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58.浴槽
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「はぁ・・・いい湯だなぁ・・・」
ダンスで疲れ汗だくになったので贅沢に昼から湯あみ中。当初の予定が全てとび自由だ。
キース様がイザーク様の急な呼出で面会が中止に。キース様何かやらかしましたか?
キース様って第一印象はクールな印象で陛下の命令で私の伴侶候補になった感じだったから、私に興味なんて無いと思っていた。
事件以降は箍が外れた様にひたむきに好意をぶつけてくる。何だろう…愛情では無いような気がするのは気のせい?
「俺以外の男の事を考えているのか⁈」
「へっ?」
今フィラの声がしたよ! ちょっと待ってここバスルームで…1人で入って…
バスタブの横に衝立がある。恐る恐る衝立に目を向けると…衝立の上に深緑の頭が!
「うぁ!なんでフィラがここにいるの!!」
「静かに!外の者に気が付かれたら面倒だ」
パニックになり隠れる場所を必死に探しながら
「こっち向かないで! 用事なら後で部屋に来たらいいでしょう!」
「今この城内の警備はいつも以上に厳重になっている。恐らくお前が浴室を出ると護衛が増えているぞ」
「なんで?」
状況が分からず衝立の上の深緑を見つめていた。すると
「港いる風の妖精が“港に沢山船が入り雰囲気がおかしい”と知らせてきた。心当たりはないか⁈」
「…そういえばアーサー殿下が第2女神の箱庭からの入船が最近増えているって言っていたよ」
「やはりか…あと、カクリー家におかしな所は無いか?」
「っ!…」
思わぬ質問に言葉が出ない。
「何か知っているな。俺は箱庭の住人のいざこざに関わることは出来ない。それは女神リリスの制約によるものだ。カクリー家の者がどうなろうと知らん。だが今回はどうやら第2女神の箱庭の妖精王が関係しているようだ」
「“良くないもの”は第2女神の箱庭の妖精王?」
すると溜息を吐いたフィラは
「俺もまだ分からん。しかしケニーがおかしい動きをしているのは確かだ。俺はお前に害が無い限り動けん。とりあえず妖精達に注意喚起をしておいた。てんがいるから大丈夫だと思うが気を付けろ」
「分かった。ありがとう」
何でこんなに色々起きるかなぁ… 何もない1日なんてここに来てから無いような気がする。
「この衝立邪魔だな!そちらに行っていいか?」
「なっ!駄目に決まってるでしょう」
慌てて胸元を腕で隠した。
「そろそろ俺を受け入れたらどうだ」
「まだこっちに来て1か月も経って無い。そんなに簡単に気持ちは動かないよ」
「時間は関係ない。俺はお前が箱庭に来た時からお前以外いらない」
いつもと違い真面目な声のフィラに戸惑いながら
「ごめん。今は…でも、フィラの気持ちは嬉しいよ」
「・・・」
少しの沈黙の後
「悪かった。お前に群がる虫が気に食わなくて急がせた」
フィラが分かってくれて安心していたら不意にフィラが衝立の中に…
「なっ!」
フィラはいつもの優しい眼差しを向けて浴室に浸かる私に近づく。今日のお湯は白濁していてギリギリ見えないと思うけど焦る。温まったのと恥ずかしさから一気に体温が上がる。
『ちょっと!今はだかです!私』
と心で叫んだ。するとフィラは額に口づけをして
「いつかお前のすべてを俺にくれ…」
どうしていいか分からずフリーズしていると、フィラの顔が近づいてくる。口づけされる!
「多恵さん長湯は反対に疲れますよ。そろそろお上がりを!」
外からサリナさんが声をかけてきてフィラが離れた。ホッとした反面がっかりしているの私?
複雑な表情をしていたらフィラが気まずそうに「また来る」だけ言って消えた。
「びっくりした…」
フィラの男の顔にどきどきがとまらない。なんだろう…今日のフィラは余裕が無いように見えた。いつもは自信があって俺様タイプなのに…
なんか色々あり過ぎて頭がぼーとして来た。あれ…誰かが扉をノックしてる?
返事が無く心配したサリナさんとミリアさんが浴室に入ってきてのぼせている私を発見。バスローブを着せられてミリアさんに寝室に運ばれてサリナさんに怒られました。
フィラが言っていた通り周りがピリピリしている。誰も何も説明してくれない。てん君に聞いても“大丈夫”の一点張りで私一人置いてきぼりだ。湯あたりも落ち着て居間に行くと普段部屋に入らない男性騎士さんが待機していてびっくりしていると、いつも通りのサリナさんがお茶と茶菓子を用意してくれる。
お茶をしていると今日の当番のデュークさんから説明がある
「私共も詳しい事は知らされておりません。後ほどアーサー殿下とイザーク様が説明にお見えになります。今は念のため警備を厳重にしておりますので、暫くの間ご辛抱願います」
「すみません。私ごときに…」
申し訳なくてソファーで小さくなっているとサリナさんは裁縫道具が入った籠を持って来てくれて
「今日は私も時間がございますので、一緒にマスクを作りましょう」
サリナさんの気づかいに感謝しながらテーブルに移動して2人でマスクを縫いだす。
サリナさんは少しの説明で手際よくマスクを縫っていく。サリナさんは何をしても完璧で憧れる。今は騎士さんがいるからあまりバカな話は出来ないが、雑談しながら楽しく裁縫に勤しむ。
遠くで6刻の鐘の音が聞こえてきた。サリナさんは裁縫道具を片付け夕食の準備で退席した。
今日のダンス練習と長風呂で結構体力を使ったらしく、気が付くとソファーに座ったまま寝ていました。
ダンスで疲れ汗だくになったので贅沢に昼から湯あみ中。当初の予定が全てとび自由だ。
キース様がイザーク様の急な呼出で面会が中止に。キース様何かやらかしましたか?
キース様って第一印象はクールな印象で陛下の命令で私の伴侶候補になった感じだったから、私に興味なんて無いと思っていた。
事件以降は箍が外れた様にひたむきに好意をぶつけてくる。何だろう…愛情では無いような気がするのは気のせい?
「俺以外の男の事を考えているのか⁈」
「へっ?」
今フィラの声がしたよ! ちょっと待ってここバスルームで…1人で入って…
バスタブの横に衝立がある。恐る恐る衝立に目を向けると…衝立の上に深緑の頭が!
「うぁ!なんでフィラがここにいるの!!」
「静かに!外の者に気が付かれたら面倒だ」
パニックになり隠れる場所を必死に探しながら
「こっち向かないで! 用事なら後で部屋に来たらいいでしょう!」
「今この城内の警備はいつも以上に厳重になっている。恐らくお前が浴室を出ると護衛が増えているぞ」
「なんで?」
状況が分からず衝立の上の深緑を見つめていた。すると
「港いる風の妖精が“港に沢山船が入り雰囲気がおかしい”と知らせてきた。心当たりはないか⁈」
「…そういえばアーサー殿下が第2女神の箱庭からの入船が最近増えているって言っていたよ」
「やはりか…あと、カクリー家におかしな所は無いか?」
「っ!…」
思わぬ質問に言葉が出ない。
「何か知っているな。俺は箱庭の住人のいざこざに関わることは出来ない。それは女神リリスの制約によるものだ。カクリー家の者がどうなろうと知らん。だが今回はどうやら第2女神の箱庭の妖精王が関係しているようだ」
「“良くないもの”は第2女神の箱庭の妖精王?」
すると溜息を吐いたフィラは
「俺もまだ分からん。しかしケニーがおかしい動きをしているのは確かだ。俺はお前に害が無い限り動けん。とりあえず妖精達に注意喚起をしておいた。てんがいるから大丈夫だと思うが気を付けろ」
「分かった。ありがとう」
何でこんなに色々起きるかなぁ… 何もない1日なんてここに来てから無いような気がする。
「この衝立邪魔だな!そちらに行っていいか?」
「なっ!駄目に決まってるでしょう」
慌てて胸元を腕で隠した。
「そろそろ俺を受け入れたらどうだ」
「まだこっちに来て1か月も経って無い。そんなに簡単に気持ちは動かないよ」
「時間は関係ない。俺はお前が箱庭に来た時からお前以外いらない」
いつもと違い真面目な声のフィラに戸惑いながら
「ごめん。今は…でも、フィラの気持ちは嬉しいよ」
「・・・」
少しの沈黙の後
「悪かった。お前に群がる虫が気に食わなくて急がせた」
フィラが分かってくれて安心していたら不意にフィラが衝立の中に…
「なっ!」
フィラはいつもの優しい眼差しを向けて浴室に浸かる私に近づく。今日のお湯は白濁していてギリギリ見えないと思うけど焦る。温まったのと恥ずかしさから一気に体温が上がる。
『ちょっと!今はだかです!私』
と心で叫んだ。するとフィラは額に口づけをして
「いつかお前のすべてを俺にくれ…」
どうしていいか分からずフリーズしていると、フィラの顔が近づいてくる。口づけされる!
「多恵さん長湯は反対に疲れますよ。そろそろお上がりを!」
外からサリナさんが声をかけてきてフィラが離れた。ホッとした反面がっかりしているの私?
複雑な表情をしていたらフィラが気まずそうに「また来る」だけ言って消えた。
「びっくりした…」
フィラの男の顔にどきどきがとまらない。なんだろう…今日のフィラは余裕が無いように見えた。いつもは自信があって俺様タイプなのに…
なんか色々あり過ぎて頭がぼーとして来た。あれ…誰かが扉をノックしてる?
返事が無く心配したサリナさんとミリアさんが浴室に入ってきてのぼせている私を発見。バスローブを着せられてミリアさんに寝室に運ばれてサリナさんに怒られました。
フィラが言っていた通り周りがピリピリしている。誰も何も説明してくれない。てん君に聞いても“大丈夫”の一点張りで私一人置いてきぼりだ。湯あたりも落ち着て居間に行くと普段部屋に入らない男性騎士さんが待機していてびっくりしていると、いつも通りのサリナさんがお茶と茶菓子を用意してくれる。
お茶をしていると今日の当番のデュークさんから説明がある
「私共も詳しい事は知らされておりません。後ほどアーサー殿下とイザーク様が説明にお見えになります。今は念のため警備を厳重にしておりますので、暫くの間ご辛抱願います」
「すみません。私ごときに…」
申し訳なくてソファーで小さくなっているとサリナさんは裁縫道具が入った籠を持って来てくれて
「今日は私も時間がございますので、一緒にマスクを作りましょう」
サリナさんの気づかいに感謝しながらテーブルに移動して2人でマスクを縫いだす。
サリナさんは少しの説明で手際よくマスクを縫っていく。サリナさんは何をしても完璧で憧れる。今は騎士さんがいるからあまりバカな話は出来ないが、雑談しながら楽しく裁縫に勤しむ。
遠くで6刻の鐘の音が聞こえてきた。サリナさんは裁縫道具を片付け夕食の準備で退席した。
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