女神の箱庭は私が救う【改編版】

いろは

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151.決行

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替え玉作戦決行の朝。早目に起きて準備をします。少し長めの丈のワンピースに下に騎士服を着て宿の食堂へ。ランさん騎士服を着て一緒に朝食を取り女性騎士が居る事を周囲に印象付ける。
準備が整いチェックアウト。私は大きめの鍔の帽子を被り、ランさんはマントのフードを目深に私を馬車にエスコートし私に次いで馬車にのりこんだ。車内で直ぐにワンピースを脱ぎそれをランさんが騎士服の上に。私はマントを羽織りフードを目深に被り馬車から降りる。そしてランさん装いサリナさんに手を添え馬車にエスコートします。乗る時にサリナさんが

「ご無事で。王城でお待ちしております」

と心配し、次に乗るミリアさんはワザと

「ラン。早く乗馬が上手くなる様に上官にしごかれてこい!」

と後輩を激励する先輩を演じる。そして最後にリックさんが私の頭を軽く2回叩き小声で

「幸運を…」

みんなの気持ちが嬉しくて泣きそうになった。そして私はクレイブ様や騎士さんと一緒に騎士の礼をし馬車を見送った。
無事見送ると少し寂しくなり涙目に。
クレイブ様が肩を抱いてくれ「我々も帰るぞ」と優しく声をかけてくれる。

クレイブ様の愛馬は焦茶大できく威圧感がある。しかし目が合うと鼻先を近付けて擦り寄ってくれる。
初めて馬に触れるけど怖く無かった。
そして鞍に背伸びして手を掛け、足はクレイブ様が手で支えて一気に馬上に上げてくれた。予想以上の高さに叫びそうになった悲鳴を飲み込んだ。

「前の鞍を持て。立髪は触るな嫌がる。体は…もう少し後ろに来い安定しない」

後ろに下がると背中がクレイブ様にピッタリあたり赤面する。クレイブ様は咳払いをして出発した。
初めはゆっくり目に進み、テントンの街を抜けたらスピードを上げる。
草原を駆けていく。馬車と違い風を感じ気持ちいい。するとクレイブ様が

「慣れていないと体に力が入り疲れます。寝ていただいて構いませんよ。しっかりお支えしますから」
「大丈夫です。王都まで頑張ります!」

って言ったしりから眠くなり5分としないウチに寝てしまった。

「多恵様…多恵様」

誰か呼んでいる。目を覚ますとクレイブ様の腕の中で、慌てて離れたらバランスを崩し落ちそうになり、クレイブ様に腕を引かれ再度抱き締められる。

「ごめんなさい!」
「いっいえ…ここで休憩します」

周りを見渡すと小川横に大きな木があり、木陰にシートを敷いてくれている。騎士のザイラさんの手を借り降りたら足元がおぼつかない。

「失礼します」

ザイラさんが敷物まで運んでくれる。そして馬達に小川で水を飲ませてから放牧し草を啄み休憩させる。
現在地を聞いたら後半刻程で、ファーブス領を抜けて王都に入るらしい。
ライズさんに水をもらい一息つく。淑女らしくないけど寝転がり両手両足を伸ばす。クレイブ様や騎士さんは後ろを向き気まずそう。

「あれ?こちらではストレッチとかは無いんですか⁈」

聞いたらストレッチや準備運動の概念は無いらしく、私が説明するとクレイブ様は真剣に話を聞いて敷物に寝転がり伸びをした。

「これはいい!体の強張りが解消され楽になった!多恵様これは騎士団に取り入れたい!」

騎士の2人も草の上に寝転がり伸びをして目を輝かせている。

「体を動かす前と後にストレッチすると体を痛める事が減るはずです」

実は独身の頃にスポーツジムに通ってエアロビクスをしていた事がある。エアロビは必ず始まりと終わりにストレッチがありそれを覚えていた。この後座って出来る簡単なストレッチをして体を解す。クレイブ様達に教えている私の気分はインストラクターだ。

馬達も人間もリフレッシュし王都を目指して馬を走らせます。テントンでは人の目があり押し上げてもらいましたか、今はクレイブ様が手を引き馬上に上げてくれた。

辺りを確認に行っていたライズさんが、1刻の方位に馬車と馬が5騎停車していると報告。
遭遇しない様に当初の予定順路を変更し、遠まりする事になり到着はお昼を過ぎる事になりそうだ。

すこしすると王都に近づいて来て馬車の数が増えてきた。私を探しているのもあるが、王都近くではこのくらいの馬車は普通らしい。
約1刻経ちやっと城下に入る。人通りが少ない裏道をゆっくり進むと大柄の男5、6人が乱闘騒ぎを始めた。大暴れでとうとう大通りまで拡大し一般人を巻き込み出した。
まだ騎士は来ていない。ふと目に小さい子を連れた親子連れが巻き込まれそうになっているのが見えた。

「クレイブ様。やめさせて下さい!一般の方が怪我をします!」
「我々は貴女を守る役目がある!ライズ一番近くの詰所に知らせて来い!」
「はっ!」

ライズさんは手綱を引き騎士の詰所に向かった。乱闘は人を巻き込み拡大して行っている。動けないクレイブ様の苛立ちを背中で感じ

「あっ!」
「多恵様ダメだ!」

体が勝手に動いて馬から飛び降りた。脚が”じーん”としたけどそれどころではない!幼稚園児位の女の子が跳ね飛ばされて泣いている。駆け寄り女の子を抱き上げ、向こうから名を呼びながら走ってくる母親に渡して安全な路地に避難させる。

「おかぁさーん!」

振り返ると今度は男の子が泣いている。男の子の背後から木の棒を持った男が走って来る。

「ガキどけ!」

思わず男の子を抱きしめて庇うと、興奮した男が私の背後に来て肩を掴まれ跳ね飛ばされた。地面激突を覚悟する。

「あれ?痛くない…」

何か分からないけど温かい何かの上に落ちた様だ。

「勇敢な女性レディだ。怪我はないかぃ?」

下から声がして思わず見たら…
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