女神の箱庭は私が救う【改編版】

いろは

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16.白紙

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予想どおりやっぱり馬車で爆睡でした。
アンリさんごめんなさい。ガールズトーク出来なくて…
そして目が覚めるとベットで寝ていてた。どうやらあの馬車は安眠効果がある様です。

起き上がると光の玉が浮遊していたので

「偵察ご苦労様です。妖精王に今日はありがとうって伝えてくれるかしら⁈」

光の玉は弾む様に私の周りを浮遊すると窓から帰って行った。少しすると私の起床に気づいたサリナさんが入室し、翌朝である事を知る。

「おはようございます。そして昨日はお疲れ様でした。朝のお茶をご用意してよろしいですか?」

いつもの朝に安心しサリナさんが入れてくれた紅茶を飲み、朝食→湯浴み→身支度といつも通りです。
朝の用意が一通り終わりソファーでのんびりしていたら、文官さんがやって来た。どうやら陛下がお呼のようです。今日の当番騎士のリックさんとポールさんと陛下の執務室に向かう。

歩き出して直ぐに背後から呼ばれる振り向くとアーサー殿下がいらっしゃった。
殿下はキラキラの王子様スマイルでやって来て、流れるよう動きで私の手を取りエスコート。どうやら殿下かも執務室に行かれる様です。
道すがら昨日の話になった時に、馬車で眠ってしまった私をベットに運んだのがアーサー殿下であった事が発覚!朝から嫌な汗が吹き出した。

「申し訳ありません。起こして下さればいいのに!婚約者のいらっしゃる殿下に要らぬ誤解を招きかねません」
「いや~ヒューイでは務まりそうに無かったのでね。ここだけの話私の婚約は訳ありなんで大丈夫です」

とウィンクされた。『訳あり?』胡散臭いなぁ…
疑いの眼差しを向けると殿下は楽しそうに笑い

「貴女のその表情を作らない所が好ましいです」

とずっと笑ってます。ホンとそーゆうとこ失礼ですよ!
さっきからずっと歩いてます。後ろを歩くリックさんとポールさんに視線を送ると、2人は気まずそうに殿下を見ました。殿下何かやっちゃってます?

「殿下。もしかして遠回りしてるのですか?」
「はい。気が付かない?ここを通るの2回目だ。多恵殿と話すのは楽しくてね!」

とウィンクされた!

「やっやめて下さい!疲れますから!」

すると前からトーイ殿下が走って来た。

「兄上!陛下がお待ちですよ! 多恵殿。ご機嫌麗しく今日もお綺麗だ。兄上とご一緒でしたか⁉︎ 遅いのでヒューイ兄上が向かえに行きましたよ。入れ違いになりましたね」

“遅くなった原因はこの人はです”って指差してトーイ殿下にチクってやりたい!当の本人はすずしい顔してるし!

アーサー殿下は初めてお会いした時は冷たそうで気難しく見えたんですがね… 今はすっかり弄りキャラになってます。まぁ~今の方が話し易くていいんですが…

やっと陛下の執務室が見えて来ました。絶対帰りはリックさんとポールさんと最短距離で帰ります!
『おや⁉︎』反対側からヒューイ殿下が急いで向かってきます。少し怒ってますか⁈

「兄上!多恵殿を連れ回さないで下さい!陛下も心配されています!」

やっぱりアーサー殿下に御立腹だ! やっと陛下の執務室に着きました。入室許可をいただき入室すると陛下が難しい顔をしています。遅くなってごめんなさい。陛下の許可を受けソファーに掛けます。

「多恵殿。昨日はご苦労であった。詳細はヒューイから聞いておる。リリスの意図を聞き我ら箱庭の住人の狭量な考えであった事を痛感した。多恵殿がこの箱庭を救うべく尽力頂けると聞いている。我がアルディアも自国だけでは無く他国の力になりたいと思っておる」

陛下はそう言い胸に手を当て会釈される。

「ありがとうございます。リリスも喜んでいる事でしょう。私も陛下や殿下達にご協力いただけると思うと心強いです。また他国との話し合いの場を提供いただける様で重ねて感謝いたします。
…でもですね…お披露目はお世話になっているし、これからアルディアの皆さんにも協力をお願いするのでいいんですが、ダンスは勘弁して欲しいです。ダンスは免除していただけませんか⁈」

ダメ元でお願いしてみるが… 結果は…
玉砕!最低でもパートナーと1曲は踊らねばならないようです。私悪い事しました?罰ゲームでしかありません。早速明日からマナー講師とダンスの先生が付くそうです。遠い目をし現実逃避中…

「ゔっゔーん」

と咳払いをし、陛下が意を決した様に話出した。

「多恵殿。儂は今までの慣例通り多恵殿にこの国に留まって貰う為に、王子との婚姻を画策し婚約者がいないヒューイを相手に据えた。昨日ヒューイからナタリー嬢の事も聞いておるな⁉︎
儂としては一途に思い合っている2人を婚姻させてやりたい気持ちもある。しかし王の立場となると国を優先せねばならない。女神の乙女は国にとって何にも変えれぬ宝なのだ。儂は国を優先するあまり多恵殿の気持ちもヒューイの心も見ておらんかった」

陛下はヒューイ殿下を見据え

「ヒューイよ。多恵殿の相手は白紙とする。数日前にオブルライト公爵から正式にナタリー嬢の病の完治の知らせを受けた。王家としてもナタリー嬢との婚約に異議はない。己の望み通りにするといい」

トーイ殿下が立ち上がりヒューイ殿下に祝辞を述べる。私も心の中で

『良かったね~ヒューイ殿下!』拍手喝采中!

しかしヒューイ殿下の表情は暗い。向かいに座るアーサー殿下も難しい顔してるのは何なぜ?

「陛下ありがとうございます。しかし少し考える時間をいただけませんか…」
「どっどうしたのです!兄上!あんなに献身的にナタリー嬢を支え婚姻を望んでいたのに!」

トーイ殿下が声を荒げる。

「私はナタリー嬢を愛し婚姻すべく尽力して来ました。しかし乙女が召喚される事が決まり、私が乙女の相手になるのは王族として当然で義務と己に言い聞かせ受け入れしました」

ヒューイ殿下は私の前に来て跪き首を垂れて話出しました

「決心してからもナタリー嬢の事は忘れられず、葛藤の日々で辛かった。しかし召喚の日に多恵殿を抱き止め初めて視線を交わした時、このお方の伴侶になる喜びを感じたのも確かです。
多恵殿はこの箱庭の女性にない自立心や自分の意思をもちそれでいて照れ屋で愛らしい。この様な女性は初めてお会いしました。
ナタリー嬢との婚約が叶う喜びと、多恵殿にも好意があり戸惑い己に嫌悪しています。今の私は選べない」

ヒューイ殿下は苦しそうに言葉を紡ぐ。重い空気に息がつまりそうになる。
沈黙が続く。

”コンコン”

沈黙を破るように入室の許可を求める文官。許可を得て入室した文官が陛下に報告をしている。

「すまぬ。モーブルとレックロッドから急ぎの特使が来ている様だ。書簡の返事を早急に欲しいらしい。儂は退席する故、後はお前達で話せ。くれぐれも多恵殿を困らせるでないぞ!」

そういい残して出て行った。
『待って陛下私も連れてって!』

私も退室したい!この空気辛いです。
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