でも私の春香を悪く言う事は許さないよ!」
殿下を見たら殿下も泣きそうな顔をしている。こんなに恋われて私は幸せだ。
「春香。抱きしめていいか?」
頷くと優しくまるでお布団で包み込むように抱きしめてくれ更に涙が出来てた。大人になってこんなに泣いたのは初めてかもしれない。泣いているうちに体の震えは止まっていた。
屋敷に着くとマニュラ夫人が出迎えてくれた。夫人は目が真っ赤で、馬車から降りたら夫人が駆け寄り私の手をとり涙ぐむ。どうやら早馬が事情を話してあったらしく一頻り泣いた後だった。
「おかえりなさい。色々話したい事も有りますが、医師が来ていますから、まずは春香さんの診察をしてもらいましょう。さぁ!応接室へ」
殿下は早足で応接に向かった。応接室にはお医者さんが居て直ぐに脈を取り喉を確認する。
「恐らく長らく使っていなかった声帯を動かしびっくりしたのでしょう。喉が赤くなっています。喉にいいハーブ茶を出しておきます。1日数回煎じて飲み始めは声を出す事から始めて下さい。決して無理に話さない様に。明日また往診に参ります。もしかしたら若干熱が出るかもしれないので、お薬を出しておきます。お大事に…」
立ち先生にお辞儀をしてお礼をした。マニュラ様は先生をお見送りに退室し、殿下が隣に座り手を握ろうとした時一瞬体が強張る。
「あっ・・・さぃ…」
「春香。先生の話を聞いてた? 始めは声を出すところからだよ。それに簡単に恐怖心は克服出来るもんじゃ無い。触れられたく無い時は気にせずに拒んでくれ」
『わかりました』
「手を握っていいかぃ?」
頷くと殿下はゆっくり手を握って来た。いきなりでなければ大丈夫みたい。
お見送りを終えたマニュラ様が処方されたハーブティーを入れて来てくれた。
殿下はマニュラ様に席を外す様に指示し、マニュラ様は退室して行った。
「やっと春香が話せる様になったのになぁ… 春香には話して無かったが、実は私は明日王都に帰るんだ」
『へ?まじで?』
聞いてません!殿下!
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