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145.子爵領2日目
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険しい表情のリックさんに下ろしと言える雰囲気はなく大人しく抱っこされています。
半泣きのミリアさんと青い顔をしたローガンさんが走ってくる。あれ?ジャックさんが居ない。
ミリアさんは私が拉致られたの二度目だから悲壮な顔をしている。ごめんなさい!
「お~い!ユキちゃん拉致ったのコイツだろう⁈」
ジャックさんが男性を引きずって歩いてきた。そこには顔が腫れ上がった男性が。
「コイツは隣町のチャロで俺と同じ綿農家の跡取り息子で酒癖が悪いので有名だ。その悪評はバース領全体に広まり、この辺の女性は相手にしない。だから他の所から来た女性に片っ端に声を掛けるんだ」
「コイツさっきユキに声を掛けていたわ!」
ミリアさんが目を吊り上げその男を睨んだ。
「どうせ誰にも相手にされずヤケ酒を煽り、ユキちゃん無体な事しようとしたんだろう。ユキちゃん嫌だやろうがコイツで間違いないか確認してくれ。自警団に引き渡す」
怖いけど男の顔を見た。けどジャックさんに殴られていて分かりにくい。でも
「あっ!」
男の右頬に特徴のあるアザがある。顔を寄せられた時に見たやつと同じだ。でもさっきの事を思い出して身が竦むと
「ユキちゃんごめんな…怖いよな…頑張ってくれ。今まで公になってないだけで、泣いた女性は多い筈だ。ここでキチンと裁かないとまた被害者がでる」
ジャックさんの言葉に勇気を持ち、出来るだけ男性を見ない様に頷いた。そして男はローガンさんが呼んできた自警団が詰所に連行した。
リックさんが小声で
「帯剣し騎士であったら斬ってやるのに…」
と呟き、怖いから聞かなかった事にした。ミリアさんは握り拳を震わせながら男を睨み付けている。こちらも怖いから見ない事にした。
「俺がずっと手を引いていればよかった。この辺で俺に勝てる奴はいないから、手を出す奴はいない。リックさん俺が抱っこ替わるわ」
「要らぬ心配だ。ユキは妹分だ!妹は俺が守る」
「ユキちゃんはホンとに愛されているなぁ…手強い」
汗だくになってローガンさんが馬車を呼んできたので子爵邸に戻ります。ジャックさんとはここでお別れします。馬車の窓からジャックさんにお礼を言って帰路についた。
子爵邸に着いて部屋に戻ると夕食までのんびり過ごす。てっきりサリナさんに怒られると思っていたから拍子抜けだ。夕食は子爵家の皆さんとは別室でいただき、いつも通りリックさんもミリアさんも気さくに話してくれて安心する。
就寝準備をしていたら子爵夫人とサリナさんが部屋に来た。入室するなり二人とも深々と頭を下げて謝罪されます。
「本来は当主であるランディが謝罪すべきところ、表向き乙女様は侍女となっているため、代理で私が謝罪する事をお許し下さい。あの男は以前から素行か悪く自警団も監視していたのですが、乙女様に危害を加えるなんてあってはならぬ事。厳重に対処いたします故、お許しいただきたくお願い申し上げます」
「私の危機感の無さで皆さんにご迷惑をおかけしてすみませんでした。子爵様にもその様にお伝え下さい」
謝罪を受けると夫人の表情が緩まる。そして不思議なことが起きたという。
「先程自警団から連絡があったのですが、あの男を連行している最中に、突風が吹き倒れた拍子に男は足を骨折した様です。その突風はなぜかすぐ横にいた自警団員には何故か当たず不思議な現象が起きたそうです」
思わずサリナさんを見たら無言で頷く。恐らくいや十中八九フィラだ。やりかねないし骨折ぐらいでよく留めたなって感じだ。思わずフィラにもらったチョーカーに触れ心の中でお礼を言う。
夫人と入れ違いにリックさんが部屋に来て、明日の打ち合わせと思いきゃ…3人からお小言をもらう羽目に。帰って来て誰も触れず安心していたから時間置いての説教は堪えた。嫌な汗を沢山かきまた湯浴みする羽目になりました。
翌朝、新たな1日が始まります。今日は念願の綿花収穫。朝からしっかり食事を取り元気満タン。汚れてもいいワンピースに日焼け防止にスカーフを頭に巻いて準備万端。裏口に行くと荷馬車が停まっていてジャックさんがいます。
「おはよう!ユキちゃん大丈夫か?辛い時は俺を頼れよ!」
「おはようございます。大丈夫です。今日はよろしくお願いします」
朝から爽やかなジャックさん。今日は作業するから作業ズボンにシャツと軽装だ。半袖から覗く二の腕はがっしりし男らしく恥ずかしくなった。ジャックさんは手に持っていた帽子を両手持ち私とミリアさんに被せてくれた。さぁ!綿花畑に出発です。
半時間程走ると一面真っ白な綿花畑に到着した。
幻想的な風景に昨日の嫌な思いが消えていく気がした。
作業小屋に着いたら収穫作業をする従業員がいて、ジャックさんが紹介してくれご挨拶する。
男性4人に女性3人そこに私とリックさんミリアさんが加わり10人で収穫をする。
筒型の籠を吊り紐で斜めがけにし、綿花の根元を鋏で切って収穫していきます。
作業に慣れていない私達3人は作業小屋に近いところからスタートし、他のベテランさんはジャックさんが荷馬車で収穫ポイントに送っていきました。
初めは収穫の仕方をジャックさんのお母様が手解きしてくれゆっくり始める。
「ジャックがね酒場でかわいい天使に会ったといい、その天使はサリナ嬢様の同僚だと聞いてびっくりしたわ。あの子が言った通り何て愛らしいお嬢さんなのでしょう!
親の贔屓目だけどあの子は正義感が強く心根の優しい子よ。モテるけど本気になる子が居なくて未だ独身。ユキちゃんが良ければ直ぐにでも嫁に来て欲しいわ!」
距離感のないご婦人に少し逃げ腰になり、ジャックさんにはもっといい人がいると言うと
「一応考えてみてね。ジャックがダメなら長男のピートでもいいのよ!後で紹介するわ!」
親子だなぁ…ジャックさんのお母様も押しが強かった。
半泣きのミリアさんと青い顔をしたローガンさんが走ってくる。あれ?ジャックさんが居ない。
ミリアさんは私が拉致られたの二度目だから悲壮な顔をしている。ごめんなさい!
「お~い!ユキちゃん拉致ったのコイツだろう⁈」
ジャックさんが男性を引きずって歩いてきた。そこには顔が腫れ上がった男性が。
「コイツは隣町のチャロで俺と同じ綿農家の跡取り息子で酒癖が悪いので有名だ。その悪評はバース領全体に広まり、この辺の女性は相手にしない。だから他の所から来た女性に片っ端に声を掛けるんだ」
「コイツさっきユキに声を掛けていたわ!」
ミリアさんが目を吊り上げその男を睨んだ。
「どうせ誰にも相手にされずヤケ酒を煽り、ユキちゃん無体な事しようとしたんだろう。ユキちゃん嫌だやろうがコイツで間違いないか確認してくれ。自警団に引き渡す」
怖いけど男の顔を見た。けどジャックさんに殴られていて分かりにくい。でも
「あっ!」
男の右頬に特徴のあるアザがある。顔を寄せられた時に見たやつと同じだ。でもさっきの事を思い出して身が竦むと
「ユキちゃんごめんな…怖いよな…頑張ってくれ。今まで公になってないだけで、泣いた女性は多い筈だ。ここでキチンと裁かないとまた被害者がでる」
ジャックさんの言葉に勇気を持ち、出来るだけ男性を見ない様に頷いた。そして男はローガンさんが呼んできた自警団が詰所に連行した。
リックさんが小声で
「帯剣し騎士であったら斬ってやるのに…」
と呟き、怖いから聞かなかった事にした。ミリアさんは握り拳を震わせながら男を睨み付けている。こちらも怖いから見ない事にした。
「俺がずっと手を引いていればよかった。この辺で俺に勝てる奴はいないから、手を出す奴はいない。リックさん俺が抱っこ替わるわ」
「要らぬ心配だ。ユキは妹分だ!妹は俺が守る」
「ユキちゃんはホンとに愛されているなぁ…手強い」
汗だくになってローガンさんが馬車を呼んできたので子爵邸に戻ります。ジャックさんとはここでお別れします。馬車の窓からジャックさんにお礼を言って帰路についた。
子爵邸に着いて部屋に戻ると夕食までのんびり過ごす。てっきりサリナさんに怒られると思っていたから拍子抜けだ。夕食は子爵家の皆さんとは別室でいただき、いつも通りリックさんもミリアさんも気さくに話してくれて安心する。
就寝準備をしていたら子爵夫人とサリナさんが部屋に来た。入室するなり二人とも深々と頭を下げて謝罪されます。
「本来は当主であるランディが謝罪すべきところ、表向き乙女様は侍女となっているため、代理で私が謝罪する事をお許し下さい。あの男は以前から素行か悪く自警団も監視していたのですが、乙女様に危害を加えるなんてあってはならぬ事。厳重に対処いたします故、お許しいただきたくお願い申し上げます」
「私の危機感の無さで皆さんにご迷惑をおかけしてすみませんでした。子爵様にもその様にお伝え下さい」
謝罪を受けると夫人の表情が緩まる。そして不思議なことが起きたという。
「先程自警団から連絡があったのですが、あの男を連行している最中に、突風が吹き倒れた拍子に男は足を骨折した様です。その突風はなぜかすぐ横にいた自警団員には何故か当たず不思議な現象が起きたそうです」
思わずサリナさんを見たら無言で頷く。恐らくいや十中八九フィラだ。やりかねないし骨折ぐらいでよく留めたなって感じだ。思わずフィラにもらったチョーカーに触れ心の中でお礼を言う。
夫人と入れ違いにリックさんが部屋に来て、明日の打ち合わせと思いきゃ…3人からお小言をもらう羽目に。帰って来て誰も触れず安心していたから時間置いての説教は堪えた。嫌な汗を沢山かきまた湯浴みする羽目になりました。
翌朝、新たな1日が始まります。今日は念願の綿花収穫。朝からしっかり食事を取り元気満タン。汚れてもいいワンピースに日焼け防止にスカーフを頭に巻いて準備万端。裏口に行くと荷馬車が停まっていてジャックさんがいます。
「おはよう!ユキちゃん大丈夫か?辛い時は俺を頼れよ!」
「おはようございます。大丈夫です。今日はよろしくお願いします」
朝から爽やかなジャックさん。今日は作業するから作業ズボンにシャツと軽装だ。半袖から覗く二の腕はがっしりし男らしく恥ずかしくなった。ジャックさんは手に持っていた帽子を両手持ち私とミリアさんに被せてくれた。さぁ!綿花畑に出発です。
半時間程走ると一面真っ白な綿花畑に到着した。
幻想的な風景に昨日の嫌な思いが消えていく気がした。
作業小屋に着いたら収穫作業をする従業員がいて、ジャックさんが紹介してくれご挨拶する。
男性4人に女性3人そこに私とリックさんミリアさんが加わり10人で収穫をする。
筒型の籠を吊り紐で斜めがけにし、綿花の根元を鋏で切って収穫していきます。
作業に慣れていない私達3人は作業小屋に近いところからスタートし、他のベテランさんはジャックさんが荷馬車で収穫ポイントに送っていきました。
初めは収穫の仕方をジャックさんのお母様が手解きしてくれゆっくり始める。
「ジャックがね酒場でかわいい天使に会ったといい、その天使はサリナ嬢様の同僚だと聞いてびっくりしたわ。あの子が言った通り何て愛らしいお嬢さんなのでしょう!
親の贔屓目だけどあの子は正義感が強く心根の優しい子よ。モテるけど本気になる子が居なくて未だ独身。ユキちゃんが良ければ直ぐにでも嫁に来て欲しいわ!」
距離感のないご婦人に少し逃げ腰になり、ジャックさんにはもっといい人がいると言うと
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