片腕の伝説

ポタロー

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異端のボクサー

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 片腕ボクサー。

彼は右腕を一切使わず、左腕だけでリングに立つ。
誰もが「ハンデを背負った奇人」だと笑った。

だが——
最初の試合、彼はわずか一分で対戦相手を沈めた。
次の試合でも、カウンターの一撃で相手の意識を刈り取る。
スローモーションで再生しても、どうやって打ったのか分からない速さだった。

「なぜ片腕だけで戦うのか?」
誰もが疑問を抱いた。

その様子をじっと見つめる男がいた。
元武道家で、現在は解説者を務める 佐伯仁。
彼は目を細め、ボソリと呟いた。

「……古流の技を使っているな」

——この男、ただの片腕ボクサーではない。
その噂は、急速にボクシング界を駆け巡った。
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